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「野菜の無人販売所」の英訳をめぐる旅

こんな素敵なnoteを読ませていただいた。

彼女、しょうこりんさんのnoteはいつも私にはない視点で物事が綴られていて、文体も、彼女にしか出せないのだろうなという雰囲気があって。毎回の更新をひそかに楽しみにさせていただいている。

今日のしょうこりんさんのnoteは、野菜の無人販売所に魅せられているというおはなし。そんな1文で要約してしまうのが忍びないくらい、真っ直ぐに、少しくすりとさせられる文章で、無人販売所の魅力を語っていらっしゃる。まだ読まれていない方はあたたかい気持ちになれるのでぜひ。

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上記のnoteで、「(無人販売所には)モテの要素が詰まっている気がする」というしょうこりんさんは、

実家に居る間に無人販売所を研究し尽くせたら、モテを通り越して、海外に行った時には、コメディアンにでもなれるかもしれない。でも、人生のターニングポイントや師匠について取材された時、「実家近くの無人販売所との出会いです」って答えるの、大丈夫かな(そんなこと起こらないので心配いらない)。

と、noteを締めている。しょうこりんさんにお会いしたことはないけれど、若い日本人女性が海外のテレビ番組で取材され、無人販売所のことを語る姿を想像して、くすりとしてしまう。

そうして、はたと思う。

「無人販売所って、英語でなんていうんだ?」

以下、しょうこりんさんのほっこり素敵な文章とは全然違う雰囲気のものとなってしまってとっても恐縮なのだけれど、「”無人販売所”の英語表現を探す旅」の軌跡を記していこうと思う。

旅はもちろん、広大なネット上が舞台だ。

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そもそも無人販売所のようなシステムが海外に存在するのだろうか。(道ばたに自販機があるのは、治安の良い日本特有のものだ、なんて聞いたことがある)

そんな疑問を抱きながら、グーグルさんに「無人販売所 英語」とお尋ねする。

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……直訳感満載で、怪しい。
Weblioなども一通り見て、"unmanned sales place" "unmanned market" "unmanned shop"が翻訳候補として上がった。

今度は上記の英語をグーグルさんに検索してもらう。

unmanned sales office / place は、検索窓に入力している時点で、検索候補としてのサジェストがあまりなされない&検索結果も微妙
 → なし
unmanned market の検索結果は、unmanned system marketの記事が多い。unmanned system はドローンや自販機など、無人で何かを運用するシステムを指すよう。market(市場)の意味通り、そういったシステムの市場全体の規模などの記事が多い。
 → これも違う
unmanned shop は、近代的な無人店舗(無人コンビニなど)が検索でひっかかる。ちなみにummanned storeでも同じ。
 → これも違う!

そうであるならば、と、vegetables(野菜)を付け加えてみたびグーグルさんに尋ねる。

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お、これっぽい!やっぱりJapanが多い。この”CAISSE(フランス語でレジの意味らしい)”と書いてある画像はスウェーデンのようだ。(詳細記事はこちら

ここにある、"roadside"の単語からヒントを得て、"roadside vegetable"と検索窓に入力すると、"roadside vegetable stand"と検索候補がでてきた。

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こ、これだ!
そうかあ、簡易的な佇まいだから、"shop"や"store"よりは"stand"なのね。

うーん、これ、無人っぽいのもあるけれど、もっと「無人」感を出す表現ないかなあ。

そうしてまた何度か検索を繰り返した結果、ある記事の画像にたどり着いた。

"honor system"
Weblioによると、日本語訳は「(学校の試験で)無監督制度」らしいけれど、英語で調べると "a system of payment or examinations which relies solely on the honesty of those concerned" とでてくる(ソースはこちら)。みんなの信用のもとで成り立っている制度という感じだろうか。

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検索窓いわく、"honor system xxxxx stand" というらしい。
ちなみに、"honor stand"で検索すると、なにやらhonor's standというゲームがあるらしく、そちらがひっかかる。また、"honor farm"だと同タイトルの映画がひっかかる。

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長い旅となってしまったが、野菜の無人販売所は、"honor system stand"というらしい。当初のグーグルさんの回答(unmanned sales officeやunmanned store)とは全然違うものとなったけれど、グーグルさんが悪いわけじゃない。最新の無人コンビニだって、無人販売所と言えるわけだしね。

こうやって、あーでもないこーでもない、と調べている時間は、本当に楽しかった。
しょうこりんさんの文章の本題からはかなりズレてしまっている気がして申し訳ないけれど、ものすごく楽しい時間と新しい知識をたくさん仕入れる機会を作っていただけて、感謝の気持ちでいっぱい。野菜の売っている無人販売所の英訳を考えようとすることなんて、日常でないもの。

(本当はしょうこりんさんの記事のコメント欄にさくっと書かせていただこうかと思ったのだけれど、自分でも引くくらいながーくなってしまったので、独立した記事を書かせていただきました……TwitterのDMでしょうこりんさんにご連絡させていただいたところ、記事の引用を快くOKしてくださいました。ありがたや)

私も無人販売所に行って何か買いたいなあ。どこかでみたことあるような気がするけれど、買ったことないんだよなあ。でも最寄りの無人販売所ってどこにあるのだろう……

あ、もっとふさわしい「無人販売所」の表現を知っている方がいらっしゃいましたら、是非教えてくださいね。


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