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セルヒオラモスになりたい人生だった

再生案件が増えてきました。新型コロナウイルス恐るべしです。実感はあまりなかったのですが、結構影響がではじめてるみたいですね。

事業再生に関わる時、僕のポジションは大体CBです。そう、センターバックです。サッカーのポジションで主に守備をするひとです。

僕は企業を見るとき、サッカーのフォーメーションに当てはめて現状を把握します。4-5-1だけど、ここはトライアングルの4-4-2の方が合うなぁ。3-4-3どころか2-4-4ぐらいになってるから一旦4-3-3ぐらいに下げたほうがいいなぁ。なんて感じです。

作業としては主に現状分析、不採算部門の割り出し、生産性の確認、コストカットです。サッカーで言うとボックスを形成してブロックで守る感じです。コンパクトな守備から前線に繋げることを考えます。

それが終われば今で言う〝サブスク〟実際の意味は少し違うのでしょうが、簡単に言うと固定売上を作りにいきます。固定売上が作れれば、固定費の負担を減らすことができ、損益分岐点の改善が図れます。事業存続のための売上ノルマを軽減できる感じです。サッカーで言うとポゼッションの改善、リスクを取って攻め急がなくて良くなる感じです。

ここまでくれば大体の企業が大丈夫になります。これで僕の出番はだいたい終わります。継続が必要そうであれば続けることもありますが、大丈夫そうなら終わりです。

僕がおこなうこれら一連のプレーをサッカー選手に例えるなら見栄を張ってマッツ・フンメルスです。実際の社会的評価はクリスティアン・サパタぐらいだと思っています。ですが、理想とするのはセルヒオラモスです。

僕が理想とするセルヒオラモスという選手は素晴らしいメンタリティです。2017-2018シーズンの決勝、レアルマドリーvsリヴァプールの試合で、レアルマドリーのセルヒオラモスはリヴァプールのエース、モハメド・サラーをイエローカード1枚で負傷退場させます。リヴァプールのゴールキーパーのミスもありましたが、結果3-1でセルヒオラモス率いるレアルマドリーが勝利します。試合の分岐点はセルヒオラモスのあのプレーだったと思っています。

5大リーグ最多退場、CL最多退場は不名誉な記録として扱われますが、チームのためなら退場も厭わないキャプテンシーは見事だと思っています。勝負所ではゴールを決め、PKでは平然とパネンカをやってのける鋼の心臓。残念ながら僕はこのような役割は自分で責任が取れる自分の会社でしか発揮できません。他人の会社は責任は代表者にあり「手段を選ぶ必要がある」からです。

事業再生の一番の難点は代表者の「こだわり」を外せないことです。関西だからかもしれませんが、再生案をお伝えすると「それならこのまま潰れたほうがマシ」と言う代表者が結構多いです。そして本当に潰れます。

例えば僕が他人の会社であってもセルヒオラモスになれるのであれば、果たしてどれぐらいの会社を存続させることができたのだろう。なんて、新型コロナウイルスの影響で立て直しようもない案件が続いて、ふと思うのでした。

ちなみに実際のサッカーでは、僕はヴェズレイ・スナイデルの大ファンです。もう引退してしまいましたけど。オススメの選手がいれば誰か教えてください。

おしまい

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