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2021年ライオンズ前半戦の戦いを振り返る(野手編)

ヘッダー画像は「埼玉西武ライオンズ公式Twitter」より拝借しました


先日、投手編を書きましたが、今回は野手編となります

では早速


一軍野手成績(20210713)


二軍野手成績(20210713)


スタメンマスク一覧(20210713)


二軍スタメン一覧(20210713)



#1 栗山巧

開幕直後に足の張りで一か月近く離脱したものの、復帰後はヒットを積み重ね、2000本安打まであと15本に迫る。ただ昨年と比べ、四球率、長打力(IsoP)などが落ちており、ヒットを打つことに重きを置いているのかもしれない。早く達成していつもの怖い打者に戻ってほしい


#2 岡田雅利

スタメンマスクは5試合のみだが、ピンチバンターとして芸術的な犠打を見せるなど、なくてはならない存在。6月1日に国内FA権を取得。仮に正捕手が決まっていないor二番手がいないチームから、内々に「5000万円×4年」でオファーがあった場合、最初で最後の勝負に出るか?


#3 山川穂高

開幕4戦目に今季第一号を放つも、その際に左ハムストリングを肉離れし、一か月近く離脱。状態が上がりだした6月に5死球を食らい、バッティングを狂わせるなど苦悩する。吉田正尚から教わった「自分を許す」を実践できるか?山川の復活なくして優勝はない。後半戦のカギを握る選手


#4 山野辺翔

外崎修汰のけがにより出番が回ってきたが、一塁にヘッドスライディングをした際、左手親指を怪我。4月12日に左母指MP関節尺側側副靱帯修復術を受ける。全治三か月の診断に対し、二か月後には実践復帰したが、見切り発車だったのかすぐに登録抹消。6月20日以降出場しておらず心配


#5 外崎修汰

開幕6試合目の4月3日に死球を受け、左腓骨(すねの部分)を骨折。侍ジャパンの有力候補だったが棒に振るなど不運な前半戦となった。ちょうど三か月後、7月3日から一軍復帰。ゴロ打球が多すぎる【63.0%】ので、もう少し打球を上げたい。山川同様、後半戦のカギを握る選手


#6 源田壮亮

開幕から安定した成績を残していたが、5月28日に新型コロナウイルスに感染。入団5年目にして初めて1週間以上休むこととなる。相対評価とはいえ、ここ2年、UZRが下降していたが、今年はイニング換算で入団以来トップの数値となっている。東京五輪で燃え尽き症候群にならないことを願うばかり


#7 金子侑司

今年も一番候補として期待されるが、打率が2割前後を彷徨い、早々に九番へ。そこでも結果を残せず、レギュラーからも外される。今まで高い身体能力を武器に「こなして」きたが、今年で31歳を迎え、こなせなくなってきたのかもしれない。40歳までやるなら、いまからでも基本に立ち返ろう


#8 渡部健人

3年目以降の一軍定着を目指して、今年は二軍でじっくりと育成中。
山川穂高(2014) 277-89 21本 打率.321 OPS1.018 K% 17.1% BB% 13.1%
一年目の山川と比べたら、三振の多さなど精度の部分でまだまだ劣る。今は実践経験あるのみ


#9 木村文紀

開幕から好調で5番を任されるほどだったが、腰痛を発症し、4月13日に登録抹消。5月に二軍で復帰後、5試合で3本塁打を放ち、一軍復帰するが全く打てず、濃厚接触者に認定され再び二軍へ。そこでも度々腰痛なのか休む場面が見られ、若手の台頭もあり、立場が危うくなっている


#10 森友哉

小さな怪我はあったが登録抹消されずに安定した力を発揮した、前半戦における打者のMVP的存在。スイング率、空振り率が入団以来最も低く、コンタクト率は最も高くなっており、好球必打なスタイルに変化している。左投手は苦にしないが、何故かファイターズの左投手を苦手にしている


