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静かなさえずり―夜のひばり

ひばりブックスで開催されている「夜のひばり」という企画がとても良い。

5/2のゲストは、喫茶ebonyのマスター。

その時々の状況に流されているようでいて、そこには確かな自身の意思がある、そのアンビバレントな感じ、でも“葛藤”してるようには見えない淡々、飄々とした感じ(もちろん本人の中にあったのかもしれないが)が自分の感覚にはないものでとても不思議で興味深かった。

何よりオモシロかったのは、本人は主催者に対して「ゲストになるのを断ったつもりだった」ということ。(断られた自覚がなかったという主催の方もまたオモシロい)。自らどうしても発したい、アピールしたいことがあっての登壇だとばかり思っていたから。

そういう事情もあって余計に夜のひばりが、ごくごくフツーの、市井の人にスポットライトを当てる場だということを強く感じた。トークイベントって、壇上にいる人=特別感があるけど(それはそれで素晴らしいし、求められることであるけど)、ここは壇上も平場も立場が等しい感じ。だからこそゲストの話が、自分のいる日常の地続きとして聞ける気がする。改めて素敵な企画。

その場に放たれる声は決して高らかなものではないけれど、心の内に確かに響く。
それは、小さなお店の小さな企画の為せるわざ、かもしれない。


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