『喜多方・熊野神社と高麗橋』
11月の中旬、喜多方の新宮熊野神社(慶徳町新宮)は、ご神木の大イチョウが見事に色づいていた。神社創建の際に植えられ、樹齢は800年以上と伝わるが、拝殿「長床(ながとこ)」と並ぶ景観は実に壮観だ。
国の重要文化財「長床」は、熊野信仰修験道にともなう特殊な建物である。平安末期から鎌倉初期の建立で、44本の太い柱が支える吹き抜けの構造だが、1611年の大地震で倒壊した後、幾度の補修により現在に至っている。
会津風土記などによると、当社は中世の隆盛期には東北における熊野信仰の一大