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2022年の埼玉西武ライオンズを展望する【二軍編】

ヘッダー画像は埼玉西武ライオンズ公式ホームページより拝借しました




キャンプインまで10日を切り、A班に入って一軍の首脳陣にアピールする若手であったり、B班に入りじっくり調整を行う選手など、班分けの情報が少しずつ分かりだしてきました。新型コロナウイルスの感染が広まっており予定通りにはいかない可能性も高いが、逆に今なら開幕までには間に合うとポジティブに捉えていきたい

正月明けから書いてきた「展望シリーズ」は打者編、投手編に続き、今回はラストとして二軍編を書いていきます


打者編


ポジション別分布図
世代別分布図
2022年二軍予想デプスチャート



捕手



捕手の起用法としては、ドラフト3位ルーキー古賀悠斗の出番をいかに確保するか。春季キャップではA班入りが決まったとはいえ、森友哉が正捕手として君臨し、その脇を岡田雅利と柘植世那がサポートしており、仮にどちらかを二軍に落として、開幕一軍入りしても出番は僅かしか回ってこないので経験が積めなくなる

ならば二軍が開幕すると同時に下に落として、マスクを被らせたほうがいい。辻監督は「一軍で使ってみたい」とコメントされていたが、それはオールスター以降で良いのではないか

再来年には国内FA権を取得すると言われている森の動向次第ではあるが、古賀にとっても、もちろんチームにとっても根幹を揺るがす出来事になるので、いざという時のためにも今シーズンはまず経験を積ませたい


それによって割を食う形になるのが中熊大智、齊藤誠人、牧野翔矢の3人

中熊に関してはスタメンマスク時と一塁やDHでスタメン出場した時とで打撃成績に大きな差が出る

捕手:32試合 100-24 14三振 6四球【打率.240/OPS.560】
一塁:15試合 52-18 5三振 4四球【打率.346/OPS.816】
DH:6試合 17-5 5三振 4四球【打率.294/OPS.723】
途中:30試合 31-6 5三振 3四球【打率.194/OPS.491】

こうなると一塁での出場が増えるのでは?支配下登録のためにも、打撃でアピールしたほうが近道だろし

牧野翔矢もこれまでは元気であれば最優先で起用してもらっていたが、今シーズンからは古賀に次ぐ二番手という位置になり、捕手としての出番は減るだろう。昨シーズンは3年目にして打撃でも結果を残せるようになったので、念のためにも内外野どこでも守れる準備はしておいたほうが良い

齊藤に関しては控えの控えという厳しい立場になる。新婚さんなので頑張りたいところであるが


育成ドラフト1位で入団した古市尊はライオンズとの強力なパイプが出来ている徳島インディゴソックスからの入団となる

強肩と捕ってから投げるまで(ポップタイム)の速さが売りで、いわゆる「未来の甲斐拓也」

甲斐が一軍で頭角を現したのが入団7年目(25歳)、三軍を有するなど育成環境が充実しているホークスでじっくり育成されたが、それが無いライオンズでは二軍でチャンスを得るしかない

高卒ルーキーと比べ、一年間野球をやる環境に適応しているとはいえ、体力や基本技術などNPBのレベルにはまだ達していない部分も多いだろうから、まずそこから始めたい



内野


一・三塁と二遊間は基本的に固定はせずシャッフルしながらの起用となるが、注目はショートにだれを起用するか?

英才教育ではないが、2020年は高卒1年目の川野涼多、2021年は同じく高卒1年目の山村崇嘉を中心に起用しており、今シーズンは誰がその対象になるのか気になるところ

候補としては
・今シーズンも山村を引き続き起用する
・8月以降はスタメン数が逆転した川野
・ルーキーを抜擢するならば中山誠吾
・UZRでプラス評価だった長谷川信哉

の4人か

長谷川に関しては内野と外野、どちらに適性があるか球団としてもまだ決めてない様子なので、それも含めて楽しみである


渡部健人は二軍を卒業するためにも大事なシーズンとなる。昨シーズンは本塁打と打点の二冠に輝いたものの、8月以降は成績が低下。三振の多さに四球の少なさもあり、OPSは.800に乗らずじまい

