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0218-0304 雨水

2/22(月)
銀行の案内員の女性がこのご時世になかなかやりますね!と手を叩きたくなるほどパーソナルスペースが狭く、笑ってしまった。
コロナが流行りソーシャルディスタンスという大義名分ができる前から私のパーソナルスペースはバカ広く、近づく人にはかなり敏感だ。今までの経験だと中高年女性が最も狭い(電車の順番待ちの時のおばあちゃんはもうビタ付けと言っていい)けど、一般的にもそうなのかしらと思い調べたところ、男女ではパーソナルスペースの形が違うらしい。
男性は前方が広く後方と左右は狭い楕円型、女性は前後左右一律の正円型らしい。なるほど。たしかに近いと感じる場面、男性は横並び、女性は縦並びの時が多い。
そして年代による差については12歳までにほぼ大人と同様の広さになってから次第に広がっていき、40歳頃からは狭まっていくらしい。超なるほどである。しかしそれでいくと私のパーソナルスペースはまだ広がっていくみたい。野良猫のような40の女、やばそう。


2/23(火)
小さい頃、誕生日は一年のうちでクリスマスから一番離れている6月下旬が最も好ましい、と思っていた。なにかを欲しい!と思い立った時、最長でも半年待てば誕生日かクリスマスがやってくるのだから。その点冬生まれは下手すると約一年待たないといけない。かわいそうに。今でこそ欲しいものは自分のお財布と相談しながら好きなタイミングで買うことができるが、小さい頃はクリスマスと誕生日がチャンスのすべて(たまにお年玉を使うこともできるがそれもまた冬)だ。
12/23から2/23、変わったところでどちらも冬な天皇誕生日。上皇や天皇も私と同じことを思ったことはあるだろうかと思いを馳せつつ、神道だから宮家クリスマスやらないんじゃないのと気づく。


2/24(水)
図書館の帰り、戸建てのスタバに寄ったらサンルームのような細長いスペースの席が空いており気に入って長居を決めた。
近くには高校生らしき女の子が2人座っており、片方の子が身の回りで最近起きた揉め事のあらましを説明してみたり、後輩を学年ごとにまとめて批評してみたりしていた。その声の薄いベニヤ板のような耳触りがつらく、早めに席を立つことになった。早口で喋る頭の回転の速さやストレートな物言い、これからの人生で多分とても役に立つと思う。大いに活躍してほしい。私のような人がそばできゅうと唸っていることは後生一切知らないでいい。


2/25(木)
安住紳一郎の日曜天国で、コロナ禍で人々の好む音楽は心を癒すような穏やかでメロウなものよりもむしろヘヴィメタやパンクなのだという。似たような話で自殺率の高い北欧では好んでヘヴィメタが聴かれるというのを思い出し、鬱屈は慰めるよりも爆発させる方が適切な接し方なのだなと思った。


2/26(金)
花粉症のような症状が1週間ほど続いている。ティッシュをたくさん消費し喉の違和感を洗い流すようにルイボスティーをたらふく飲み、側から見ればまるで花粉症の人のように見えると思う。でも花粉症かどうかは分からない。
4,5年前から毎春こんな症状が出ているけど、花粉症かどうかはずっとわからない。この先もわからない。わからないでいようと思う。別件で医者にかかった時に「花粉症ですか?」と聞かれた時も「花粉が多い日は、わかります」というめんどくさい答え方をしている。認めてしまえば終わりなのです。


2/27(土)
10時に起き、14時〜18時頃まで寝ていた。できることならもっと寝たい。生まれてからずっと眠いが気圧や体調、心調の関係でシャットダウンしたように眠くなる日がある。脳の底でWindowsのテレテテンが聞こえるのである。
眠くて泣く。泣く理由に「眠い」が入るのは未就学児までな気がする。大人になったら眠くなくなるのだと信じて歳を重ねているのにまだまだ眠い。大人への道のりが遠い。


2/28(日)
サボり


3/1(月)
就活の広報解禁日ですね。例年よりも少ないとは思うが梅田に行けばリクルートスーツの学生たちをたくさん確認できるんだろうな。
5年ほど前の自身の就活の時、リクルートスーツは体型によって似合う似合わないが別れるから残念だと思っていた。これ、近年流行りの骨格診断の走りだったように思う。先見の明があるね。私はウェーブなので幸い問題なかったが、リクルートスーツは骨格ストレートを殺す服である。ブラウスの選び方によっては改善されるが2つボタンは鬼門だろう。衰退すべき文化です。


3/2(火)
雨が止んだ後しんと冷え込んだ。久々の寒さを受け入れられないまま1日が終わった。
YouTubeで女王蜂のアヴちゃんとBiSHのアイナジエンドさんの対談を聞いた。2人の使う言葉が柔らかく心地よく、何の気無しに見たのに結構心に残る時間になった。アヴちゃんの辛い時の対処(ざっくりまとめるとこういう稚拙な見出しになるけど、本当は2人の会話の繊細なやりとりの積み重ねで至ったお話しの中で)は、「可愛く泣くこと!」「セーラームーンの月野うさぎちゃんみたいに!」という。「泣き終わって、あの時の声変だったなとか、後味そこなの(笑)」と話すアヴちゃん、最高にキュートだった。
泣く回数と反比例して泣き声は消えていき、今では完全に音を立てず涙を落とすことができるようになってしまったけど、今度はアヴちゃんみたいにピーピー泣いてみようかな。


3/3(水)
飲むべき薬をサボっていたので完全に自業自得だが体調があまり良くなく、特に足の浮腫がひどいので温泉に行った。コロナが流行りだしてからは控えていたのでおよそ1年ぶりの温泉。岩盤浴の漫画コーナーにデスノートがあったのでついつい長居してしまった。漫画コーナーに面白すぎる漫画を置く岩盤浴はいつか死人を出す。
食堂前の看板で新しく販売されているというバターチキンカレーピザの看板を見かけ、帰宅後もバターチキンカレーのことが頭から離れない。インドとイタリアの融合。ありそうでない料理だ。ピザ生地なんてほぼナンと似たようなものだし、絶対においしいはず。なにより、ピザにバターチキンカレーをのせてみようよ!という心意気が無邪気で愛おしい。


3/4(木)
壁掛け時計が逝った。たしかIKEAで900円くらいで買った安物だったのに、約8年もよく頑張ってくれたと思う。同じくらいの寿命の動物を探してあげた。君、バフンウニくらい生きたよ。ちなみに幻のウニと言われる赤ウニは200年くらいらしい。
今の日本の平均寿命は80代半ばだが、DNA解析による本来の寿命は38歳らしい。一説によるとそこから55歳くらいまでは三世代家族の形成によって子孫を守り種を残すために進化がなされたとも捉えられるが、55歳以降は環境の改善や医学の進歩による「文明がもたらした生」と言えるという。こんなことを知ってしまったら55歳以上の人を見て(お、文明に生をもたらされていますね)と思ってしまうよ。父は既にもたらされており、母もじきにもたらされる。
そんなことより早く壁掛け時計を買わねば。

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