見出し画像

奥会津をゆく〜只見線ひとり旅③終

奥穂高、奥出雲、奥多摩、奥耶馬溪…人はなぜ、奥へ奥へと行きたがるのか。
その答えを求めて私は奥会津へ向かったのでした。

3日目(最終日)

早戸 05:50 → 06:06 会津桧原

さて最終日の3日目、今日も今日とて気合の始発行動です。
本日はこの旅のメインとも言って良い只見線を代表する絶景スポット只見川第一橋梁を見に行きます!

始発起きるのシンドすぎて負けそうになりつつも、なんだかんだ起きて宿を後にしました。上りの方が始発が早く、柳津発より早く着くことができるので、よりたくさん列車を撮れるんじゃないかと思ったわけです。

流石に誰も乗ってない

撮影スポットへのアクセスへは会津宮下、会津西方、会津桧原の3駅が最寄りとなります。つってもどの駅からも30分くらい歩くんだけどw

会津西方が一番近そうに見えて一番高低差があり、最後の登り坂が辛そう。
やはりここは観光協会があって、レンタサイクルやバス停がある会津宮下が王道なのでしょうが、6時に着いても空いてないし。

で、実は3駅の中で高低差の少ない桧原から行くのが一番楽なのではないか?という結論に至った。宮下で降りるのとでは20円しか変わらないし、橋梁も通れるし列車に高度を稼いで貰うのにはお得すぎる選択!
…いやこれ真実に気づいてしまった系?私は天才なのでは??

ウキウキでムーミンのおうちのような可愛い駅、会津桧原で下車。

結論から言うと、この選択は間違いでした(え)

比較的平坦な道を歩くことができたので楽だったのは確かです。しかし1kmのトンネルの中を歩かないといけないという事を完全に見落としており…

これがめっっっちゃ怖いのなんのって…
早朝とはいえ、それなりに自動車がぶっ飛ばしてくるんですよ…歩道はあるけど閉鎖された空間で爆音で通過される恐怖を初めて味わいました。

第一只見川橋梁

何とかトンネルをぬけ、道の駅に出ました。しかしここからは第一橋梁を見ることはできません。ビューポイントまで階段を登ります。

展望台は運動レベルに合わせて3段階用意されております。
B地点が一番お手軽の模様。でもアタシったら一番上まで行っちゃうもんね!

一番上までは結構きつかったです。
でもとてつもない絶景が広がってました…

いや、すっっっっごい…
ただただ感動しました。絵みたい。
テレビや雑誌で紹介され尽くされてるスポットって、撮り方やタイミングが大いに影響することが多くて実際に見て感動することって意外と少なかったりしませんか?でも、ここはもう、そのままです。そのままでこんなに美しい。

7:23下り列車がやってきました。くっきり映っています。

中井精也が撮りそうな構図みある

ちなみに一番上の展望所からは第二橋梁も見えます。こちらは7:39上り列車です。

そして第一橋梁を通過。1両でトコトコと進む姿が愛おしい。
なんかジオラマを見てるかのよう…現実の風景とは思えない。

20分くらいで上りと下りの2回見れたのは大満足。
でも展望所に居たのは私だけだったんで、この時間は人気はないのかな?早朝は日陰になるからベストとは言えないのかも。

通過時刻をお知らせしてくれる親切設計

やっぱり狙いは13時・14時あたり?紅葉のベストシーズンなんてエライことになりそう。展望所のあまりあるスペースを見る限り、ものすごい人がバズーカ構えてる姿が安易に想像できるもん。

さて、階段を降りて道の駅でしばし休憩。

キノコや山菜の缶詰がたくさん売られており、そのイラストのレトロな可愛さに胸を射抜かれてしまった!オシャレな特産品は数あれど、やはりこう言うデザインには敵いませんよ。
圧倒的にビジュアルが優勝している…!!!

欲望のままカゴに入れたものの、リュックには昨日の米(1kg)が入ってるし肩への負担を冷静に考えた結果、一つに絞ることに。とほほ。

このコロンとしたサイズ感も良いのよね。

第二只見川橋梁

さてさて、第二只見川橋梁まで移動します。頑張れー足!!

