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【まとめ】#5-4 保険テクノロジーで冒険が増える

ハイパー起業ラジオとは、IT批評家の尾原和啓さんと、シリアルアントレプレナーのけんすうさんによるポッドキャスト。起業家だけでなく、すべてのビジネスパーソン必聴のラジオです。

信用スコアが変える、保険の未来 ~AIと行動データで「安心」をシェアする社会へ~

今回のハイパー起業ラジオは「信用スコア編」第4回。
前回の金利信用ビジネスの話題を振り返り、尾原さんが思わず漏らした一言。

前回は、金利信用ビジネスにおける「ノイジーマイノリティのコントロール」や、「デフォルト」の話ですとか

けんすうさん

めっちゃカタカナw

尾原さん

今回は、少し身近なテーマ「保険」について、尾原さんと深掘りしていきます。

保険と投資、リスクとお金との関係

保険だと普通はこう、お客さん側がお金を払うような感じですよね

けんすうさん

生命保険や自動車保険など、私たちがお金を払って万が一に備えるというイメージが強い保険。 しかし尾原さんは、保険も投資も、突き詰めれば「リスク」とお金との関係という点で共通点があると指摘します。

投資は、お金を増やすためにリスクを取って先にお金を出します。 リスクに見合ったリターンを期待できる一方、損をする可能性もあります。

一方で保険は、何かあった時のためにお金を払っておくことでリスクを回避する仕組みです。 事前に保険料を支払うことで、大きな損失に備えることができます。

信用スコアで変わる保険料

冒険をした時って、絶対トラブルが一定の確率で起きるわけですよね。

尾原さん

例えば、自動車事故。 万が一事故を起こしてしまったら、相手への賠償金や車の修理費用など、大きな出費が発生する可能性があります。

誰もが事故を起こす可能性を考えると、莫大な貯蓄をしておく必要があり、それは現実的ではありません。

そこで役に立つのが保険です。 みんなでお金を出し合い、事故を起こしてしまった人がそのお金を使えるようにすることで、個人が抱えるリスクを分散できる仕組みになっています。

ここで、信用スコアが重要になってきます。 信用スコアは、その人が事故を起こす確率を予測する指標となり得ます。

例えば、安全運転をする人や、日頃から健康に気をつけている人は、事故や病気のリスクが低いと考えられます。

逆に、交通違反が多い人や、不健康な生活を送っている人は、リスクが高いと判断される可能性があります。

信用スコアを活用することで、よりリスクの低いグループと高いグループを明確化し、それぞれに適正な保険料を設定することが可能になります。 これは、保険会社にとっても、加入者にとってもメリットがある仕組みと言えるでしょう。

AIと行動データが未来の保険を創る

「あんまり社会実装されてない感すらありますね」と、けんすうさんが現状を指摘したように、信用スコアを使ったサービスはまだ始まったばかりです。

しかし、AIやIoTの進化によって、取得できる行動データの種類と量は飛躍的に増加しています。 これらのデータを分析することで、事故やトラブルなどのリスクをより正確に予測することができるようになります。

その結果、今まで以上にきめ細かい保険設計が可能となり、個人の行動や状況に応じた最適な保険を提供できるようになるでしょう。

例えば、車の保険で、センサーを取り付けて安全運転をすると保険料が安くなるサービス。 あれも、行動データから事故率を予測して保険料を決めている一例です。

SNS炎上保険みたいなのができて、ま、なんか保険料払うと炎上した時のコストを支払ってくれるみたいなのあるらしいんですけど。

けんすうさん

AIが分析した信用スコアによって、個々に最適化された保険が作られる時代も、そう遠くない未来かもしれません。 事故が起きる前に予防を促し、より安全な社会になる可能性も秘めているのです。

信用スコア社会の光と影

行動データに基づく保険は、単にリスクを評価するだけでなく、「良い行動」を促進する効果も期待できます。 健康的な生活習慣や安全運転を心がけることで保険料が安くなる仕組みは、人々の行動変容を促し、より健康で安全な社会の実現に貢献する可能性を秘めているでしょう。

むしろね、スポーツジム代よりも、なんか、得をしたみたいな事が起こるんだったら、みんな運動するし、これいい事ずくめですね。

けんすうさん

しかし、その一方で、信用スコアによって社会が「管理」され、個人の自由が制限されるのではないかという懸念も生まれています。

信用スコアによって保険料が変わると、格差が広がる可能性も懸念されます。 例えば、健康状態が悪い人や、生まれつきリスクが高い職業の人は、不利になってしまうかもしれません。

AIによる信用スコアリングは、社会にとって本当に良いことなのか。 今後、様々な角度から議論していく必要があるでしょう。


信用スコア社会と倫理的な課題

結局、全ての冒険にはリスクがあるから、じゃあ、そのリスクっていうものを、小分けに分散する事によって、冒険しやすくしようねっていうのが保険の考え方

尾原さん

信用スコアは、私たちの生活をより便利で豊かにする可能性を秘めている一方で、新たな差別や不平等を生み出すリスクも孕んでいます。

AIやビッグデータの時代において、信用スコアは私たちの生活に深く関わっていくことは間違いありません。

しかし、その恩恵を受ける一方で、潜在的なリスクや倫理的な問題点についても、しっかりと議論し、適切な対策を講じていく必要があるでしょう。

まとめ

信用スコアを使った保険は、私たちの生活をより安全に、そして豊かにする可能性を秘めています。

しかし、同時に新たな課題も突きつけられます。 テクノロジーの進化と倫理的なバランスをどのように取っていくのか、 私たち一人ひとりが真剣に考えるべき時が来ているのかもしれません。

次回予告

次回は、信用スコアが社会全体に及ぼす影響、そして私たちにどのような影響を与えるのかについて、さらに深く掘り下げていきます。 信用スコアによって、私たちの生活はどう変わるのでしょうか? お楽しみに!


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