ボール球を振らなくなれば三振は減り、四球は増える。そうなると投手も勝負しないわけにはいかないので一打席に1球はカウント球がくる。それをミスショットせずに狙い打つ

それが出来れば二軍は卒業出来て、今度は一軍で結果を残すための新たなモードに入る

同じく春季キャンプでA班入りしているブランドンとはどちらかが三塁のレギュラーを獲得し、どちらかは一塁かDHでレギュラーになれたらいいけど、山川穂高や中村剛也もそこにいるわけで、レギュラーになれずじまいでプロ野球人生を終える可能性だってある

そうならないためにもレベルアップして、今シーズン中には一軍定着を目指したい


中山誠吾に関しては大学4年生になって成績を落としたため、ドラフト6位と下位指名となったがロマンあふれる大型内野手

中山には最低250打席、できれば300打席以上立たせてまずはプロの水に慣れることが求められる。すべてはそれからということで


一方、育成ドラフト2位で入団した滝澤夏央は164cmと小柄ながら、攻守にスピード感あふれるプレーが売りの選手

シーズン前半は体力強化がメインになると思われるが、まずは3年で支配下登録を勝ち取れるよう頑張ってほしい



外野


高卒6年目を迎える鈴木将平にとって一軍定着へのタイムリミットが近づいてきた


二軍ではある程度の成績が残せるものの、「一軍では変わってしまう」という課題の克服が最大のテーマとなる。ここ数年で痛感した、「全部のバランスが取れた選手じゃないと、レギュラーにはなれない」を肝に銘じ、覚悟をもって寅年に挑む。

週刊ベースボールONLINE(2022年1月12日)


本人も語っているように二軍でできていることが一軍だとできない。これは一軍だと結果を残せない選手すべてに共通する課題ではあるが、この壁を破れない限り、一軍で結果は残せない



このオフは近年恒例となっていた秋山翔吾組への自主トレ参加を見送り、パーソナルトレーナーを付けて一人で行動するようになり、パワーアップにも着手している

昨シーズン、一年先輩で高卒ドラフト4位という共通点を持つ愛斗が6年目にして一軍でのチャンスを得た。同じようにチャンスを掴むことができるか


高卒5年目を迎える西川愛也と高木渉も課題を克服できずにいる。西川はここ2年、怪我が多く200打席以上立てていないので試合に出続けることと、コロコロ変わる打撃フォームを固めること、高木は入団以来、OPS.800の壁が破れず、突き抜けた成績を残せないでいる

彼ら二人にとって同期入団の綱島龍生が昨シーズン限りで戦力外通告を受け引退したことで「次は自分たちかも」との危機感を抱いているかもしれない。そうならないためにもまずは二軍でアピールをしたいところ


左打ちの外野手が多くいる中、新たに入団してきたのが育成ドラフト4位の川村啓真


プロ野球界では飽和状態になっている右投げ左打ちの外野手で足と守備は普通、打撃に特化したタイプながら、4年秋のリーグではアピールできなかったのが災いしてか育成ドラフト4位の低評価となってしまったが、スイングスピードの速さは定評があり、井端弘和は自身のYouTubeチャンネル【※6分56秒ごろから】で高評価をしていた


現在、支配下登録が63人と枠はまだまだある。群雄割拠といえば聞こえはいいが、結局のところ「どんぐりの背比べ」なので、B班キャンプから春季教育リーグ→二軍公式戦とアピールし続ければ、早期の支配下登録も十分にあり得る。一気に駆け上がることができるか楽しみである



