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歌声喫茶との出会い、ここで歌う理由

私と歌声喫茶「ともしび」との出会いは2019年12月のこと。知り合いに連れられて行ったのが始まりでした。

歌声喫茶とは
リーダーの音頭のもと、店内の客が一緒に歌を歌うことを主目的としている。伴奏はピアノやアコーディオンのほか、大きな店では生バンドも入っていた。歌われる歌はロシア民謡、唱歌、童謡、労働歌、反戦歌、歌謡曲など。店が独自に編纂した歌集を見ながら歌うこともできる。発祥については諸説あり、1950年(昭和25年)ごろ、東京・新宿の料理店が店内でロシア民謡を流していたところ、自然発生的に客が一緒に歌い出して盛り上がり、それが歌声喫茶の走りになった、また、当時公開されたソ連映画「シベリア物語」に同様なシーンがあり、これに影響されたともいわれている。(wikipediaより引用)

歌声喫茶というもの自体の存在は知っていたけれど、自分から近づこうとは思わなかった。時代は令和、誰かと一緒に歌うのなんて、カラオケがあるじゃないかと思って居ました。

新宿のビルの6階に上がってエレベーターが開いたときにはピアノ伴奏に乗せた歌声が響いていて肌に感じるびりびりとしたエネルギーに圧倒されながら店内に入ったことを覚えています。

歌声喫茶のルールはこんな感じ
①歌集をもらう
②飲み物やご飯を頼む
③歌集から歌をリクエストする
④みんなで歌う
※歌についてはやらなくてもいい、各々好きに空間を楽しむ

1度目店内に入ったとき、「びっくり」「混乱」
そんな気持ち


店内は20人くらいのお客さんが、司会者に合わせていろんな曲を歌っているようでした。歌集をレンタルして、そこにかかれている歌をリクエストしたり一緒に歌うといいらしい。このお店のコア層は50代~70代くらいでしょうか。正直8割くらいの曲は聞いたことがなくて。反戦歌とか労働歌など普段Jpopをメインできく私にとって「あ、これ完全なアウェーにいる」なんてことを思いました。どう楽しめばいいのかわからなくて、頼んだ飲み物を時間つなぎに飲んでいました。

「あ、この曲知っている」から「前にでて歌おう」へ
歌を聞いているうちに心の余裕が出てきて、そのうち歌集を手に取り、どんな曲があるのか眺めてみることに。
私が見つけたのは松田聖子さんの「瑠璃色の地球」
私は高校生時代合唱部でこの曲を歌ったことがあってなんとなくだけれど、これなら皆さんが知っているかな、楽しんでくれるかなという期待を込めてリクエストをしてみた。そしたら司会者の方が私を紹介してくれて前に出て歌って一緒に歌おうというのです。ひえええ。
あれよあれよという間にマイクの前へ

その時の映像がこちら​清水裕也さんのfacebookから

正直3年ぶりくらいに歌ったものですから、歌詞を間違えるは音を外すわ。。
でも、楽しかった。そして嬉しかった。

お客さんたちと心を通わすことができたから。
先ほどまで完全にアウェーだと思ってそわそわしていたけれど
ここに集まる人達は温かく拍手で私を迎えてくれたのです。
思い返してみれば、歌集の中には
「この曲、音楽の授業で習ったことがある」とか「タイトルなら知っている」などの発見がちらほらありました。

まるでスルメ。通えば通うほど楽しくなってくる。

それから私はこの記事を書くまでに4度この「ともしび」に通っているのですが、1度目に来店したときにはうたのリクエストに1時間ほど費やしたのに、3度目には来店して5分でステージに立つくらいにまでになったのです。

噛めば噛むほど味が出るスルメのような感覚でした。

・来店するたびに、新しい歌に出会い、それを一緒に歌うことができる。
・共通の歌を見出し一緒に歌うことができる。

けれど、これだけだったら、カラオケでもできそう。わたしがここに惹かれているのは「ただ歌っていて楽しい」だけではないようにおもいます。

"背景"を超えて、心通わすコミュニティ「ともしび」

 これはわたしの想像だけれど、歌声喫茶「ともしび」に来る人達は、好きなバンドの歌を聞きに行くことや、カラオケでストレス発散を目的とした消費コンテンツとして楽しんでいるのではなさそう。

 歌を通じてその「空間そのもの」を楽しんでいる。

 私が強くともしびに惹かれるのは、音楽を通じた心の通い合いを感じたからでした。世代や、原体験、それぞれが過ごしている日々の生活だって全く違う人達だけれど、この空間ではその肩書を脱いで「裸」になっていい。

ちょっと話はそれるけど
人はきっと孤独に弱い生き物だと思うのです。だからこそコミュニティが必要で、無意識的にでも意識的にも人とのつながりを求めている。それは何時の時代も変わらない大原則だと思います。
 インターネットなんか普及していなかった1960年代、集団就職や、大学進学を機に東京に足を踏み入れた当時の若者たちは、見知らぬ土地で歌を通じてコミュニティを作りそれが歌声喫茶になりました。

 その時も、寂しさや孤独をこのコミュニティで分かち合っていたのでしょうか。

 聴いたことのない曲なのに、どうしてこんなに懐かしい気持ちになれるの
か。それはきっと私たちの魂にある共通点が歌の中にあるストーリーに反応しているからなのだと思います。

最後に


この記事を読んでくださった皆様にお伝えしたいことは2つ

・歌声喫茶「ともしび」はカラオケやライブとまた違って
 楽しいぞということ

・最初はきっと圧倒されるから、誰かともしびに行ったことがある人と一緒にともしびに訪れることをお勧めするよということ笑

アッ。忘れてた。ここまで書いてタイトルを強引に回収するのですが、ともしびをに感動しすぎて、何か還元できないかと、ともしびでミニライブをすることになりました。嬉しいです。

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歌声喫茶「ともしび」が、この先の未来でも様々な背景を持った人達を受け入れ心をいやしてくれることを切に願って。
この記事を最後まで読んでくれた皆さん有難うございます。

2020年1月26日
結城アンナ
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