- 運営しているクリエイター
2022年10月の記事一覧
『パリのスキャンダル』
監督:ダグラス・サーク
聖ジョルジュとドラゴンの対比が後半に効いてくるが、少し無理矢理感も否めない。リシェが鏡を見るショットや、人気のないメリーゴーランドの回転など、舞台装置がいい仕事をする。財布を盗む、メリーゴーランド、反復の際で物語が進んでいく感じ。
『クラッシュ・バイ・ナイト/熱き夜の疼き』
監督:フリッツ・ラング
スタンウィックの視線の先にあるのは飛び立つ海猫であり、荒れ狂う波だ。安定を求めて流れで結婚したものの、いざ自分の性格と向き合うとこんなはずではないと思い始める。朝、夫にキスを求めたあとコーヒーを淹れながら涙を流し、そのあともつれるように間男とのキスに展開していくシークエンスが美しい。啖呵を切って夫が家を出て行ったあと、夜空→雲と繋いで再び浜辺に戻ってくるモンタージュに痺れ
『ショックプルーフ』
監督:ダグラス・サーク
なんだこのラスト、と思ったらスタジオ側が勝手に改変していたらしく納得した。フラーならこんな脚本は書かないだろうなーと思った。前半メロドラマ、後半ノワール風の構成ながらも、ヒロインの心情がなかなか読めないのがサスペンス要素にもなっていて面白かった。よく考えたらメロドラマ=階段、逃避行ノワール=車という象徴的装置がしっかり出てきていた。