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埼玉西武ライオンズ、2021年6月の戦いを振り返る
※ヘッダーの写真は「スポーツニッポン」の記事から拝借しました
東京五輪の開催が刻一刻と近づく中、プロ野球は交流戦も終わり、前半戦終了まであと少し
ライオンズは5割には到達するも、そこから貯金が作れず一進一退を繰り返した一か月でした
そんなこんなで6月を振り返っていきたいと思います
チーム成績
打線に関しては交流戦開催時、ほぼ毎試合ホームランが飛び出し、パ・リーグではトップの26本塁打。BB%の低下もあって出塁率が前月よりかなり落ちたこともあって、OPSも少し下がりましたが、こちらもパ・リーグではトップと悪くない数字でした
しかし先月頑張った先発投手陣が一転して、成績を悪化させたため、月間の貯金は一つのみ。その要因として、パ・リーグ平均19.5%ある三振奪取率(K%)が12.57%しかなく、与四球率(BB%)の高さもあり【K%-BB%】が0.9と、とんでもなく低い数値になってしまったのも要因でしょう
正直言って、K%とBB%が1:1に近づくなんて、そうそうない話なので、これは要改善案件です
救援陣も三振が奪えず四球は多く出すなど褒められたものではありませんが、勝ちパターンにさえ持ち込めば平良海馬まで繋いでいった印象です
打撃成績
先月に引き続き打線をけん引したのが森友哉。6月のOPSは杉本裕太郎に次ぐ2位。率は残すし、長打も打てる。しかし三振はしないと手が付けられないレベルに
先月の振り返りで「いつ森友哉を休ませるか?」と書きましたが、結果的には意図的に休ませるのではなく、怪我(左肩の痛み)によって強制的に休ませる羽目になりました。しかし柘植世那がバッティングでアピールしており、ベテランの岡田雅利もいますので、DHで起用するなどうまく使い分けてもらえればと思います
森友哉が好調であればあるほど、不調が際立ってしまったのは山川穂高
打率も低いし、10本塁打のうち、得点圏でのホームランが2本しかなく、勝負所で弱い印象が強いのですが、それでもOPSは実質チーム2位でIsoPは1位とやはりその長打力は魅力
現在首位のバファローズには吉田正尚というNPB最強クラスの打者がいますが、昨年までは彼一人をマークしておけばよかったのに、今年はその後ろに座る杉本裕太郎が大ブレイクしており、逃げることができない
これが相乗効果を生んでいますが、今のライオンズには森友哉の次がいない。本来はそこに山川穂高が入らないといけないわけで、中断期間中にバッティングを見直してもらいたいものです
C.スパンジェンバーグは四球率が低下し、三振率が悪化するなど、昨年までの数値に近づいてきましたが、地味ながら徐々に打撃が上向きになっています
スパンジーが去年と今年で大きく変わった事として、ゴロ打球とフライ打球の比率が入れ替わっていて
— もちたろう🌈 (@mochitarou75) July 1, 2021
2020年【GB% 39.0%/FB% 53.3%】
2021年【GB% 52.5%/FB% 35.4%】
それがゴロアウトの増加であり、長打不足に繋がっていると思っていましたが、今日のように打球を上げることができたら今後が楽しみ
これは7月1日にホークス戦で決勝ホームランを打った試合後にツイートしたものですが、昨年と比べてゴロの打球が増えており、
ゴロアウト:68.3%→79.6%
フライアウト:54.7%→52.0%
※2020年→2021年。7月2日終了時点
ゴロ打球が増えた分、ゴロアウトも増えており、昨年並みのフライ比率になれば、もっと長打も増えるのではないでしょうか
中村剛也が怪我によって打席に立てないことが多く、E.メヒアは一軍昇格した当初は打ったものの、その後は全く打てなくなったことで休めなくなったのが栗山巧
「休めなくなった」と悲観的に書きましたが、一試合に一本は打てる。しかしクリーンアップを任される打者として長打が打てないのは苦しい
