「理解・分解・再構築」でコミュニケーションを効率化しよう
こんばんは、しがない情シスです。
コミュニケーションというものは難しいもので、人に何かを伝えたくてもなかなか上手く伝わらなったりします。
私も長年対人コミュニケーションには悩んできましたが、最近ようやっとしっくりくる(ような気がする)答えにたどり着きました。
そう、それこそがタイトルのとおり「理解・分解・再構築」です。
......君のような勘のいいガキは嫌いだよ。
はじめに
〜ある日の朝〜
鬼無里嫁(以下、嫁)「最近娘ちゃん、スリーパーのチャックの上げ下げが上手に出来るようになったね。前まで出来なくて泣いてたのに」
鬼無里餅衛門(以下、餅)「やり方説明したんだ。そしたら出来るようになったよ」
嫁「えっ、3歳に?説明を?むずくない?どうやったの?」
餅「理解・分解・再構築さ!」
嫁「(何いってんだコイツ…)うん、どゆこと?」
餅「うんまあ『また訳のわからん変な事いいだしたぞコイツ』と思う気持ちは分かる」
嫁「顔に出ていたか」
餅「ということで以下の記事にくわしくまとめてみたよ」
嫁「うーん、あからさまな導入」
理解・分解・再構築とは?
錬金術の基本要素である(ハガレン)
「鋼の錬金術師」の劇中台詞として有名な概念ですね。
え、ハガレンご存じない?少し古い作品ではあるのですが、とっても面白いので是非お手に取ってみてくださいね!
ここで述べられている「理解・分解・再構築」とは、
対象を構成している物質や組成などを理解する
対象を一度原子や分子のレベルまで分解する
分解した物質を再構築することで元の対象とは別の物体を作り出す
という錬金術のプロセスとして描かれています。
この「理解・分解・再構築」ですが、フィクションとしての錬金術の基本原理に留まらず、現実における思考プロセスとしても有用な考え方であると思います。
それでは、「3歳の娘にチャックの上げ方を教える」という例のもと、理解・分解・再構築による物事の考え方と、考え方の活用法を見ていきましょう。
設定条件
対象:3歳児
ステータス:自分のことが色々出来るようになってきたが、赤ちゃん返りMAX状態(ちょっとしたことでギャン泣き)
やりたいこと:ひとりで服のチャックを上げられるようにする
やること:チャックの上げ方を実戦形式で教える
どうでもいいんですが、上記のセリフ、原作ではエドが言ったと思ってたらスカーのセリフでした。なぜか壮絶に勘違いしてました。
理解
まず「チャックの上げ方」と「相手の状態」を理解します。
チャックの上げ方って、大人になれば数々のチャック引き上げ経験の蓄積が体に染みついており、すんなり出来てしまいます。
しかしこの動作一つとっても意外と構成要素があり、これをいきなり「全部言葉で説明しろ」と言われると案外難しかったりします。
なので、「チャックを上げるために必要な手順は何をどうしたら良いのか」を良く見て考えて(時には手を動かしたりシミュレートして)理解に努めます。
また、それを伝える相手がどのような状態で、どの程度の事が出来て、試しにやってみたらどんな事でつまずくのかを観察します。
ポイント:自分なりに納得行くまで現状をつぶさに観察してイメージする
分解
手順を理解出来たら、一連のプロセスをステップごとに分解します。
「チャックの上げ方」であれば、以下のステップに分解可能です。
チャックが全部開いた状態でスタート
チャックの金具(引手)を一番下まで下げる
引手の根本をホールドする
差し棒を金具の穴に入れて噛み込ませる
そのまま最下部の連結パーツ(箱)を左手でつまむ
箱をつまんだまま右手で引手をゆっくり引き上げる
文字にしてみると意外とステップ数が多いことに驚きますよね。
これを特に意識せずに、シームレスにやる人体ってすごい。
あとはこれを後続の再構築で処理(説明)します。
