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古典ハリウッド映画

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2022年2月の記事一覧

『殺人者』

監督:ロバート・シオドマク

なぜ保険会社の男がこの事件に惹かれるのだろうか。説明は全くないし、男はただ調査を進めるだけだ。感情ではなく行動、古典ハリウッドの典型みたいな映画だった。

『罠』

監督:ロバート・ワイズ

上映時間と進行時間が一緒だけど、途中明らかにズレてるところがあった。一緒にしたいがために導入に30分以上かかっているのも不満。流石に長すぎ。72分のくせに全体的にワンシークエンスがやたら長く感じる。試合終わってからは良かった。『殺しの烙印』っぽいがらんどうの会場に響く足音とか、決定的な暴力シーンでカメラが真逆にパンするのとか。ラストは凡庸。

『港々の女たち』

監督:ハワード・ホークス

人物がこれをすればこう、みたいな明快さが楽しい。指を伸ばすこと、タバコをつけること。飛び込みシーンってこうやって撮るんだな。

『ブルー・ガーディニア』

監督:フリッツ・ラング

閉めたカーテンを再び開けること、それを誰かがまた閉めることで彼女は予想もしなかった夜の闇に囚われる。終盤の展開が『条理ある疑いの彼方に』の交通事故レベルでトントンすぎたのがあまり好きではない。見たいのは人々が行動を起こすパッションであって、その結果ではない。