note画像表紙

共感者と作り上げたkurasumu、25万フォロワーまでの道のり

年末をゆっくり過ごすために実家に帰ってきたはずなのに、ひどい二日酔いの中、実家の大掃除したりしながらバタバタ過ごしている望月です。

さて、そんなこんなで2019年も終了間近ということで、今回は僕が立ち上げ〜運用まで全て担当しているkurasumuというInstagramアカウントについてお話させていただきたいと思います。kurasumuはこちら↓

はじめに

Instagramアカウントkurasumuでは、掃除や収納を中心に家事にフォーカスした情報を発信しています。2018年の10月に個人的に僕、望月が立ち上げ、今日まで1年ちょっと運用をしてきました。

立ち上げ当時の僕はもちろん何か大きなことに投資できるほどの資金的な余裕はありませんでした。(今もですが...笑)
しかし「主婦をターゲットに何かしらをしたい」「あわよくば事業になるようなことをしたい」という気持ちだけは強く、そんな時に「インスタならタダで何かができるかもしれない!」とスタートさせたのがkurasumuでした。

そして、大変ありがたいことに0フォロワーから始まり、現在では25万人の方々にフォローしていただいており、感謝の気持ちでいっぱいでございます。

そんなkurasumuがなぜ1年ちょっとでここまできたのかをぼーっと考えていた時に「はっ!これまで僕は自然に実施したけど、皆さんにお伝えできるんじゃないか?」と思い、このnoteを書いております!

前提として、アカウントの設計からUGCを発生させるあたりのフェーズのお話を「ユーザーメリットって何だろう?」といったことを悩み続けた結果をベースにこの記事を書いているので、どうか最後までお付き合いいただけますと幸いです。

全てが0からのUGCのお話

kurasumuの投稿は基本的に#kurasumuや#クラスムをつけてくれた投稿をリポストする運用方式(UGC)で成り立っております。
kurasumuを始めた当初は#kurasumuや#クラスムをつけてくれる投稿はもちろん0でしたが、今では#kurasumuと#クラスムをあわせて1万以上の投稿がされております。

kurasumuという固有名詞は、商品名でもなければ世の中に広く認知されているようなサービスでもありません。では、なぜ約1年でここまで多くの投稿が集まったのでしょうか。以下が1点がポイントであると考えています。

存在価値を明確にし多くのユーザーを巻き込み続けること

僕がkurasumuを運用し始めた当初は、リポストってのがあるらしいからこれで運用しよう、あとはインスタ映えが大事なんやろ?」くらいのいわば0の状態からのスタートでした。

そんな中でInstagramを見ていたある時、あることに気がつきました。
それは、「一定層の中でテキストを画像に入れて家事ネタを投稿をする文化が生まれていること」でした。

その文化は主婦層を中心に文化として形成されており、少しずつ広まりつつありました。
しかし、それはあくまで一定数のユーザー、つまりInstagram利用ユーザー全体から見ると、本当にごくわずかなユーザーのみが投稿しているという状態でした。
そして、そのような投稿にはかなりの数のいいねなどがついており、閲覧ユーザー(ニーズ)があることも同時に仮説立てることができました。

そのようなユーザー間で良質な情報の提供をし合っている環境が少しづつ出来つつある状況を受け、kurasumuの存在価値はどこにあるのだろうか?と改めて考え直しました。kurasumuには、この存在価値が重要なポイントで、しっかりと存在価値を示すことが出来ないとわざわざハッシュタグをつけて投稿するユーザーも出てこないと考えました。

そこで出した答えが

「発信者の増加と発信者の声のボリュームの増加による受信者の増加」を推進させていくための指揮役としての存在価値

という答えで、それぞれを分解して考えると以下となります。

①発信者の増加
発信者が増えること=役立つ情報(受信者のメリット)が増加します。

②発信者の声のボリューム増加
発信者は、発信した情報に対する何かしらのリアクションを求めていることが多いです。それはいいねかもしれないしコメントかもしれないですが、そのようなリアクションが増えれば増えるほどSNSでの認知度などが上がり、その発信者の方は何かしらのメリットを受け取ることが出来ます。(他にもメリットはそれぞれあると思います)発信することのメリットさえあれば、継続的な情報発信、洗練された情報の発信に繋がっていきます。

③受信者の増加
大きくなった声(=Instagram内でおすすめなどに表示される回数が増えるなど)は、これまで届かなかった層ヘも届いていくと考えます。つまり、良質な情報を受け取り、自分の生活へ生かすことができるというメリットを受け取れる受信者が増えていくのです。そして、時にそのような受信者は「自分も面白いネタを持っているから発信してみよう!」と発信者へと変化していくこともあります。

