見出し画像

『DVから逃れる』 あるDVサバイバーの記録 #003

#003  通報 

それは2番目の子が大学受験を控えたある朝のことだった。
私は仕事に行くために身支度をし、子供も学校へ行くのに支度をしていた時だった。
またいつものようにお金のことで元夫が怒り出し、鬼のような形相で近づいて来たため、危険だと思い咄嗟に体を押さえた。その時に止めに入った2番目と3番目の子を元夫は力ずくで振り払い、2番目は壁に3番目はドアに叩きつけられ、ドアに穴が空いた。
このままでは子供達が危ないと思った私は遂に110番へ電話をかけた。

すぐに警察官が家に何人もやって来て別々に事情聴取を受けた。子供達もそれぞれ事情聴取を受け、幸い2人とも怪我はなかったが刑事さんに被害届を出すかどうか聞かれた。被害届を出すならすぐに逮捕するとのこと。
流石に逮捕までは…と思ったので被害届は出さず、警察から定期的に連絡をもらうことになった。

一方元夫はただの夫婦の言い争いに過ぎないと笑いながら答え、何故か警察官にコーヒーを振る舞った。

私は「これはとんでもないことになった…」と通報したことへの罪悪感に苛まれた。
その後元夫は実家に行ったようで次の日に帰ってきたが、全く反省する様子は無く話し合いと称して更に難癖をつけてきた。

しかし、通報したことが私たちの運命を大きく変えていくのである。

続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?