このルートは国道から外れて静かなので、景色を楽しみながら森林浴もできて気持ちよく移動できました。

途中の歲時記橋からの一枚。このアングル好きです。少し色づいた葉っぱが秋の始まりを予感させます。

9:04の列車がやってきました。

慌てて撮ったんで電線とか色々映り込んじゃった。でも鉄骨めちゃくちゃカッコいい!

その後すぐ9:18に上りがやってきました。やっぱり水面に映るのが雰囲気出るかな。

この配色可愛いなぁ

はぁ〜ここでも2回見れた大満足!
今日の撮影は終了しました(はやっ)しかしここは屈指のローカル線。14:30まで列車はありません。現在9時半。
こういう時はやっぱり温泉だよねって事で。

てことで、歩きます(爆)つらい。
午前中だけで14000歩も歩いてるよ。膝が爆発しそう。

宮下駅周辺には日帰り温泉が何軒かあるけど、どこも13:00からしか空いてないんです…

そんな中、唯一9:00から空いてる神のような温泉宿が!!!
早朝から膝を爆発させた人には大助かり!!!…まぁ、そんな人はそうそう居ないのか、貸切状態でお風呂が楽しめました。
いちおう、1時間半で〜とは言われましたけど、ゆっくりお風呂入って準備して、ベンチでクールダウンしてもかなり余裕。おかみさんも優しかったし…良い宿でした。今度は泊まりに来たいなぁ。

その後は観光協会のカフェで時間を潰したり(Wi-Fiあり、ドリンクも200円とかで飲めるし有難い)

3段のアーチ橋がなかなか圧巻のアーチ三兄弟も

めっちゃ人んちの庭って感じのとこなんで入るの躊躇うけど、ちゃんと看板立ってるし大丈夫っぽいですwちゃんと草刈りしてて観光客のために整備して下さってるのは有難い事ですね。

お昼ご飯は駅前の老舗食堂で裏メニューらしいカレーラーメンを注文。これが意外にも美味しくて、そしてトンデモなく多かった…胃袋限界突破。

そしてあっという間にお別れの時間です。

会津宮下 14:30 → 17:47 小出

駅前に馬鹿でかい観光バスが2台止まってるなぁ〜と思ったら、列車からわらわら人が出てきて突如構内が賑やかに!今から橋梁に向かう観光客の方々ですかね?駅員さんも出てきて案内してました。
平日なのにこの賑わい…唯一無二の絶景スポットを擁する只見線なら当然なのかもしれないけども。つよいなぁ。

昨日と同じところを通っているのに全く違った顔を見せる只見川。これから秋、冬と、また違った景色を魅せてくれるんでしょうね。

途中、少し停車時間があったので只見駅を降りてみました。

おかえり只見線の文字。
去年の10月、全線運転を再開したばかりの只見線。豪雨災害で甚大な被害を受けてから再開するまで実に13年もの時間がかかったという事を、恥ずかしながらテレビのドキュメントを見るまで詳しく知りませんでした。
上下分離方式という言葉もこの時に知りました。

会津川口~ 只見駅間について、 被災を受けた鉄道施設の復旧後、 鉄道施設と敷地をJ R東日本から地元自治体が譲り受けて保有し、 その維持管理を行う方式。

https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/223433.pdf

その時に見たドキュメントで奔走する地元の方々の姿が、ちょうどその時に見ていた八重の桜の中で主人公が再起していく姿と重なって、なんだかとても胸打たれたんですよね。
軽々しく会津魂が…なんて言うと、会津の方々はほとほと迷惑かもしれないですけども汗

だけど行く先々で、只見線が地元に本当に大切にされてるんだなぁと感じることができて、本当に来てよかったと思いました。

叶津川橋梁のポイントにたくさんの撮り鉄がいて手を振ってくれた時は何だかジーンとしちゃったな。

今回、会津宮下に体力を全振りしたのもあり網羅できなかったけど、季節を変えて是非とも訪れたいと思いました!
今度は逆方向からがいいかなぁ。

駅前にあったカウンター、再び繋がった只見線を1日1日大切に紡いでいるようで好きです。

終わり



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?