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2021年ライオンズ二軍まとめ

ヘッダー画像は「パ・リーグTV」から拝借しました

一軍が最後の戦いを行っている中、二軍は10月3日に終了。11日からはフェニックスリーグが始まりますので、その前に振り返りたいと思います


打者編


2021年二軍打撃成績


2021年二軍守備位置一覧


2021年二軍打順一覧


2020~2021年二軍年齢別打席数グラフ


捕手


ライオンズのキャッチャー事情は森友哉が正捕手に君臨し、岡田雅利と柘植世那が二番手捕手として鎮座しているため、二軍にいるキャッチャーが割り込もうにも隙間が無いのが現状

そして森は今年で26歳とFAの問題さえクリアできれば、7~8年は問題なくできる計算となり、ベテランの域に差し掛かった岡田雅利も国内FA権を取得しているとはいえ、32歳と衰えが見られる年齢でもない

よってチームとしては先を見据え、高卒3年目の牧野翔矢を重点的に起用したいのだが、毎年のように怪我で一か月以上離脱するため、計画通り進んでいない

今シーズンも5月中旬から8月中旬まで離脱しており、その期間に起用されたのが中熊大智と齊藤誠人

中熊は昨シーズン、一塁やDHを中心に出番を得て、打撃面で好成績を残し、今シーズンはチームで最多の32試合にスタメンマスクを被る。キャッチャーとして経験を得られたのは大きかったが、問題はスタメンマスク時に打てなくなること

捕手:32試合 100-24 14三振 6四球【打率.240/OPS.560】
一塁:15試合 52-18 5三振 4四球【打率.346/OPS.816】
DH:6試合 17-5 5三振 4四球【打率.294/OPS.723】
途中:30試合 31-6 5三振 3四球【打率.194/OPS.491】

キャッチャーとファーストでOPSで2割5分近い差が生まれるのはいただけない。ホームランが0本と長打力に難点を抱えているが、それも含め「打てるキャッチャー」という本来の魅力を磨きたい


牧野に関しては8月中旬に復帰し、9月以降はチームトップのスタメンマスクを任されるなど、相変わらず期待の高さがうかがえる

そして9月以降は、33-11【打率.333/OPS.894】好調をキープ。シーズンTOTALでも、81-22【打率.272/OPS.684】と過去2年間、1割台の打率で苦しんだことを考えると、成長の跡がうかがえる

スポーツ紙や専門誌でドラフト指名予想が行われているが、ほぼ各紙でキャッチャーを指名するだろうと言われており、そうなると今までのように「期待の若手キャッチャー」の座を奪われる可能性が高い

4年目となる来シーズンこそ怪我は厳禁!ということで


内野


両サイドのファーストとサードに関しては、渡部健人とブランドンが出場機会を分け合う形になった

渡部は1年間、二軍でじっくり経験を積ませようというチーム方針もあったのか、怪我人続出で開幕直後に少しだけ一軍昇格した以外はほぼ二軍生活に

結果、4番を中心に最も出場機会を得て、本塁打と打点の二冠に輝くなど結果を残した

ただ同タイプの先輩となる山川穂高の1年目と比べたら、打率で1割、OPSだと2割3分近い差があり、確率・精度の面でかなり水をあけられている

山川穂高(2014) 277-89 21本
【打率.321 OPS1.018 K% 17.1% BB% 13.1%】

これに関しては、大学4年の秋に猛アピールしてドラフト一位まで一気に駆け上がった渡部と、大学時代に日米大学野球や社会人が中心のアジア選手権にも選ばれるなど、実績も十分あった山川とではスタート地点で差があるのは致し方ない

一方、ブランドンはOPSで8割を超え、ISOも2割以上、K%も15%を切るなど、地方大学のドラフト中位で入団したことを考えれば、及第点を与えられる成績でした

敢えて気になる点を挙げれば、6月にファームの月間MVPを獲得したが、7月以降成績が急落したことか

4~6月:92-32 4HR【打率.348/OPS 1.015】
7~10月:124-27 6HR【打率.218/OPS.711】

二人とも来シーズンは一軍でも100打席以上は経験して、一軍定着へのステップアップとしたい


センターラインのセカンドとショートはまず、山村崇嘉をショートで起用することがチームとして最優先されることから始まった

その結果、スタメンで56試合出場と貴重な経験を得ることができたが、残念ながら守備指数(UZR)をみると、100イニング以上守った39人中、最下位とかなり厳しい成績

元々、ドラフト前の評価として「意外とショートもできる」といったものだったが、残念ながらプロでは難しいか。来シーズンはセカンドやサードでの出場が増えるのでは

バッティングに関しては、シーズン当初から「足を上げる→ノーステップ→再び足を上げる」と打撃フォームを変えていき、打率やBB%は低いものの、高卒1年目で6本塁打は悪くないので、2年目の成長を見守りたい


山村が最優先で起用されたため、その余波を受けたのが川野涼多。昨シーズンはショートとして最優先で起用されていたが、今シーズン序盤は中々出番を得られず、打撃成績も伸び悩むなど苦しいシーズンとなった

高卒で入団したショートを守るスイッチヒッターということで松井稼頭央選手(現二軍監督)との比較をした場合、線の細さが気になるところ

NPBの歴史にも残る名選手と比較するのは可哀そうではあるが、最低でも身体を一回り大きくしたい


この二人がショートの守備指数でともにマイナス評価となる中、イニング数こそ少ないもののプラス評価を受けたのが長谷川信哉

セカンド、サード、ショートと外野の全て、合計6つのポジションを守ったが、ショートとセンターという高い守備能力を求められるポジションでプラスとなっており、イニング数こそ少ないものの興味深い存在に