つまり上記の3点を実現することができれば、自然とUGCは増えると考えました。その際、kurasumuが①〜③のそれぞれを実現させるために介入することができれば、自然とkurasumuのハッシュタグがついたUGCは増えます。そうして、継続的な情報発信が可能となり、元の発信者も受信者にもメリットが出ると考え、その指揮役としての立場になることがkurasumuの存在価値ではあると定義づけて運用を行うことにしました。

存在価値を明確にしたあとは、以下のような施策を実施しました。

①発信者の増加のために
既にターゲットに刺さりそうな投稿をされている発信者の方の投稿をお借りし、「家事ネタをリポストで発信しているkurasumu」の認知拡大を測りました。すると、「自分も投稿をしてみたらリポストしてもらえるかもしれない」といった心理が閲覧者(受信者)に生まれ、投稿が増えていきます。

また、運用のルールとして「一度お声かけした人にはなるべく何回もお声かけしない」というルールを設けました。
毎回一定のユーザーの投稿ばかりをリポストしていては、せっかく自分も投稿をしてみたらリポストしてもらえるかもしれない」といった心理状態にあるユーザーも「なんだ、いつもこの人ばかりリポストされるんだ...もう投稿はやめてしまおう」となってしまい、一向に発信者の増加には繋がりません。
そのため、なるべく多くの方へお声かけをし、様々な方の投稿をお借りするようにしました。

発信者の声のボリューム増加のために
①でお借りした投稿ですが、「闇雲になんでもそれっぽい情報だから投稿し続ける」ではユーザーは反応を示しません。それではkurasumuを通しても声は一向に大きくならないのです。(=①に出てくるリポストされるメリットも生まれない)
そのため、お借りして投稿した一つ一つを徹底的にInstagram分析ツールのSINISなどを用いて分析しPDCAを回し、家事ネタの中でもどんな投稿にユーザーは反応するのか?を研究し、お声かけの段階で「この投稿は伸ばせそう」とkurasumu側である程度仮説を持ってお声かけをし「リポストされたら元の投稿をした自分の投稿のエンゲージメントも上がった!」と発信者に体験していただくことに注力しました。

SINISを使用した分析方法や分析ポイントはこちら↓の記事で語っておりますので、参考にしてみてください。

③受信者の増加のために
受信者を増やすためには、Instagramというプラットフォーム内でどれだけ多くのユーザーに接触させられるかが重要なポイントとなります。
そこで、僕が注力したことが画面の虫眼鏡マークの「発見」にどれだけ表示されるかです。
この「発見」に表示されるにはInstagram独自のアルゴリズムがあり、確実に表示させる方法はありませんが、②で行った分析に対して常に仮説を立てて、具体的なアクションに落とし込み、表示される回数が増やしていきました。すると、必然的に受信者は増えていきます。

以上が僕が今でも実践している、「存在価値を明確にしてユーザーを巻き込み続ける」ということになります。

SNSはユーザーとの距離が近いことが強みだと思います。その強みを生かしてあえてそのアカウントの存在価値をユーザーに問いかけるところからユーザーを巻き込むというのも良いのではないでしょうか?

UGCなどを抜きに考えた際、企業アカウントでも、ストーリーズの質問機能を使ってユーザーがどんな情報を知りたがっているのかをアンケートで聞き、投稿でそのニーズに答えていくといったことができると思います。

ユーザーを巻き込むことがアカウント成長の大きな鍵なのではないかなと思います。

やらないって決めるのが結構大事だよね?ってお話

では次に、やらないことを決めて運用することについてお話したいと思います。

0からスタートした僕のInstagram運用ですが、フォロワーさんが1万人を超えてきて「良い感じに運用ができてきたなぁ」と感じ始めたころ、あることに気が付きました。

『家事ネタって細分化するとカテゴリがめっちゃあるな...』

家事と一括りにしがちですが、その家事を細分化していくと、

・掃除
・収納
・洗濯
・料理
他にも...

と、カテゴリが沢山あります。
それに気が付いた時にあることを思いました。

『料理にフォーカスしたサービスだけ度々見かけるな...』

料理に関するサービスはクックパッドさん、クラシルさんなど体系的にまとめてユーザーに提供するサービスが既に存在し、もちろんInstagramでも素晴らしい情報を発信されていました。
対して、料理以外の家事ネタを発信するアカウントなどはほぼありませんでした。

そして、kurasumuはここまでメニューなどの料理ネタを発信することはありませんでした。※料理が楽になるネタは発信したことがあります。
料理ネタを発信することなく、「掃除」「収納」「洗濯」などの情報でフォロワーさんも増え続け、ここまで運用し25万人もの方にフォローしていただけております。

逆に考えると、料理ネタを発信しなかったことで、「収納やお掃除のkurasumu」が確立できたのではないか?とも考えられると思います。
(これからも料理ネタを取り上げないことが絶対良いとは言い切れないので、変化していく可能性もあります。)

