マガジンのカバー画像

古典ハリウッド映画

86
運営しているクリエイター

2022年11月の記事一覧

『暗い鏡』

監督:ロバート・シオドマク

双子の切り返しが異様すぎて面白い。編集によって鏡に映る自分を見返しているような感覚に陥る。特撮による違和感も全くなく、よくできてるなーと感心してしまった。最後は警察が一枚上手だったが、テリーがルースに罪をなすりつける展開も後味悪くて良かったかも。でも最後の人も本当にルースなのか、誰にも証明できないのではないか。パーティー会場での彼女のフレームアウトが怖い。

『ハリー叔父さんの悪夢』

監督:ロバート・シオドマク

束縛が強い妹と結婚したい兄。近親相姦的危うさを漂わせる妹がファム・ファタール的な役割を全うする。ラストは恒例の検閲により取ってつけたようなハッピーエンドになっている。こんな付け足し方して最後のシーンが現実だと思う観客は一人もいないと思う。ムルナウの『最後の人』っぽくなっていた。

『二日間の出会い』

監督:ヴィンセント・ミネリ、フレッド・ジンネマン

ジュディ・ガーランド特集にて鑑賞。勝手にミュージカルかと思っていたら、彼女の要望により普通の映画になったそう。冒頭からコメディがたくさんあり楽しい。大きな目的も特にないまま夜の街をウダウダし、配達のおじさんと出会い、酔っ払いに絡まれるなど、この辺りの描写はいい。酔っ払いのキャラがいいキャラしてる。ジュディが流した涙が、二人の関係を結婚に還元してし

もっとみる