ポイント:ある程度細かい粒度までプロセスを分解すると、ひとつひとつを説明しやすくなる
再構築
残るは再構築です。
分解したプロセスから「説明する内容を再構築」し、相手に伝えます。
相手の状態に応じて説明する言葉を変えたり、方法を変えたり、必要ない情報はオミットしたりします。
娘の場合、チャックを上げる工程は親が手伝ったりして補助有りならやり方が分かる状態でした。
ただし上記ステップのうち、「箱をつまんだまま引手を引き上げる」工程がうまくいかず、チャックがすっぽ抜けたり、嚙みこんだりして上手に上げられないため、ひとりで最初から最後までチャックを上げることが出来ませんでした。(そのたびギャン泣き、つらい)
以上を踏まえて、実際に私が娘にチャックの上げ方を説明したときの言葉は以下のような感じになりました。
「まずこれ(引手)をいちばん下まで下げるでしょ」
「んで、これ(差し棒)をこの穴にグッと入れるのね」
「そんで、ここが大事なやつね!」
「ここ(箱)を左手でギュッとつまんで」
「あ、つまんだままね」
「そう、そこをつまんだまま、右手でこれ(引手)持って」
「そう、あとはゆっくりジーってするの」
「そうそう」
「おー!ひとりでできたじゃん!すっげー!やったね!」
オーバーリアクションで褒めて笑顔を引き出すまでがワンセットです。
説明するとき、実際にチャックつきの服を着てもらっています。
現物を指さしながら説明できるのは、わりと説明しやすい分類に入るでしょう。
ポイント:相手にとって分かりやすい言葉で、必要な情報を、具体的に伝える
お仕事でも使える
ご理解の早い諸氏であれば、ビジネスや情シスのお仕事にも応用が効くとお気づきかと思います。
というか既にそういう記事、ググったらいっぱいありました。
情シスのお仕事に当てはめて考えれば、例えば業務のデジタル化やシステム導入、ヘルプデスクなどにも有用かと思います。
プロセス改善の場合、業務やユーザーのことをしっかり理解した上で、
該当プロセスのみ対処すればいいのか?
前後の繋がりも意識するのか?
そもそもやらなくていい仕事をやってないか?
などを考えてプロセスを再構築していけば、自ずと効率的な形になるでしょう。
また、何かを説明する際にも、相手によって理解の度合いも違うと思いますので、相手が必要とする情報を相手にとって分かりやすい形で伝えることは自分にとっても相手にとってもプラスになると思います。
ポイント:3歳児も社内のユーザーも、基本的なポイントはそこまで大きく変わらない
おわりに
コミュニケーションやプロセス改善などは色んな人が考えたテーマであり、いろんなメソッドも生み出されているものです。
手垢が付きまくったどころか触られまくってツルツルになった話題だと思ってます。
ただ、私にとっては「理解分解再構築」が一番しっくり来たというだけのお話です。
考え方は世の中にいっぱいありすぎるので「色んな考え方があるんだなぁ」くらいに感じていただけたらと思います。
ご自身にとってしっくりくる考え方のほうが、無理なく実践しやすいですしね。
そのうえで、この記事がどなたかのコミュニケーション改善の一助になれば幸いです。
そしてハガレンの連載開始が20年前であることに気づきました。
20年前っていったら当時生まれた子がもう成人式ですよ。ヒィ!怖い!!
もしかして理解・分解・再構築って言ってもピンとくる人、少ない……!?
このnote、本当に大丈夫なんだろうか…ただ単におじさんが懐古してるだけなんじゃ…?うごごごごご…。
餅「ということに思い至ったんだ」
嫁「ミ゛ン゛ッッッ」
餅「知りとうなかった…」
嫁「俺たちの青春が…アジカンが……」
餅「けしてえぇぇぇぇぇ!」
嫁「リライトしてえぇぇぇぇ!」
おしまい
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