#22 コーリー・スパンジェンバーグ

4月23日に一軍登録されると、ボール球を選ぶスタイルに様変わりしファンを驚かせたが、徐々に以前の姿に戻りつつある。昨年と比べ、ゴロ打球とフライ打球が逆転しており【ゴロ 39.0%→51.9%/フライ 53.3%→36.8%】、Hard%が低下【42.5%→34.9%】。アプローチのズレを修正したい


#31 佐藤龍世

昨年起こした自身の不祥事から復活を目指す今年、春季キャンプでは副キャプテンに任命されるなど球団のフォローもあり、早々に一軍登録をされるが守備での判断ミスもあり登録抹消。二軍では4番を任されているが、インパクトのある数字は残せていない。圧倒的な結果が欲しい


#32 山村崇嘉

教育リーグからスタメンショートでの起用が続き、英才教育を受けているが、お世辞にも守備が上手いとは言えず、スタメンから外れる機会も増えている。バッティングは足を上げていた前半戦から改良を重ね、現在ほぼノーステップで打っており、6月は3割近い打率を残すなど結果が出ている


#35 若林楽人

春季キャンプから一軍帯同し、思い切りのいいバッティングと走塁で、あれよあれよという間にレギュラーを獲得。しかし5月30日の試合で打球処理の際、左ひざを痛め負傷退場。6月23日に左膝前十字靭帯再建の手術を受け、実践復帰まで9か月の模様。今はじっくりリハビリに専念してほしい


#37 柘植世那

有事を考えてか、岡田雅利を上回る6試合でスタメンマスクを被るなど心境著しい控え捕手。生粋のホームランバッターかと見間違うほど高い弾道のホームランが魅力で、フライを打つことに徹底【ゴロ 55.0%/フライ 40.0%】すればもっと打てるのでは?


#38 牧野翔矢

入団以来毎年、一か月以上離脱する怪我に見舞われているが、今年も3月13日~4月1日、5月18日~現在に至るまで出場が無く、怪我だとは思うが、出場機会を得られずにいる。このままでは怪我に弱い選手とのレッテルを貼られ、選手生活にも影響するので、克服したいところだが


#39 呉念庭

辻監督から「チームを支えてくれた功労者」と最大級の評価を受けた、前半戦影のMVP。今までも選球眼がよく、上手いバッターではあったが、今年は強く振ることを意識したのか怖いバッターになっている。7月はバテ気味であったが、五輪ブレイクがいい休養となるか。現在外野も練習中


#46 鈴木将平

開幕一軍入りするも、数少ない出場機会を生かせず、5月末に登録抹消。ホームランバッターではないものの、多すぎるゴロ打球【65.2%】、ボール球のスイング率【40.9%】など改善すべき点は多い。二軍では背筋を伸ばし、師匠秋山省吾を彷彿とさせるバッティングフォームに改良中


#49 ブランドン(タイシンガー・ブランドン・大河)

開幕一軍入りし、4試合目にはプロ入り初ホームランを記録したが、その後熱中症に罹り、登録抹消。その後も一軍と二軍を行ったり来たりしている。長打力は魅力だが、46打席で四球がゼロと選球眼を含め、精度に課題を残す。二軍では打率/OPS/IsoPなど高く、格の違いを見せている


#51 西川愛也

開幕スタメンで起用されるも、一軍では一本もヒットを打てず、4月末には二軍落ち。全てのボールに差し込まれおり、課題克服のためか、二軍ではバットを担いだり、寝かしたりと試行錯誤が続く。コンパクトにはすべきだが、振り全体が小さくなっては元も子もない。いい塩梅を見つけられるか


#52 山田遥楓

外崎修汰、山野辺翔が怪我、その前後で綱島龍生を登録抹消したため、山田遥楓にお鉢が回り、山川穂高が戻るまではセカンドで、源田壮亮離脱時にはショートの穴を埋める。UZRではいずれのポジションで高い数値を記録、特に強肩を生かした、ゲッツーの完成において大きく貢献した


