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時間が為替リスクを解消する

わたしが利回りが比較的低い商品(4-6%)に投資するときは、必ず長期投資することに決めています。複利効果で資産を大きくしたいという教科書的な目論見はもちろんありますけれど、為替リスクを最小化できるのが最大の効果だと考えています。

例えば、景気回復期に、利回り4~5%で新興国の債権に投資して、2年間保有して、10%のトータルリターンを得たとします。でも、景気が回復すると、ドル高で新興国通貨の価値が下がります。2年で10%下がるのはよくあることですので、そこで解約すれば何も手元に残りません。むしろ手数料と税金の分だけマイナスになるする可能性さえあります。

もっと極端な例をあげます。投資期間が3ヵ月なら、利回りが1%でも8%でも、リターンは利息収入3ヵ月分のみなので、ほとんど差はつきません。損益は、短期の為替の値動きでほぼ決まってしまいます。

その代わりに、投資期間を5年に伸ばすと、30%近いトータルリターンを得られます。そうすると為替は元の水準に戻るかもしれないですし、下がり続けたとしても30%もの下落が続くことは非常に稀です。つまり、投資期間を伸ばすだけで、トータルリターンが大きくなるので、為替リスクの影響を抑えらえるようになります。ドルコスト平均法を併用して、通貨安のときにも定期的に購入しておけば、より安全です。

長期的な展望にたって投資すべきと言いたいわけではありません。一概に長期投資のほうがいいとは全く思いませんし、わたし自身も長期投資と短期投資を両方やっています。期待リターンと投資期間の組み合わせ次第で、為替リスクのインパクトが変わるということをお伝えしたかったまでです。

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