Isop:.156.→.087
※2020年→2021年
本当であれば、7番あたりを打たせたいし、ライオンズファンの悲願ともいえる2000本安打は早く見たいので、程よい休暇と打順を落とすことで内容の伴うバッティングを見せてもらいたい
投手成績
今井達也は6月に登板した4試合、全てQSをクリア。WHIPが1.52と走者は出すものの力づくで抑え込む不安定ながらも安定したピッチングスタイルと私も書きながら「何を言ってるんだ?」と思いますが、今井本人も辻監督のコメントも悪いところには目をつぶり、良いところを伸ばす方法がうまくいっている
髙橋光成は交流戦突入と同時にどん底の状態になり、松本航も好調の5月から一転、QS未達のピッチングが続いたが、リーグ戦に戻ると調子を取り戻し、髙橋光成は25日のバファローズ戦で8回1失点の好投。松本航も22日のイーグルス戦で8回無失点に抑えるなど底は脱したと言える
問題は四人目以降の先発が心許ないということで、6月最後の試合に平井克典が先発したが、4回7失点でKO
「平井克典ストレート平均球速」
— もちたろう🌈 (@mochitarou75) June 30, 2021
3/28(B) 145.0 メラド
4/4(H) 144.7 Pay
4/11(M) 144.1 ZO
4/18(H) 143.4 メット
4/25(E) 139.6 楽パ
5/9(H) 144.4 Pay
5/16(M) 141.1 ZO
5/23(F) 143.6 メラド
5/30(T) 143.0 メラド
6/30(H) 140.6 北九@aozora__nico2 さんのツイートを参照
この日にツイートしましたが、開幕当初は平均で145キロ前後出ていたストレートが140キロ前後まで落ちており、これでは抑えられないなというのが正直な感想です
松本航が一度、中継ぎに配置転換されて再び先発に戻った時、私の解釈ですが「先発だからと加減をするのではなく、最初から力いっぱいストレートを投げるようになった」という趣旨の発言をしていましたが、平井克典も一度、中継ぎをやらせるのか?
ただ元々、昨年までは中継ぎだし、一か月間も調整させたのに球速が落ちているので、同じ調整方法で果たして球速が戻るのか?
4人目、5人目の先発が出てこないと貯金が作れないので早急に対策を講じたい
救援陣に関しては平良海馬が開幕からの連続試合無失点記録を更新し、7月1日には藤川球児氏が持っていた38試合無失点記録を更新する39試合の記録達成
WHIPを月別で見ると6月は悪化しており、苦労の跡が見られましたが、それでも結果的に抑えるあたりさすがとしか言いようがありません
WHIP:0.90→0.73→1.24
※3・4月→5月→6月
それでも1.24は優秀な成績なんですけどね
一軍デビューした渡邉勇太朗と水上由伸は比較的楽な場面から投げさせたのも功を奏したのか、上々のデビューといっていいのではないでしょうか
渡邉勇太朗はストレートの平均球速が148.8キロ、水上由伸も146.7キロと、145キロが当たり前となったプロ野球界において、第一関門は突破しており、今後よりプレッシャーがかかる場面でも同じピッチングができるか
実際、渡邉勇太朗は序列を上げてみたら打たれてしまったので、こういう課題を一つ一つクリアしながら成長してくれたらと願うばかりです
二軍成績
6月25日にブランドンと高木渉が一軍昇格を果たしたが、高木渉以上に結果を残していたのが鈴木将平
5月末に一軍登録を抹消され、6月は丸々二軍で過ごしたが、17試合に出場して、マルチヒットは5試合記録し、ノーヒットは2試合のみ
何より三振が4に対して、四球が10と精度の高さにおいても出色の数字を残している
一軍において、いまだ一番打者が決まらない現状を考えると、いま試すのが一番いいと思うのだが首脳陣の判断はいかに
試合数ならびに打席数において最もチャンスをもらっている山村崇嘉だが、6月は一気に成績を向上させることができた