#53 愛斗

呉念庭同様、二軍で猛アピールをして一軍に呼ばれると、2試合目にはプロ入り初ホームランを含む2本塁打で一気にチャンスをつかむ。荒いバッティングスタイルゆえ、打率は残せないだろうが、その中で.250前後をキープできるか?ライトのUZRは両リーグでTOPと守備での貢献も光る


#56 川野涼多

昨年二軍では優先的にショートで起用され英才教育を受けると、今年は春季キャンプでA班入り。辻監督直々に猛特訓を受けたのちに二軍へ戻ると、そこには山村崇嘉の姿が。その結果、今年はセカンドでの起用が増えている。身体の線も細いので、全てにおいてレベルアップを


#58 熊代聖人

ムードメーカーとしての存在ばかりクローズアップされるが、今年はけが人続出の影響もあり、本来のユーティリティ性を生かし、バッテリー以外の7ポジションに就く。基本、外野手でありながら、内野の全ポジションも「中の中」レベルで守れる貴重な存在


#60 中村剛也

シーズン当初から狙ったボールを捉えられずに顔をゆがめ、妥協のヒット狙いで打率こそ残していたが、IsoPが1割を割り込むなど本来からは遠い姿に。しかし6月以降、徐々に長打力が戻りつつあり、7月は絶好調に
【IsoP .094→.093→.188→.371】。恐るべき38歳


#62 駒月仁人

プロ入り10年目を迎えたが、スタメン出場は7試合。二軍で控えの控え捕手という立場に追い込まれており、状況は非常に厳しい。自分に嘘をついても仕方がないので正直な思いを書くが、最後の思い出に精一杯、プロ野球人生を過ごしてほしい


#63 綱島龍生

4年目を迎えた今年、ようやくバッティングに力強さが備わり、4月4日に初の一軍昇格。しかしすぐに抹消されると、その後すぐに山野辺翔が故障。せっかくのチャンスに再昇格もできず、その間に山田遥楓がチャンスをつかみ、不運な役回りとなる。現在、腰椎椎間板症で戦線離脱中


#65 戸川大輔

入団7年目となる今年、4月14日に椎間板ヘルニア内視鏡手術を受け、当初は三か月以内での実践復帰を目指すと言われていたが、現在に至るまで試合出場はなし。スポーツ選手の場合、全治より早く復帰することが多いので、それだけ状態がよくないのか。心配なところ


#66 仲三河優太

3・4月はそれなりに出番を貰い、結果もまずまずだったが、月を追うごとに成績が悪化。もちろん高卒1年目であればそれで当然なのだが、プロの厚い壁に苦しんでいる。あと右肩?右ひじ?の状態が悪く、かばって投げているので、そこは早く治したい


#68 岸潤一郎

開幕一軍入りするもチャンスをつかめず登録抹消。その後、コロナ感染による特例措置で一軍昇格すると、6月1日にプロ入り初ホームランを記録。そこから一気に出場機会を増やす。独立リーグ時代は盗塁の多さでアピールしたが、現在は長打力が売りの「意外性の男」と化している


#72 川越誠司

岸潤一郎同様、特例措置で一軍昇格すると、代打で2本塁打を放つなど結果を出すが、胃腸炎のため残念ながら登録抹消。その後二軍では打撃が爆発しており、再昇格のチャンスは大いにある。フライ打球が【63.6%】を記録していて、意識してボールを上げるようにしているのかもしれない


#73 高木渉

春季キャンプ中に両足ふともも前を肉離れ。二軍の開幕戦には間に合い、そこから打率5割以上の驚異的なバッティングを見せるも、再び悪化させ、5月後半にようやく復帰する。6月後半には一軍登録されるが、一軍レベルのピッチャーに合わせられず、最後の壁を破れずにいる


