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2021年のライオンズを展望する

いよいよ開幕したプロ野球

ライオンズは2年ぶりのリーグ優勝、そして13年ぶりとなる日本一を目指してのシーズンとなりますが、解説者の順位予想を見る限り、優勝はおろかAクラス入りも難しいとされる有様

勝率との相関関係が強いとされる得失点差において、昨シーズンはリーグ最下位となるマイナス64点。しかしFAで獲得した選手はおらず、新外国人選手もS.ノリンの代わりに獲得したM.ダーモディと入れ替わっただけ。ドラフトでも即戦力の選手は獲得しておらず、低評価になるのも致しない

ただファンとしてはせめてAクラスに入って、クライマックスシリーズには参加したいし、出来る事なら優勝したい

と言う事で現状認識はしつつも、前向きにライオンズを展望してみたいと思います


2021年ライオンズ戦力分布図(2021年3月24日現在)①


2021年ライオンズ戦力分布図(2021年3月24日現在)②


投手編(先発)


2021年ライオンズ一軍デプスチャート(投手編)


昨年末に書いたシーズンまとめでも出しましたが、先発投手に関しては「質・量」共に足りず、苦しい台所事情でした

2020年ライオンズ先発投手マッピング

2019年→2020年ライオンズ先発投手マッピング比較


その中で今シーズンはエースとして期待されるのが髙橋光成

昨シーズンは9月以降、安定した投球を見せるようになり、初の規定投球回数クリアとなりましたが、あくまで上記の表を基準とすれば、【主力・エース級】にギリギリ入っているだけ。まだ自他ともに認めるエースとは言い切れない

求めたいのは150イニング以上投げる事。中6日だと月4回の先発となり、シーズンを六か月で換算したら24試合。そこで平均6.5イニング投げたら156イニングとなる

新たにジャイアンツの投手コーチとなった桑田真澄さんは1イニング15球、9イニング135球で完投するイメージで投げて欲しいとコメントされていますが、私は1試合120球で良いかなと思っていて、それで7イニングまで投げて欲しい

そうすれば継投はセットアッパーとクローザーの二人で済むし、点差が開いていれば余裕のある継投が出来る

ちなみに昨シーズン、開幕から8月までと9月から閉幕までを分けると

開幕~8月:9試合 53.1in 平均5.92in
9月~閉幕:11試合 67in 平均6.09in

となり、規定投球回数に到達するためだけに投げた最終戦(11/9 H戦)を除くと、

10試合 65in 平均6.50in

となる。この中には5回持たずに降板した2試合を含んでいるので、十分可能な数字といえます

とにかく髙橋光成には真のエースになって投手陣を引っ張ってもらいたい


二番手グループとして期待されるのが、松本航・今井達也・平井克典の3人。起用が定まらなかった平井克典は致し方ないとして、松本航と今井達也はイニング数もだけど、低すぎるQS%の向上を求めたい

20試合以上先発し、50%以上QSをクリアすることが出来れば、おのずと100イニング以上は投げられるはず

この中で気になるのは先発転向1年目となる平井克典

横から投げる投手にとって左打者対策は永遠の課題となるが、予告先発なので相手チームはスタメンから左打者を多く並べてくる可能性が高い

対右打者:109-26【打率.239/K% 21.0%/BB% 5.6%】
対左打者:116-34【打率.293/K% 19.9%/BB% 11.8%】

昨シーズンの成績を見ても、左打者相手に苦労しているのが良く分かる


そこで注目したいのが同じく横から投げるドラゴンズの又吉克樹

対右打者:57-16【打率.281/K% 23.8%/BB% 4.8%】
対左打者:36-6【打率.167/K% 18.5%/BB% 13.0%】

奪三振と与四球を基準にすれば左打者に苦労しているが、打率だけを見れば圧倒的に抑えている

この秘密として考えられるのがスライダーの使い方

あおとらさんが書いたnoteによると、左打者のひざ元にスライダー【※平均球速137.9キロなので、カットボールに近いかも】を投げ込んで、抑えているのが分かる

平井克典の左打者に対する投球パターンといえば、外角のボールゾーンから曲げて入れてくるスライダーを多く使うイメージが強いが、又吉克樹の攻め方を見る限り、もっと内角をえぐるスライダー(カットボール)を使ってもいいのではと思います

内角には懐をえぐるスライダー(カットボール)と4シーム、もしくはボールゾーンから入ってくる2シームの出し入れ、そして最近では「バックフットスライダー」とも言われる、ひざ下に投げ込むスライダー
外角にはカウントを稼ぐ際、得意としているボールゾーンから入ってくるスライダーと、逆にボールゾーンへ逃げていく2シームに外角低めへズドンと投げ込む4シーム

