ザック・ニール活躍のカギはあの選手?

今シーズンのライオンズにおける課題は?を聞かれたら、多くの方が「投手陣」の事を挙げるでしょう。
菊池雄星が抜け、繰り上がってエースとなった多和田真三郎に次ぐ先発投手が心許ない。

榎田大樹、十亀剣に人的補償で移籍してきたベテランの内海哲也の実績組。今井達也、高橋光成、伊藤翔にドラフト1位で入団した松本航と言った若手投手などいることはいるけど、自信をもって送り出せるかと言われたら口ごもってしまう。

そこで期待されるのが新たに獲得した外国人投手のザック・ニール。

彼に関する詳しい情報はこちらの方のツイートでほぼ網羅されていると思いますのでご覧いただくとして、私も気になるのが、球速であり球威で相手打者を牛耳ることが出来るのかという点。

昨年11月に行われた日米野球で秋山翔吾が「動くボールへの対応もだけど、ボールそのものが強い」と話していたように、押し込める力が無いといくら動かしてもボールが飛んで行ってしまえば、どうにもならないわけです。

ライオンズでは近年、ボールを動かす投手で結果を残した投手と残せなかった投手がいました。
2014年に入団したけど、3勝7敗でシーズン途中に戦力外となったクレッグ・レイノルズと2016年のシーズン途中に入団し、翌2017年には9勝(4敗)を記録したブライアン・ウルフです。

ボールの強さは打者の感覚的なものもあり、データで表しづらいものがありますが、球速であればデータがあるので分かります。

G.レイノルズ
【2013年】※FANGRAPHSより
FB 88.8マイル(約142.1キロ)/カッター86.0マイル(約137.6キロ)
【2014年】※DELTAより
4シーム 138.0キロ/2シーム 137.0キロ/カッター 134.6キロ

B.ウルフ
【2017年】※DELTAより
4シーム 146.3キロ/2シーム 145.0キロ/カッター 142.8キロ
【2018年】※DELTAより
4シーム 144.7キロ/2シーム 144.2キロ/カッター 143.1キロ

ウルフとレイノルズでは平均球速が8キロ近く差があり、この差って相当大きいのではないと思っています。

そしてニールはと言うと、この様になります。

Z.ニール
【2018年】※FANGRAPHSより
FB 90.2マイル(約144.3キロ)/スライダー 86.7マイル(約138.7キロ)

もしニールが昨シーズンと同じぐらいの球速であれば問題はない。ただ

この様に機材的なものなのか、測定位置なのか詳しくは分かりませんが、メジャー時代の球速が日本に来ると、ほぼ間違いなく落ちると言うのは事実。
ニールに関しても、2~3キロなら許容範囲ですが、4~5キロほど落ちて、平均球速が140キロを割る様だとレイノルズの二の舞になる危険性大と見ています。

これだと希望も何もないんですが、
「2014年と現在ではここに違いがあるのでは?」と考え直すような記事を見つけました。

栗山監督「根尾昂と小園海斗に指名が集中」した理由
球界のトレンドを決定づけたあるライバル球団の選手

これは栗山英樹監督が新たに刊行した『稚心を去る 一流とそれ以外の差はどこにあるのか』に書かれている一説を紹介したものですが、栗山監督は根尾昂と小園海斗という二人の遊撃手に指名が集中した理由をこのように解説しています。

いったいなぜ、そこまで評価が集まったのか?
もちろん、2人が突出した才能の持ち主で
あることに疑いの余地はない。
だが、要因はそれだけではなく、
最近の日本球界のトレンドが反映されたのではないかと感じている。

そのトレンドを決定付けたのは、ライオンズの源田壮亮だ。

彼が入団して2年、ライオンズはチームそのものが明らかに変わった。
そもそも当時のドラフト前、源田のことはもちろん知っていたが、
「守備はうまいが、打てない」という評価を耳にしていた。

それが、いざプレーを見てみると、守備はうまいどころではなく、
球史に名を残すレベルなのではないかと思うほど、ずば抜けてうまい。
ショートに源田がいるという安心感が内野全体に伝わり、
みんながのびのびとプレーしているように感じる。
そして、なおかつ打つほうも、
相手チームに十分な脅威を与えるレベルの「嫌なバッター」だった。

新人で「開幕一軍」を勝ち取れるレベルのショートが入ると、
それだけでチームはガラッと変わってしまうということだ。
ショートでそこまでの選手はなかなか出てこない。
 
そういった球界の流れ、トレンドが反映された結果
根尾、小園「4球団競合」というドラフトだったのではないだろうか。

これには源田壮亮という選手は勿論、ルーキーの彼を使い付けた辻発彦監督も含めての話にはなりますが、確かに源田が入団したことでライオンズは大きく生まれ変わりました。
具体的にデータで表した場合、どのように変化したか?DELTAにあるライオンズのポジション別UZRを2014年から2018年まで比較するとこのようになります。

画像1

2014年もTOTALでは3位と良い成績なんですが、レフトとセンターで数字を稼いでいて、ゴロを打たせる投手にとって肝となるはずの内野守備ではいずれもマイナスとなっており、特にショートは12球団で最下位でした。
それが2017年からはショートでは圧倒的な数値で12球団TOPとなり、それに引っ張られる形で、内野手全員がプラス評価と大きく変わっているのが分かります。

捕手の岡田雅利も東京スポーツの取材に対して

「試合の中でピンチの時、併殺が欲しい時は
まずゲン(源田)のところに打たせる配球をする」

と答えており「源田効果」の大きさを感じずにはいられません。

今シーズンは二遊間でコンビを組んだ浅村栄斗が移籍をして、新たな相方とコンビネーションを積み上げないといけないので、ゲッツーが取れなくなり数値が下がる可能性もあるし、セカンドの守備範囲が広くなりお互いをカバーしあう事で、逆に上がる可能性だってある。

どちらにせよ、あと2~3年はUZR上でも源田の天下が続くだろうし、今年もフルイニングもしくはそれに準ずるほどの出場ができれば、ニールを救う可能性も大いにあるでしょう。


もしニールが規定投球回数を超える事となれば、外国人投手としては2004年、二けた勝利だと2002年以来となります。
※共に張誌家が記録したもの

源田が中心となってニールが打たせたゴロを内野陣が片っ端からさばくことが出来るのか。それとも打球が内野の頭を越えてしまい、どうすることも出来ないのか。
キャンプ、オープン戦の内容を見守りたいと思います。

では👋👋

ライオンズを中心にあれこれ思った事を書いてます。