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【詩と心と声】シリーズ集

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女優・望木心の心の中を現代詩で綴っております。Twitter、Instagramで公開した内容をアップしてゆきます。新しい詩も掲載予定。心が寄り掛かりたい時、癒されたい時、優しく…
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#失恋

愛してた人へ

あいつに失望する度、自分を傷つけた あいつに怒る度、また自分を傷つけた あいつの嫌いなとこ 思い出す度、同じとこ何度も傷つける 痛いよ、息がまともにできないよ 助けて欲しいのに あいつを想ったところで 傷ついたところに手当てはしてくれない あいつが残していった 手紙の言葉だけが頼りで 僕は情けないくらい泣いた お前に見せられないくらい、ずっと 愛されていた、愛していたんだ そう思い出すから 手紙はもう読みたくない 言葉が刷り込まれていくのが嫌で また自分を傷つける

記憶の消滅

君のことをどうにかして 思い出すことも 隣にいた時の喜びだとか 全て、すべて消そうとしたのだ 砂のようにざらざらと風に吹き飛ばされた、 跡形もない上半身の自分自身を毎日想像した 風に飛ばされた砂は日常の空気中に混ざって 他と見分けがつかなくなるだろう ざらざらした感触が肌を汚していく 何もなかったように思い込む 記憶がそこだけすっぽり抜け落ちたように そうやって想像する 君を想い狂っていた 慣れようと努力していたあの時の感情さえもぶち殺して もう見えない これから先