投手編



二軍で先発する投手は一軍で空きが出た時のための予備軍と今後一軍の戦力となる若手の二種類に分けられるが、ライオンズの場合、個人的な印象として将来有望な若手が少ない

そんな中で期待するとなれば、浜屋将太と佐々木健の両サウスポーと高卒2年目を迎える豆田泰志

佐々木に関しては【投手編】で書いているので、ここでは浜屋について

入団からの2年間はサウスポーがいないチーム事情もあり登板機会を得ていた。しかし球速や変化球、コントロールなど諸々足りていないまま投げているのでボロが出て、一軍定着ならず。そうこうしている間にドラフトで2人、新外国人投手1人の計3人サウスポーを獲得。希少価値が薄れている

二軍ではそれなりに三振も奪え、コントロールもそこまで破綻しない。しかし一軍では振ってもらえないので三振が奪えないし、カウントを悪くして四球を出す悪循環

個人的には帆足和幸のように25歳を過ぎてから投手として結果が出始めるのではないかと思っているが、もう社会人卒の3年目。そろそろ結果が欲しい

10月26日に「左有痛性外脛骨障害に対する骨部分切除術」を行ったが、春季キャンプでは最初から動けるはずなので、まずは二軍のエース格となるべく、結果を残したいところ


豆田泰志は公式戦だと9試合(先発4試合)で26.2inしか投げていないが、練習試合では6試合(先発5試合)で27inと投げる機会を貰っていた

公式戦:9試合 26.2in 奪三振23 与四球21 自責点28
【防御率 9.45/WHIP 2.10/K% 17.0%/BB% 15.6%】

練習試合:6試合 27in 奪三振26 与四球18 自責点5
【防御率 1.67/WHIP 1.33/K% 22.4%/BB% 15.5%】

防御率が9点台というのはさすがに打たれすぎだし、四球の多さなど改善の余地は大いにあるが、三振が奪えるのは魅力的で今シーズンは公式戦でどれだけ出番を貰えるか

そこで結果を残すことが出来れば支配下登録もそう遠くはないだろう


同じく育成2年目となる赤上優人は春季教育リーグの時点では結果も上々で、早期の支配下登録も考えられた。しかし5月16日の登板を最後に三か月近い空白期間があり、8月19日に実戦登板を果たしたものの、与四球が多くなるなど苦しんだまま一年目のシーズンを終えることとなった

空白期間は怪我だと思うが、そこから投球フォームなどバランスを崩したのであれば、その修正が必須となる

本来なら150キロを超えるストレートの持ち主だけに、良い状態に戻してほしいものである



高卒ルーキー三人衆に関してはまず、身体づくりからスタートとなる。いずれも将来性豊かな大型投手で焦る必要はない。豆田がそうであったように彼ら3人も力の劣る練習試合で経験と自信を付けながら、公式戦での登板となるだろう

投手の頭数が少ないので、出番が回ってくるのは速くなるかもしれない。まだ投げられない状態なのに投げさせることの無い様、球団としての管理体制はしっかりとしていただきたい


最後にリハビリ組について

リハビリ組の4人はいずれもトミー・ジョン手術を受けており、それぞれ
・粟津凱士 2021年4月12日
・齊藤大将 2021年5月20日
・伊藤翔 2021年10月18日
・上間永遠 2021年11月22日

となる

実践復帰までは12か月とも16か月とも言われ、個人差はあるが粟津と齊藤は後半戦から復帰できるのでは

逆に言えば伊藤と上間はフェニックスリーグも含め、今シーズンは一度も投げないままリハビリに費やすこととなるだろう

精神的にも辛い日々を過ごしているかと思うが、実戦登板の日を楽しみに待っていたい


2020年、西武第二球場からCAR3219フィールドと呼び名が変わったが、昨今の折、観客を入れての開催が難しく、入っても100人前後

観客が入れば選手も気持ちが高揚し、いいプレーが生まれる。もちろん新型コロナウイルスの感染状況が収まってこそだが、今年こそは多くの観客に二軍で頑張る選手を見ていただき盛り上げてもらう。そして選手たちはそれをプレーで還元する。今年こそは良い循環となってほしいと願うばかり

そして彼らが一人でも多く一軍と戦力となるのを楽しみにしたい

では👋👋


参考資料


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