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古典ハリウッド映画

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2022年1月の記事一覧

『パームビーチ・ストーリー』

監督:プレストン・スタージェス

割と頭おかしい映画。銃乱射おじさんたちもあんだけ壊される眼鏡もはじめと終わりも。そんな好きじゃないけど振り切っているのは印象に残る。

『夜までドライブ』

監督:ラオール・ウォルシュ

ラストのウインクで幸せな気分になった。男性を支える役柄だった女性の「私も決めた」の心強さ。不倫相手は少し可哀想だが、キャラ全員が自分の性格に従って行動しているから余計な心理描写なしで良いテンポのまま見れる。同僚の死ぐらいで意思は曲がらないし、結婚相手がいようが気にしない。ボギーの右腕切断の葛藤がなさすぎるのも可笑しかった。下手にこねくり回さない演出、見え見えの伏線が気

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『らせん階段』

監督:ロバート・シオドマク

まあまあ。ただ犯人への興味の持続がラスト15分まで持たなかった。家系図も結局よく分からんし。終盤は好き。ラストシークエンスの高低差が示唆的ではあった。

『殺人幻想曲』

監督:プレストン・スタージェス

これは好き。反復の使い方、理想と現実のズレのおかしさは『泥棒貴族』を思い出したり。序盤にやたらドア枠に引っかかるのが気になってたんだけど、後半の伏線とは思わなかった。火事のシークェンスなんかもバカすぎて笑っちゃったし、救急箱破壊したりホースで転んだり細かい脇役の動作もいちいち面白い。妄想に入る件×3は少ししつこい気もするけど、なんとか耐えられる。ラストも粋だけどこ

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『愚かなり我が心』

監督:マーク・ロブソン

絶対に会えないだろうな‥という予感があるショットが中盤までにいくつもあったのに、結局簡単に会えてしまっているのが肩透かし感あった。ただ父親の告白あたりから少し主題が変わってきて、妊娠と結婚の視点があったのはこのジャンルの映画にしては新しい視点なのかもしれない。全体的にノれなかったけど、ラストの言葉で少し救われたような、自分のしてきたことは愚かではなかったのかも、と思わせて

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『孤独な場所で』

監督:ニコラス・レイ

影に不穏に浮かび上がるボガードの顔が、物語を左右する。真実はいつも出来事に立ち遅れ、感情は出来事に振り回される。いや、むしろ感情が出来事を作っている。扉の開閉やフレームの使い方、特に奥行きを駆使した人物の移動が映画にリズムを与えている。そのせいか分からないが、この映画のタイム感がかなり好き。