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19.5日目 アムトラック乗り方徹底解説

ここで、自転車乗りのためのアムトラック利用方法について解説します。

今回の旅にあたり、出発前からこの点についてはかなり調べましたが、日本でそれについて触れている方は見つかりませんでした。

なので、ここで僕が体験し学んだノウハウをご紹介します(果たしてどれだけの需要があるのでしょうか)。

それではいきましょう!

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《前提として》
今回利用した路線は"Southwest Chief" シカゴ行きです。
乗車区間は2024/2/23 アルバカーキ出発→2/24 カンザスシティ。約1200km、18時間の鉄道旅です。

《チケットの購入方法》
①アプリまたはインターネットで購入
※僕はアプリで試みました

列車を検索する画面です。
日時と乗車区間を入力して検索。

座席の等級を選べます。
アムトラックには通常の座席か個室の2種類しかありません。今回は通常シートを利用。
またアムトラックは2階建てなので、上から下かを選ぶことができます。
※これ最初にみたときは98ドルでした。どんどん上がっていくっぽいです。

追加オプションを入力できます。
ここで自転車を選択。
自転車を積める数には限りがあるらしく、ここでは残り2台。でも実際乗ってみたら僕しか預けていませんでした。つまり最初から最大2台です。

支払い方法について選択。
ほとんどの人がクレジットカードでしょう。

※ここで最大の注意点

このあと、BuyNowを押すとSMS認証となります。海外では受け取れない方がほとんどだと思うので、アメリカに着いてからでは購入できません。

僕はここで、日本にいる家族のクレジットカードで購入できるかと思いました。クレカの名義は家族のもの、乗るのは自分自身。
ただ、当日行ってみて、予約のとき使ったカード出せとか言われたら面倒なので、念のためそれがアリか問い合わせしてみました。

すると返事が、、

「連絡いただきありがとうございます。
オンラインでの予約が難しく、さらにサポートが必要な場合は、モバイル アプリケーションまたは Amtrak.com の「ライブ チャット」を通じてお手伝いいたします。チャット エージェントは月曜日から金曜日の午前 8 時から午後 8 時 (EST) まで対応しています。

さらに、当社の電話エージェントは 1-800-872-7245 で毎日 24 時間対応しています。自動電話メニューをバイパスするには、0 を押します。国際電話をかける場合は、1-215-856-7924にダイヤルしてください。

ご不便をおかけして誠に申し訳ございませんが、今後ともよろしくお願いいたします。」


結局解決になりませんでした。しかも返信があったのは問い合わせを送ってから60時間後。

なので、乗車日が確実に決まっているのなら、当たり前ですが日本を出る前に買っとくのが無難です。


②駅の窓口で購入

アルバカーキ駅にて

昔ながらのこれが間違いないです。結局僕もこれでいきました。
窓口で申し出るのは、乗る日と区間。僕は乗車する前日に購入しましたが、当日の出発1時間前とかでも買えそうでした。
パスポートを提示して、クレジットカードで決済。
3分もあれば完了します。

窓口で買うと切符は紙で。記念にもなるしこれがいいですね。

《乗車当日》

列車が出発する1時間前には駅に着いておいた方が無難です。僕は1時間半前に行きました。もちろん余裕でした。
ヒマだったので、大きい荷物だけ置いてスーパーに買い物にも行けました。

※後述しますが、通常座席の場合は食事が付いていません。基本持ち込みになるので、事前に調達しておきましょう。

この日の列車は定刻より40分遅れ。これくらいの遅れは当たり前らしいです。広い心をもっていきましょう。

《荷物について》

これが荷物のルールです。

・持ち込み荷物は1人2個まで
ただしサイズは35cm×22.5cm×14cmまで、重さは11.3kgまで。
ただ、これは測られませんし、最終的に僕はデカいの3つ持ち込んでるので、気にしなくて大丈夫です。

・預け荷物は1人2個まで
ただしサイズは71cm×55cm×28cmまで、重さは22.6kgまで。
ただ、重さが1つあたりなのか、2つ合計でなのかは分かりません(すみません)。
これはしっかり測られます。

あと、食品や電子機器は預けられません。
しかし僕はめちゃめちゃ預けました。飛行機と違ってX線検査とかないので、あくまで自己申告です。

・自転車について
予め自転車料金を払っていれば預けられます。

これアムトラックの公式ページです。
あれこれ書いてますが、普通の自転車なら分解とか何もせずにそのまま預けられます。
(僕のはフレームサイズ51のグラベルロードです)

これが僕の全荷物

リアのパニアバッグとかは外さなきゃですが、フレームバッグ、トップチューブバッグ、ハンドルバッグなど、フレームサイズからはみ出さないバッグ類やキャリアについては装着したままで預けられます。

今回は左のリュックとトートバッグを持ち込み、右の黒のドライバッグと透明バッグ(これにパニアバッグとか予備タイヤとか全部放り込んだ)を預けようとしました。

ただ一つ問題が。
この透明なバッグは預けられませんでした。強度の問題か、色の問題かは聞けませんでしたが、"This bag is not suitable to leave." (このバッグは預けるのには向いてないね)とだけ言われました。