内角と外角、それぞれの出し入れが出来るか。平井克典には又吉克樹が使っていないフォークボールもあり、縦の変化球もありますので、とにかく左打者対策が先発で成功するカギとなりそうです


外国人選手の来日時期が不透明で国と折衝している様ですが、今の状況でトントン拍子に話が進んだとしても、来日時期が決まるのは4月以降になりそうだし、そこから2週間隔離された上で改めての調整となれば、どんなに早くても一軍での登板はゴールデンウイーク以降になるでしょう

その期間の穴埋めとして期待されるのが開幕ローテの座を掴んだ浜屋将太と上間永遠。そして二軍で着実に準備を進めている内海哲也

ただ現状、7人しか先発がいない。二軍の試合結果を見る限り、8人目以降は明らかに落ちるし、ベテランの榎田大樹と十亀剣は先発調整すら出来ておらず、若手二人が通用しないと途端に先発ローテが苦しくなるので、何とか一か月持ってくれたらと祈るばかりです


投手編(救援)


2020年ライオンズ救援投手マッピング

2019年→2020年ライオンズ救援投手マッピング比較


昨シーズン、リーグ最下位の得失点差にも拘らず、2位争いに参加できたのは救援陣の奮闘あってこそ

セットアッパーの平良海馬、クローザーの増田達至がシーズンを通して波が無く安定した投球を見せ、7回もシーズン前半はR.ギャレット、後半は森脇亮介の頑張りによって、少ないリードを守っていきました

ただ今シーズンは森脇亮介が肩の痛みで開幕二軍スタート。小川龍也も手術をしたので復帰まではまだまだかかりそう。そうなると6・7回をどうするか?

右ならR.ギャレットと宮川哲、左なら佐野泰雄と吉川光夫。この4人を固定せず状況に応じて起用するのがベターでしょう

この4人が安定しないと、シーズン序盤から平良海馬を回跨ぎで起用するなどの無理が生じ、一年間持たなくなる可能性が高い。彼らが安定した投球を見せてくれたら、後ろの二人に負担を掛ける事が減りますし、Bチーム要員として一軍メンバーに入った井上広輝を8人目の先発候補として準備させる事も出来る

とにかくこの4人組が救援陣、いや投手陣全体のカギを握りそうです


野手編


2021年ライオンズ一軍デプスチャート(野手編)

2020年ライオンズ主要打者マッピング

2019年→2020年ライオンズ主要打者マッピング比較


兎にも角にも貧打に泣いた2020年でしたが、Newコアフォーと呼ばれる「山川穂高、外崎修汰、源田壮亮、森友哉」の4人は年齢的な衰えではないのでそれは救いかと

山川穂高は動きの少ない打撃フォームに挑戦したものの、長年続けてきた一本足打法を止めたことによってタイミングが取れなくなってしまう。外崎修汰はホームランへの意識が強くなってしまった事でバッティングが狂う。森友哉は外出が出来ず、人とも会えずにストレスをため込んでしまい、気持ちの切り替えができなかった。などなど

この4人に栗山巧と中村剛也のベテラン2人噛み合えば山賊打線の復活も可能でしょう

栗山巧は多分大丈夫だとして、気になるのは中村剛也

昨シーズンは熱中症に罹ったこともあり、絶不調のままシーズンを終える事となりました。今シーズンは進退をかけた戦いとなりますが、DELTAによる守備評価を見ると、守備範囲の広さを表す【RngR】は+1.4となっており、これを見る限り、反応が鈍くなったとは思えない

森友哉も外崎修汰も、そしてC.スパンジェンバーグも基本は中距離打者で、純粋な長距離砲となれば山川穂高一人となる。しかし中村剛也の状態が戻れば、貴重な長距離砲となり得る

果たして三度目?四度目?の復活はあるのか?「未だに中村剛也を頼るのか」という声も聞こえてきそうですが、余人をもって代えがたい選手であるので注目していきたい


二軍編


2021年ライオンズ二軍デプスチャート


2021年3月18日終了時点「二軍打撃成績」


2021年3月18日終了時点「二軍投手成績」


二軍に関する注目点は野手だと山村崇嘉をショートで使い続けている事。それによって川野涼多が敢えて言うならセカンドに「はじき出されている」事でしょう

練習試合から始まり、教育リーグ、そして二軍の公式戦が始まってもスタメンショートで起用しており、期待の高さを感じる

その一方で昨シーズン、試合に出る時は必ずといっていいほどショートで起用するなど英才教育を受けていた川野涼多が、高校の卒業式で山村崇嘉が不在の時を除いて、セカンドを守らせているのは何故なのか?