ライオンズのショート事情は源田壮亮が絶対的な存在となっており、山田遥楓とシーズン中にトレードで獲得した平沼翔太がバックアップ要員、次世代のショートとして、山村・川野・長谷川の三人が候補となるが、この中からチャンスをつかむ選手が現れるのか?それともドラフトで新たな選手を獲得して、更なる競争が生まれるのか


外野


高木渉はK%が年々減ってきているものの、OPSが.800を超えず、頭打ちとなっている
K%:29.6%→32.6%→21.0%→18.6%
OPS:.796→.755→.763→.799

さらに細かく見ていくと、開幕直後の9試合で鬼のように打ったが、その後怪我をして復帰してからの成績は以下のようになる

3月20日~3月31日(9試合)
30-16 1HR【打率.533/OPS 1.444/K% 11.1%/BB% 16.7%】
5月22日~10月3日(61試合)

204-43 11HR【打率.211/OPS .702/K% 19.7%/BB% 11.2%】

こう見ると最初の貯金が無ければ、低調な成績と言わざる得ない。長打を打てる貴重な選手だけに来シーズンは頑張りどころ


鈴木将平は6月、7月、8月、9・10月の4か月間、全て打率3割以上と安定した結果を残していた
6月:67-23 1HR【打率.343/OPS .861/K% 5.2%/BB% 13.0%】
7月:42-14【打率.333/OPS .878/K% 17.8%/BB% 6.7%】
8月:22-8【打率.364/OPS .940/K% 7.7%/BB% 11.5%】
9・10月:55-7【打率.309/OPS .741/K% 11.1%/BB% 7.9%】

それだけに一軍昇格後、即スタメン起用された8月20日の試合で山本由伸相手に手も足も出ず、アピールできなかったのは残念。日本最強投手となった山本由伸相手に結果を残せというのも、かなりの無理ゲーではありますが


西川愛也はオープン戦での活躍もあって、開幕スタメンを果たすが開幕戦独特の緊張感と山本由伸のボールに面食らったわけではないだろうが、全く対応できず、自分のバッティングを「崩された」「壊された」形となってしまった

20打数ノーヒットと失意のまま二軍に落ちると、見るたびに打撃フォームを変えるなど、試行錯誤の日々が続く

最終的には後頭部の位置に構え、独特の予備動作をほぼなくす形となった



相手があることなので微調整は必要だが、根本の部分を変えすぎるといつまでたっても形が決まらないので、このバッティングフォームで固めてもらえれば



投手編


2021年二軍投手成績


2020~2021年二軍年齢別イニング数グラフ


年齢別のイニング数グラフを見ていただけると分かるが、昨シーズンは開幕直後、ベテランの調整を優先し、徐々に若手の経験を重視する方向に移行していったが、今シーズンは7月を除けば常に40%以上を若手に割り振るなど、バランスよく割り振った形となった

そんな中、水上由伸が支配下登録され、一軍昇格。パ・リーグ新人記録を塗り替える17試合連続無失点記録を作るなど、貴重な中継ぎ要因として活躍

渡邉勇太朗はストレートの平均球速が中々145キロを超えずに苦労していたが、ようやくその壁を破り一軍昇格。後半戦は手薄な先発投手陣の中に食い込むなど、一軍の戦力を2人排出することができた

一方でイニング数の上位3人、本田圭佑、上間永遠、與座海人、そして開幕ローテを勝ち取ったものの結果を出せずに二軍降格となった浜屋将太は球威・球速不足からか、一軍の壁に跳ね返されている

ストライクゾーンで勝負できるボールがないため、四隅ギリギリを狙おうとするがそこまでのコントロールは無いので、四球を出す。そして今度はカウントを稼ぎに甘いところへ投げ痛打を食らう悪循環

投げている本人がゾーン内に投げて抑えられる確信が無いので、自ら首を絞めるピッチングとなる

これに関してはロスの無い投球フォームの見直しなどいろいろ改善する箇所はあるんだろうけど、私のような門外漢としてはシンプルに「身体を鍛えて球を速くしてくれ!」というぐらいしか言えない

昨今、NPBにおいてストレートの平均球速が145キロに到達しだた時代に、140キロ出るか出ないかではかなり厳しい。特に上間永遠と浜屋将太はまだ若いので、もっともっと鍛えてもらえれば


中継ぎに目を移すと、後半戦に入り、井上広輝と大曲錬をショートイニングに限定させ、将来のセットアッパーorクローザー候補として育成している感がある

その中でも大曲錬は8月以降、出色の内容で今後に期待を抱かせる

17試合 17.2in 被安打14 被本塁打0 奪三振20
与四球8 与死球3 失点・自責点2
【防御率 1.02/WHIP 1.25/K% 26.3%/BB% 10.5%】 


一軍・二軍ともに投手陣は「三振が奪えず、四球が多い」という問題から抜け出せずにいる

東京スポーツ(が取材をしたライオンズのフロントOB)に「素材型を育成するノウハウがないじゃないか」と言われているが、残念ながら認めざる得ない

菊池雄星もその菊池に弟子入りした髙橋光成、平良海馬、田村伊知郎も、また自ら志願して涌井秀章やダルビッシュ有にアドバイスを求めた今井達也も自分で勉強・行動して、自分のものとした

球団として何もしていないわけではないだろうし、それがいいとは思わないが、プロ野球選手は一人の個人事業主である以上、自分のことは自分でやるべきだとも思う

これだけ投手陣が弱い弱いを言われ続けており、実際のところ一軍の先発ローテも4人目以降は団栗の背比べなので、付け入るスキはいくらでもある

個々の奮起を期待したい


では👋👋


参考資料


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