なので持ち込みはリュックとトートバッグと、あとこの超デカい透明バッグです。サイズも個数も明らかにルールを逸脱していますが、誰にも何も言われませんでした。

あと乗車前に差し入れをもらいました。



《預け荷物の手続きについて》

通常の預け荷物は、このようにカウンターで預けます(重さもこのときに測る)。
僕はてっきりそのまま列車のスタッフに渡すのかと思ってましたが、空港と同じように事前に預けるようです。

出発の30分前ごろ、「この放送が預け荷物の最終締切です」というアナウンスが流れ、慌てて手続きしました。スーパー行くくらい余裕があったのに、急にドタバタです。

このとき、預け荷物のタグを受け取って装着。自分は控えをもらいます(飛行機と同じです)。
通常の預け荷物はそこでスタッフに託し、自転車は自分で管理します。

《乗車•下車の流れ》
自転車を含めた荷物を預ける流れは以下です。

①全員分の預け荷物をもったポーターに着いていき、自転車を自ら運んでいく。
タイミングはスタッフに言われるので、駅舎で待ちましょう。

列車が接近すると、ポーターと一緒にホームへ移動。

預けるのは最後尾です。

②自転車を預けたら駅舎へ戻り、座席番号を確認。
なぜか座席番号を充てられるのは乗車の直前らしく、駅舎で列に並びます。

こういうカウンターがホームドアのそばにある

座席番号が書いた紙を受け取る。今回は自転車と同じ最後尾に充ててもらいました。
これをもらった人から乗車します。

③目的地到着。
全ての荷物を持って降ります。
まずは預けた自転車を回収。このとき、受付時にもらったタグの控えを提示します。

④駅の窓口に行き、同じくタグ控えを提示して預けた荷物を受け取る。

以上、①〜④が自転車を含めた預け荷物の流れです。
ちなみにこの一連の流れは大切なので、アムトラックに勤める日本人オペレーターの方が電話で全て教えてくれました。
肝心なところをしっかり母国語で教えてくれるのは本当にありがたいです(シオリさんありがとうございました)。

駅のスタッフのみなさんも、手取り足取り教えてくれました。優しい人ばかりです。問い合わせメールを60時間ほったらかされたことは水に流します。

無事にアルバカーキを1時間10分遅れで出発です。

《列車設備について》

乗車したらすぐに、手荷物スペースがあります。
けっこうなサイズのものでも入ります。僕の巨大な透明バッグもここに置きました。

最後部車両だったので、貨物スペースも見れました。こんなかんじです。自転車が立てかけてあります。とくに固定とかはありません。

トイレはたくさん。普通です。
ただ朝には散らかってます。

夜はこんなかんじ。照明が落ちます

通常シートの座席はこんなかんじ。頭上の荷物スペースも充分な広さ。
また、最大3600kmを乗り続ける車両なので、シートピッチはかなり広めに作られています。
あとリクライニングもかなり倒せますし、ソロ乗車だったらほぼ横は誰も座りませんので、横になって寝ることができます。
僕も夜行列車の割にはちゃんと寝れました。

食堂車。間違って入ってしまいました。
個室利用の人には旅の最中は3食フルサービスです。
通常シートの人にサービスはありませんが、空きがあって予約すれば利用できるっぽいです。

お菓子、ジュースなど

食事がついていない人はどうするかというと、持ち込みか売店利用です。こういう列車の売店にしては高くない方なのでは…?
現金でもカードでも支払い可能です。

あとアムトラックグッズがあれば記念に買ったんですけどね、残念ながらありませんでした。

夕陽にカップ麺。お湯をセットでくれます
朝のオムレツ

僕は基本持ち込みましたが、せっかくなので売店を利用してみました。
夜はカップ麺、チップ込みで3.5ドル、
朝はオムレツ、チップ込みで5.5ドルでした。

ラウンジカー。
お菓子とかだったら自分の席で食べてもいいですけど、派手な食事とか匂いが出るものはここの方が良さそうです。
テーブル席と、窓を向いた席があります。
窓が大きく、夕陽が最高に綺麗でした。
いかにも「世界の車窓から」です。

ちなみに朝来てみると、ここで爆睡してる人もいました。場合によってはこっちの方が横になりやすいかもしれません。

ラウンジカーのほうが窓も大きく景色もいいので、自分の席よりもこっちのほうが居心地がいいです。

無事にカンザスシティに着きました。最終的に、定刻より1時間半遅れです。むしろこれくらいで済んでよかった。
これだけ移動したことにより、NYまで期限内に辿り着けそうです。


以上、アムトラックの利用方法についてご紹介でした。
たぶん日本の自転車乗りの中で、誰よりも詳しく書いた自信があります。
もしほんの一握りの、僕と同じような計画を持っている方にこの記事が届けば嬉しいです。

もちろん、自転車を持たない人でもアメリカの大陸横断鉄道に興味がある人は絶対に多いと思うので、そういった方々にも役立てば幸いです。

長文でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました!

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