松井二軍監督のコメントが無いので想像の範囲になるが、考えられるのは起用の幅を広げるため

ショートしか守れない様では使いづらいし、逆の動きを知ることで学ぶことはあるはず

あと一軍でレギュラーを狙う場合、源田壮亮か外崎修汰を別のポジションに追いやらないといけないが、どちらが動かしやすいかと考えたら、サードや外野を守れる外崎修汰となる

少し話が強引ではあるけど、諸々の可能性を考えてセカンドでの起用が増えているのではと考えてみたが果たして

ちなみに3月20日の二軍開幕戦には9番セカンドでスタメンフル出場しているが、その後、一切試合には出ておらず、三軍に戻って改めて基礎練習をしているのであればまだいいが、怪我をした可能性もあり別の不安がよぎっている

なお牧野翔矢も3月11日の教育リーグにスタメン出場して以来、出ておらずこちらも心配になる

牧野翔矢の場合、1年目も右ハムストリングの故障、2年目も右手の有鈎骨を骨折して長期離脱しており、3年続けて怪我により貴重な実戦経験の場を失うのは大きな痛手となる

二軍の捕手陣は駒月仁人と齊藤誠人が「伸びしろ」という意味で厳しくなっており、ドラフトで捕手を一人も指名しなかった事を見ても、中熊大智と二人に経験させようという意図があるので、自らチャンスを手放すのは本当にもったいない

怪我で試合に出ていない説が私の誤りであって欲しいが…


あと打者では呉念庭がとにかく絶好調でアピールをしている

公式戦という扱いではないにせよ、練習試合と教育リーグで5割近い打率を残し、二軍の公式戦が始まっても、21-9【打率.429】と引き続き、打ち続けている

役割としてはバッティング面でブランドン、内野の全ポジションが出来る面では山田遥楓との競争に敗れ、二軍スタートとなっているが、旬が過ぎないうちに上で見たい。その場合、誰か落とさないといけないのだが


投手陣に関しては出井敏博を武蔵ヒートベアーズへ5月末まで派遣することが決まった



出井敏博に関しては身体の線も細く、右のオーバーハンドで平均球速が140キロを超えないのは物足りない

毎週、投げさせてもらって実戦経験を積みつつ、体力強化を進めて、支配下登録へ一旦の締めきりとなる来年の7月末までにパワーアップして欲しい

5人のルーキーに関してはいまのところ中継ぎ起用が続いているが、全員三振奪取率が高く、楽しみな面々が揃っている

その中でもいち早く一軍に上がれそうなのが大曲錬と赤上優人

大曲錬は大学時代の大石達也を彷彿とさせる伸びのある150キロ近いストレートを投げており、大石達也は残念ながらプロで完成した姿を見せることが出来なかったが、その夢を託す意味でも楽しみな存在となる

赤上優人も二軍の公式戦ではまだ投げていないが、クローザーのような起用となっており、結果も出している。

あって欲しくはないが、一軍の救援陣で結果が出ない投手が二人三人と出てきたときには、じっくり育てる前に支配下登録→一軍昇格があるのではないか。機が熟したのであれば問題ないが、未完成のまま上げるのは避けたいところ




佐々木健については左で150キロ近いストレートを投げており、球速だけならチームでトップだろう

しかしアマチュア時代から完成度の高さには疑問符が打たれており時間はかかるかも知れない。ただ26歳になるときに入団したバファローズの能見篤史も20代の時は先発やっても中継ぎをやってもイマイチ結果が残せず、このまま期待外れで終わるのか?と言われていたが、30歳を迎えるシーズンからようやく先発投手として結果を出し、そこから息の長い投手になったので、同じタイプだとは言わないものの、それぐらい気長に待つ覚悟はしておいた方がいいのかもしれない


終わりに


今もなおコロナウイルスは収束することなく、むしろ第四波が訪れているとも言われる昨今ですが、何とか有観客でプロ野球は開幕することが出来ました

ライオンズは3年間に渡って行われてきたメットライフドームとその周辺地域の改修工事を終え、リニューアルオープンを迎えています


全てが新しくなったスタジアムですが、この球場にはアレがありません


辻監督が言われている様に今年こそ日本一となり、チャンピオンフラッグを掲げてもらいたいものですね


シーズン展望なんてものは開幕前に書き終えるものなので、開幕して2試合が消化した後にようやく書き終えるとは、我ながら計画性の無さにお恥ずかしい限りですが、最後まで読んでいただきありがとうございます

ともにライオンズを、そしてプロ野球を楽しんでいきましょう!!

では👋👋


データ参照

https://dakstats.daktronics.com/Pages/default.aspx









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