ベトナムは今後も経済成長する?③
モチオカは「ベトナムの今後の"著しい"経済成長はあまり期待できない」と思っている。
なぜか?
理由①:もともと地理的な強みを持つ国ではない
ベトナムって、「もともと地理的な強みを持つ国」ではないんだよね。
陸路においても海路においても、ぶっちゃけ「立ち寄る必要がない場所」です。
マラッカ海峡に位置して"横を通らざるを得ない"シンガポールとはここが違う。
中継港としても微妙です。
天然の良港に恵まれているわけではないし、
強力なライバルであるシンガポールと香港が近くにあります。
理由②:製造拠点としての魅力が薄れつつある
近年、ベトナムの人件費は順調に上がっていて、
これまでベトナムが利用してきた価値=「人件費が安い」という価値が失われつつあります。
もともと外国企業は人件費の安さに魅力を感じてベトナムに製造拠点を移転してきたわけなので、
ベトナムでの製造コストが上がったら「より安いところへ!」って考えるのが普通。
実際、ユニクロの服のタグを見てみると、隣国の(より人件費が安い)カンボジア産をよく見るようになったなーって思います。
しかも今後、少子化により(低賃金の)若年労働力が減少することは確実。
理由③:産業構造の高度化が進まなそう
ベトナムは大学の数が多くないらしく(あったとしても都市部に集中)、未来への投資ができていない状況。
これでは、付加価値の高い知識集約的な産業が(自国で)育つのは難しい。
関連:ベトナムにおける高度人材(JETRO)
関連:Viet Nam Education Fact SheetsI 2022(UNICEF Data)
カギは農村にいる人たちへの施策(教育環境の整備、社会保障制度の整備、農村の工業化)だと思う。
でもここがうまくいっていなくて、農村にいる"あふれた"人たちは
二大都市であるホーチミンとハノイに就業機会を求めて移動したり
(→過密、渋滞)
日本とかに出稼ぎに行ったりしているんだよね
(→技術がつかないオペレーション系の仕事に従事して、自分の時間を売って対価を得て、母国に送金する)
あと、どうやらいまだに賄賂・汚職が横行しているらしく、経済的に成功するためにはベトナム共産党とのコネが大事っぽい。。
優秀な人はこんな社会に嫌気がさして、国内で起業せず海外に出てっちゃうんじゃないかな。
理由④:今後、社会を維持するためのコストが上がる
ベトナムは今後急速に高齢化が進む国。
なんだけど、高齢者を支える社会保障の仕組みがあまり整っていない。介護制度とか。
現状、高齢者を支えているのは家族。
ベトナムは非公式な制度によってなんとかなっている国とのこと。
でも、少子高齢化が進んだら家族だけで高齢者を支えるのは難しくなるはず。
日本がそうであるように。。。
といった感じで、労働集約的な産業で発展することはできたかもしれないけど、
今後、知識集約的な産業で発展できるのか?というと・・・すごく疑問。
日本や韓国に一時的に利用されて終わっちゃうんじゃないかって不安です。
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