企業さんのアカウントを見ていても、伸びているアカウントや面白いと思えるアカウントはそれぞれがポジションを決めて運用されているのが見受けられます。

例えば、自動車メーカーのマツダさんのアカウントでは、商品紹介だけになってしまうような投稿はせずに、マツダの世界観をInstagramにまで統一した世界観で、マガジン形式の投稿をされています。

商品情報を載せるだけの商品の紹介をせずに、おそらく他の自動車メーカーがやっていないようなマガジン形式という投稿でマツダの世界観をSNSにまで統一させるポジションを選択したからこそ、多くのユーザーを惹きつけられているのではないかと思います。

その他にも、東京メトロさんでは東京メトロが24時間乗り放題となる東京メトロ24時間券を訴求しながら「お出かけ」を推奨していくアカウントを運用されています。

通常お出かけアカウントですと、所謂インスタ映えするような写真とスポット情報を乗せているだけのケースが多いかと思います。

しかし、こちらのアカウントではそのような、スポット情報だけの紹介はされておらず、スポットの情景が思い浮かべることができるような内容の小説が投稿画像に含まれております。そのような小説の中で、実際に24時間券のお話が出てきたり、スポットが紹介されたりしていくという面白い内容となっており、多くのユーザーを惹きつけていると思います。

こちらも、スポット情報を載せるだけのスポット紹介をせず、小説という新しいポジションを選択したからこその結果だと考えます。

このことから、「やらないことを決めてポジションを決めて運用すること」は重要であると考えます。結構当たり前の話かもしれませんが、意外と運用をしているとブレてしまうことだと思います。

意思決定のお話

最後に意思決定のお話をしたいと思います。

これまでアカウント運用で決めた大枠があっても、ポイントポイントで細かな点は常に見直し、軌道修正をしてきました。

例えば、ある投稿のインプレッションが高く「発見」に表示されている可能性が高い。しかし、その投稿をしたあと特にフォロワー増加推移に大きな変化が見受けられないということがありました。

ここで考えられたのが、導線設計の甘さでした。投稿を見た後に、閲覧者は投稿を見てそのまま離脱してしまっているのではないか?と考えられたのです。

つまり導線を強化することができれば「kurasumuというアカウントがこのような投稿を発信している可能性があって、アカウントを覗いてみて投稿内容が予想通りの内容だったらフォローしてみよう」と思わせることができるのではないかと考えたのです。

具体的にはキャプション(投稿文章)に目をつけ、キャプションを以下のように変化させました。

閲覧者に「どんな情報を日頃発信していているのか」をなるべく一目で理解していただけるような文章を記載し、@kurasumuで自分のアカウントへ飛べるようにしました。

このようにすることで、閲覧者はどんな情報がこのアカウントから得られるのかわかり、フォローまでの導線も短くなったことでより多くのフォローに繋がります。これはどんなアカウントでも同様のことが言えると思います!

また、このような仮説を立てられたのが上記の投稿日である2018年11月5日で翌日の2018年11月6日の投稿には修正を完了させて今日まで運用してきました。

そのほかにも

・ハッシュタグの細かな入れ替え
・投稿時間の検証
・投稿本数の検証
・#kurasumuを投稿してもらうためにお礼DMの文章への工夫
・取り扱う情報、取り扱わない情報の細かな設定(ゴミが出てしまうような投稿は環境問題に配慮して投稿しないなど)
etc...

などなど様々なことを随時見直してきました。

Instagramというプラットフォームは日々変化し続けています。その中で細かなことは即時修正できる環境は重要だと思います。

そして、修正すべき点がどこにあるのか?を考え続けることも重要です。

もし企業のSNS担当者の方で「会社がSNSについて全て私に任せきりで...」といったことお悩みの方がいらっしゃいましたらそれはチャンスだと思います!

会社から口出しをされない今こそが細かなことを修正してSNSを大きくしていくタイミングだと思います。(極端かもですが、もしかしたら徐々に細かなことを決めるにも上申して...と大変な未来が来る可能性もあると思うので、今のうちです!!笑)

「意思決定をどれだけ速くできるか」も重要なポイントなのです。

まとめ

kurasumuがここまで来れたのは、多くのユーザーさんのおかげです。そのため、まずは多くのユーザーさんにお礼をお伝えしたいです。

その中で、得た今回の内容は参考になりましたでしょうか?
今回お伝えしたかったことの全ては以下3点に集約されると思います。

・存在価値を明確にしてユーザーを巻き込み続けること
・やらないことを決めてポジションを意識して運用すること

・意思決定をとにかく速く

今回は特にアカウントの設計からUGCを発生させるあたりのフェーズのお話で、「知ってるよ」「当たり前だよ!」という方からしたら少し退屈なお話になってしまったかもしれませんが、少しでも参考になったよという方がいらっしゃいましたら幸いです。
また、実際にはもっと細かくデータを見てPDCAを回したり、ライブ配信を実施したりなど様々施策を実施しております。

ありがとうございました!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?