打率:.193→.231→.294
OPS:.503→.533→.873
※3・4月→5月→6月
\反撃の狼煙🔥/
— スカパー!プロ野球 (@sptv_baseball) June 30, 2021
5回表、西武・山村崇嘉のソロホームラン💪
持ち前のパンチ力で、ライトスタンドにアーチを架ける🌈#seibulions#イレブンスポーツ
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スカパー!はファームも配信中!https://t.co/pgjU9ythPm
\ pic.twitter.com/SfZgDMklFe
このバッティングを見て思ったのが、大谷翔平の影響を少なからず受けているのか、ノーステップ気味の打撃フォームに代わっていること
4月6日の時は足を上げており、その違いは一目瞭然
私の解釈だと、ノーステップの良いところは身体の動きが小さく、ブレが少なることでコンタクト率が上がる。半面、予備動作を少なくすると、パワーを生み出すことができずにスイングスピードが落ち、より遠くに、より強い打球が打てなくなる
なので、ノーステップでもホームランが打てるのであれば問題ないし、それでバッティングの感覚を掴んできたのであれば楽しみです
スタメンマスクは齊藤誠人を中心に中熊大智、そして実践感覚を鈍らせないために岡田雅利と柘植世那が出ていましたが、牧野翔矢が5月16日の試合を最後に一か月半以上、出場できていません
入団から今年で3年目となりますが、毎年一か月以上離脱する大怪我に見舞われており、順調な実戦経験を積めないのがネックとなっている
昨年はキャッチャー誰も指名しなかったが、今オフのドラフト戦略においては指名する可能性も高くなり、それは最優先で起用されてきた牧野翔矢の野球人生においても重要な局面を迎えるかもしれない
誰しも怪我をしたくてしているわけではないけど、早く復帰して元気な姿を見せてほしい
二軍先発陣におけるトピックといえば、6月から吉川光夫が先発で投げるようになっている
3試合 21in 18被安打 1被本塁打 9奪三振 5与四球 1与死球 7失点 5自責点
【防御率2.14/WHIP1.10/K% 10.5%/BB% 5.8%】
防御率であり、WHIPを見る限り上々の結果を残しているが、一方で奪三振率(K%)は高くなく、支配力の無さに不安が残る
ただこの結果が続くのであれば、後半戦で一度先発起用を試してもいいのではないか
救援陣に関してはD.ダーモディが二軍降格後、中継ぎに転向しておりストレートの球速や空振り率が大きく向上させている
7回に出てきた西武のダーモディ。平塚球場だけど154、5kmを連発して打者を圧倒。 pic.twitter.com/xqz7pG6HUz
— IBUKI (@ooyunohara) June 29, 2021
ファーム便り
— 野球研究所 @Youtube (@SABR_lions) June 29, 2021
今日は中継ぎで1回2奪三振といい投球だったダーモディ選手
6月以降は中継ぎに専念しているがその効果はてきめん
直球の平均球速は爆上げで空振り率やストライク率は増田選手並み
うまくはまれば増田選手と合わせかなりの後ろを形成できるのではないだろうか?#seibulions pic.twitter.com/MPw299qazm
一軍登板時の平均球速が144.2キロ、空振り率が4.4%だったことを考えると、かなり良くなっている
一軍の中継ぎ陣が揃っているなら焦らずにもう少し調整させたいけど、そんな余裕もないので、前倒しになるが週明けには上げていいんじゃないすかね
中々貯金が作れず、乗り切れない試合が続いていますが、前半戦終了時点で首位のチームとは5ゲーム差以内、3位のチームとは3ゲーム差以内をキープしておきたい
残り二週間、離されないように頑張ってもらいたいものです
では👋👋
参考資料
ライオンズを中心にあれこれ思った事を書いてます。