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【045】君は劇団(人間)山脈を知っているか【あの】

 お久しぶりです、あのです。あっという間に4月になり、新学期が始まってしまいました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 ずっと書こうと思っていた話があったのですが、なんやかんやでとても遅くなってしまいました。2回も代打してくださったたさかさん、本当にありがとうございます。


 すでにお察しの方もいるでしょうが、書こうと思っていた話とは、タイトル通りとある劇団の布教です。



 あなたは「劇団(人間)山脈」をご存知ですか。

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(劇団(人間)山脈ロゴ ※掲載許可済み)


 某大学の演劇サークル「劇団山脈」の(元)構成員の方々が中心となって活動している演劇サークルです(ややこしい)。サークルというより、演劇集団と言ったほうが正しいのでしょうか……?


 3月中旬、こちらの旗揚げ公演「いきしたい」にお邪魔しました。

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(劇団(人間)山脈旗揚げ公演「いきしたい」告知画像 ※掲載許可済み)


 1回目の公演を一人で見て、翌日たさかさんと312ちゃんともう一度見に行きました。演劇などにおいて初めて、同じ公演を2回見ました。それくらい、じっくりと味わいたかったのです。

 今回は、この旗揚げ公演のレポ、というか感想兼布教noteです。よければお付き合いください。

※内容の解釈などは、公演を見ていない方にはちんぷんかんぷんかもしれません。ご了承ください。



 まず、言うまでもないことですが、役者さんの演技力が非常に高いです。

 今回の公演では、丸山正恵さん、増田春樹さん、野村太郎さん(※名前掲載承諾済みです)が出演されていたのですが、劇団山脈を見ていて個人的に特に好きだな〜と思った方々で、それだけでもただの私得でしたね。この場を借りて言ってしまうと、野村さん、山脈でひと目見たときから本当にファンです……ありがとうございます……(?)

 1回目の観劇は内容について行くのに必死で、細かいところを楽しむ余裕がなかったのですが、2回目は皆さんの間の取り方や所作まで目を配ることができ、やっぱりすごいな〜と思いました(語彙力)。

 私はひねくれているので、メインで物事が進行している場の脇にいる人や舞台装置など、サブの部分を見るのが好きなのですが、「女(丸山さん)」と「死体(増田さん)」が二人の世界を展開しているときの「男(野村さん)」の表情とかね……よかったです。舞台上にいるかぎり、常に見られていることを意識しなければならないので、当り前かもしれませんが。


 上の話に出てきたので思い出しましたが、舞台装置も印象的でしたね。セットや小道具、照明まで含めて舞台なので、サブという言い方は失礼ですね。申し訳ありません。あくまでその場面で一番注目される人や物と対比して、という意味です。

 劇場に入り、舞台セットを見てまず「砂浜?」と思いました。でも物が散らばっているから、単にフローリングの部屋かな……? と思っていたら、あとがきツイートを見て驚きました。お見事ですね……。

 他にも、最後の「女」の歯が抜け落ちるシーンで、本当に上から歯が落ちてきたのも印象的でした。「女」の驚きが観客にも共有された気がします。


 共有というと、観客を巻き込んだ演出もすごかったですね……(話題転換が下手ですみません)。

 特に暗闇の中、「死体」と「女」がどこかへと向かう場面で、本当に真っ暗な劇場で客席に降りてきながら、「死体」が「全部曖昧になっていくんだ」と言うところは、はっとしました。あの世とこの世の境界(恐らく)が曖昧になっている「女」と、舞台と客席の境界が曖昧になった観客の姿が重なります。

 そして最後には、舞台奥の幕が開いて観客と「生き死体」たちが鏡合わせの構図になる。公演タイトルの「いきしたい」は、様々な意味で捉えられるでしょうが、間違いなく「生き死体」はテーマの一つだな、と思いました。

 なぜか動く「死体」、消息不明の文字通り「生きているか死んでいるかわからない」「男」、そしてまるで観客のように座席に配置された「生き死体」たち。彼らを見て、毎日だらだらと過ごしている私も、ある意味「生き死体」かもしれないなと感じました。皮肉ですね。


 もう一つ、「いきしたい」の解釈として「息したい」が思い浮かびました。

 なぜか動く「死体」は、彼自身生きていたかったでしょうし、「女」にとっても生きていてほしかった。だからまるで生きているように振る舞えたのではないか。

 服装が暗めであったり、宣伝ポスターで魚になっていたりと、「死体」と共通点が多いことから「男」も実は死んでいて、喧嘩ばかりだけどそれでもなお「女」が好きだから「生き死体」になってしまった? と思ったり。

 「女」は何回か「歯が抜けたらお婆ちゃんになっちゃう」と言っていましたが、それも老いや死への恐れでしょうか。

 皆、なんやかや未練や執着があるのです。もちろん私も。でも、それが「生」の本質だったり?



 そんなことをたさかさん、312ちゃんと色々話しながら、私は帰りました。

 とりとめもなく思いついたままに書いてしまいましたが、本当に良い公演でした。「奥歯」のことなど、まだまだ噛み砕ききれていない部分はあるのですが、このあたりで筆を置かせていただきます。

 長々とお付き合いくださりありがとうございました。


 今回の記事を書くにあたって、劇団(人間)山脈さんには本当にお世話になりました。重ねてお礼を申し上げます。次回公演も楽しみにしています!!!!!




劇団(人間)山脈様Twitter:@T8WonderoftheW

2022.04.04. あの

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