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2021年9月の記事一覧

最近読んだ本の話 vol.37

 「最近読んだ本の話」の第37弾です。涼しくなったと思ったらまた暑くなって、でももう秋の空ですね。今週も最近読んだ本を3冊ご紹介します。 1、松家 仁之『泡』 自分の居場所はどこにもない でもひとりでは生きていけない 男子高の二年に上がってまもなく学校に行けなくなった薫は、夏のあいだ、大叔父・兼定のもとで過ごすことに。 兼定は復員後、知り合いもいない土地にひとり移り住み、岡田という青年を雇いつつジャズ喫茶を経営していた。 薫は店を手伝い、言い知れない「過去」を感じさせる大

最近読んだ本の話 vol.36

 「最近読んだ本の話」の第36弾です。夏のような暑さがなくなって過ごしやすい気温になってきました。「読書の秋」ですね。どうして秋に読書なんでしょう?暑さが落ち着いて集中できるからかな?今週も最近読んだ本を3冊ご紹介します。 1、岡崎 琢磨『Butterfly World 最後の六日間』 人型のアバター=バタフライが生息するVR空間〈バタフライワールド〉にログインしたアキは、ログアウトせず現実世界に戻らない者たちが暮らす〈紅招館〉に向かう。 アキはある事情から〈紅招館〉に住

最近読んだ本の話 vol.35

 「最近読んだ本の話」の第35弾です。9月になってだいぶ涼しくなりました。緊急事態宣言がまた延長になって、読書時間が増えそうです。今週も最近読んだ本を3冊ご紹介します。 1、高野 史緒『まぜるな危険』 伊藤計劃+円城塔『屍者の帝国』の世界観にドストエフスキー『白痴』から「ブレードランナー」までを投入した「小ねずみと童貞と復活した女」、佐々木淳子の時間SFコミックとチェーホフとのリミックス「桜の園のリディヤ」など、ロシア文学+SFの全6篇。      -Amazonより引用

最近読んだ本の話 vol.34

 「最近読んだ本の話」の第34弾です。9月に入ってだいぶ涼しくなりました。昨日、いつの間にか蝉の声が聞こえなくなっていることに気づいて驚きました。もう虫の声しか聞こえません。秋なんですね~。今週も最近読んだ本を3冊ご紹介します。 1、古内 一絵『最高のアフタヌーンティーの作り方』 老舗ホテルで働く涼音は、念願叶って憧れのマーケティング部サービス課、アフタヌーンティーチームに配属された。 喜び勇んで、アフタヌーンティーの新企画を出したものの、パティシエ・達也に「目新しければ