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豆乳に選ばれしもの

会社のお昼休憩に豆乳を飲むのに、どハマりしている。豆乳といっても、「わたし、大豆です!」と大豆の主張が強すぎるタイプのものではなく、バナナや紅茶、コーヒーなど味がついているタイプ。

これをオフィスの屋上で小さな街の景色を眺めながら、ぼーっと紙パックを吸うのである。午前中フル回転させた頭が糖分で回復する気がする。それになんか体にいい気もする。

豆乳って人を選ぶと私はおもう。

私のお母さんは私が小さい頃から、美容のために毎日コップ一杯の豆乳を飲んでた。あまり豆乳が好きではないのに。頑張って飲んでいるお母さんに、わたしと妹が「いっき!いっき!」って毎回コールをしてたことを思い出す。

それから10年くらい経って、ふとお母さんがもう豆乳を飲んでいないことに気づいた。わけを尋ねると「豆乳を飲むと頭が痛くなるけん、やめたんよ」

それとは反対に、高校の同級生に豆乳が大好きな友だちがいた。

毎晩テレビを見ながら豆乳を飲むのが楽しみらしい。けれど、ある日を境に彼女は豆乳が飲めなくなってしまった。ある晩、いつものように豆乳を飲んでいたら突然、喉がギュッとしめつけられたらしい。声が出せず、息も苦しい中、お母さんに助けを求めて事なきをえたという。

母のように豆乳が好きではない人でも、同級生のように豆乳が大好きな人もこちらが豆乳のことをどう思っていようが、豆乳はお構いなしに飲む人を選ぶらしい。


私も今は毎日飲んでいるけれど、いつ豆乳に選ばれなくなるかわからない。今、飲めることに感謝しながら、今日もぼーっとストローを吸う。今日の豆乳は新作のチャイティー味。

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