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金木犀

最近、道を歩いていると金木犀の香りがする。
もうそんな季節なのか、と思う。

疲れていたからなのか、ぼけーっとしていたからなのか、理由はどうであれ、自分が思っているよりもずっと速く時間が進み、季節が移り変わっていることに気づいた。当たり前だが、時間は待ってくれないんだなと思い、なんだか残酷だなとも思った。

少し暗い話になってしまったが、金木犀の香りが嫌いなわけではない。むしろ、わたしは金木犀の香りが好きだ。小学生の頃、金木犀という植物を知った時から。

何がきっかけだったかは忘れてしまったが、小学生の頃に金木犀を知り、いい香りだなと思ったその瞬間から虜になった。金木犀の香りは、なんだか優しくて暖かくてどこか懐かしいそんな感じがして落ち着く。そして、見た目は小さいオレンジ色の花がかわいらしくてオレンジが秋っぽい感じがして好きだ。秋になり、金木犀を見かけるたびに大きく息を吸い込んで香りを堪能する。毎年、秋の終わりに金木犀の花を見なくなると寂しくなり、来年も出会えるといいなと思っている。

そんな金木犀が、曽祖母の家の庭にもあることに数日前に気がついた。こんなに身近にあったのかとびっくりした。
今まで、秋に訪れることが少なかったからか、気が付かなかったのだろう。
ここには金木犀が存在しているということに気がつつき、なんだか少し嬉しくなった。











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