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映画「ダンガル きっとつよくなる」
インドの実話をもとにした映画。レスリングを通してインドのジェンダー問題について描いた作品。
とにかく衝撃だったのが、インドでは14歳くらいになれば(おそらく妊娠可能年齢かと)本人の了承なしに、親の決定で嫁に出されるということが、いまだに普通に行われているということ。なので、女の子は子供の頃から家事全般を叩き込まれる。そこから脱却するためには並大抵のことではないということが描かれていた。
レスリングでインド代表まで上り詰めたマハヴィル(アミール・カーン)の夢は、自身の子供をレスリングの国際大会でチャンピオンにすることであった。しかし、生まれてきたのは4人全員女の子。落胆し、夢を諦めようとしていた。そんなある日、長女のギータと次女のアビータが、悪口を言っていた男の子をボコボコにするという事件が起こる。それを見たマハヴィルは、ギータとアビータにレスリングの才能があることを見抜き、チャンピオンにすべく厳しいトレーニングを課すのであった。
ギータもアビータも普通のインドの女の子。自分たちがレスリングをやりたかったわけでもなく、父親からの命令。お菓子やスパイスは身体づくりに不要だと禁止され、トレパンを履かされて町内を走り回らされ、街の人からはバカにされる日々に嫌気がさし、我慢の限界が来て、父親にやめさせてほしいと懇願するが、そこで父親の真意が明らかになるのです。
その真意を知ったギータをアビータは練習に力を入れ、才能を開花していくのです。最初に頭角を現したのが、長女のギータ。地域では男でもギータに勝つことができなくなっており、インドのナショナルチームで召集されるほどに成長していくのです。その頃、次女のアビータもギータを追うように成長を続けていて……。というのが大まかなストーリーです。
父親の意見が絶対だったり、ナショナルチームでの科学(?)に基づいた戦法は間違っており、父親がやっていた戦法(古典的)が正しいとされたり、また、オシャレをすることが練習の妨げになる…など、「それホンマ?かいな」と首を傾げたくなる主張も多い。
しかし、インドの田舎で女性が一人の人間として、自分の意志だけ生きていくことがとてつもなく大変なことで、それをやった人がいて、インド中の女の子に勇気を与えていると知れたことは、それだけでも見た価値はあったと思う。
日本はこんなにひどくないわ—と思いたかったけれど、セクハラやレイプの被害を訴え出ても、ハニートラップだ、実名公表をしていないから嘘だとか言われて、被害者が吊し上げにあう社会。もちろん男女平等ランキングなんて散々たる結果である。日本はまぎれもなくジェンダー後進国だ。
女が生きづらい国は、男も生きづらい国である。
もっとみんなが生きやすい社会にするためには何が必要なんだろう。もうわからなくなってしまっている…。
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