#78 齊藤誠人

入団以来、打率が【.205→.156→.085】と壊滅的な成績で、今年は開幕から17打席ノーヒットといよいよというところまで来たが、2年ぶりのホームランを放つと、ノーステップ打法に切り替え、少しだけ打てるようになった。牧野翔矢の離脱に伴い、スタメンマスクの機会も増えている


#99 エルネスト・メヒア

来日後、結果は残していなかったが、特例措置により一軍昇格。上がった直後は打ったが、それからは音沙汰なし。常に家族と共にしてきたメヒアにとって単身での生活は辛いだろうし、年齢による衰えも重なり、厳しい一年となっている。最悪、再来日しない可能性も考慮しておきたい


#122 長谷川信哉

高い身体能力と柔らかいリストを生かしたバッティングが売り。セカンド・サード・ショート・センター・ライトと5つのポジションに就くなど、色々経験させて適性を見ている段階。月を追うごとに出番が増えており、これからが楽しみ


#123 ジョセフ(宮本ジョセフ拳)

同じ育成の長谷川信哉と比べると、出番を得ることができないが、インスタなどで明るい表情を見せているので、怪我ではなく、三軍で育成中なのでしょう。42打席しか立っていないが、8四球を獲得しており、BB%は【19.0%】もあるので、それなりに選球眼はありそう


#127 中熊大智

昨年、3割近い打率を残し、支配下登録に向け、3年目を迎えた今年、スタメンマスクはチーム最多を数えるが、打率・OPSともに低空飛行でアピールしそこなっている。一軍にいる三人の捕手が絶対的なだけに、長期の離脱が無い限り支配下登録される可能性は低く、難しい状況となりつつある



まとめ

一試合、5点以上取るのが当たり前だった2,3年前と比べ、今年は4点取るが精一杯という有様で5点差以上で勝ったのは7試合のみ。主力に多くの怪我人が出たこともあるが、2018年から比較して四球率(BB%)が
10.0%(3位)→9.9%(2位)→9.3%(6位)→8.0%(7位)】と年々下がっており、同時にボールゾーンスイング率が
25.6%(2位)→27.1%(5位)→28.6%(5位)→30.4%(9位)】と悪くなっている

これは打者の選球眼が悪くなっているのもあるが、相手投手が怖さを感じなくなり、コーナーギリギリを狙わなくても抑えられると思われている可能性もあり、それは「舐められている」と言わざる得ない

これを解消するには長打を打てるバッターが必要、そのためにも山川穂高と外崎修汰の復活が待たれる

辻監督は見染めた選手に対し、とことんまで付き合い、周りが何と言おうとも使い続けるが、今年は主力の怪我で変えざる得ず、そのタイミングで呉念庭、愛斗が二軍で猛アピールしていたことは、起用する監督にとっても、起用される選手にとってもラッキーでした。その後も若林楽人、山田遥楓、岸潤一郎が一軍で結果を出し、いままで散々言われてきた選手脳の薄さを少しは解消できたのかもしれません

二軍にいる選手にとっても、圧倒的に打てばチャンスがあるというのが分かったのでいいモチベーションになっているはず。渡部健人、佐藤龍世、鈴木将平、ブランドン、西川愛也、綱島龍生、高木渉など猛アピールをしてほしい

一方、捕手に関しては一軍にいる三人(森友哉、岡田雅利、柘植世那)と二軍にいる捕手とで差が開きすぎており、仮に怪我をしたとしても、それが森でなければ「じゃあ、二人で回そう」となるのではないか。そうなると何時まで経っても経験は積めないし、牧野翔矢が毎年のように怪我をしていることを考えたら、今年のドラフトで捕手を指名するのではないでしょうか

森友哉が今年で26歳、いまの高校生だと8歳差とちょうどいいですし


とにかくライオンズがここから逆転優勝するには打撃陣の頑張りあるのみ!

是非とも我々ファンに奇跡を見せていただきたいものです


では👋👋


参考資料


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