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世界がモノクロに傾いたとき、私はロザーナを聴く

ロザーナという決意


ロザーナはTHE YELLOW MONKEY再結成後の2017年に発表された曲である。
現在入手できるCDでは、アルバム「9999」に収録されている。

以下は個人的な解釈である。

1番のAメロ、Bメロは、脈打つように躍動するギターアルペジオと血流のように流れるベースアルペジオ、句読点を打つドラミングの上に、語るように乗るメロディラインが旅路を淡々と物語っている。

一転、サビは目の覚めるようなキラキラとしたピアノが増え、重さと輝きを加えるギター、歌うベースラインに、それぞれの主張をまとめ上げるドラム、優しく美しいメロディライン、でも一息で訴えるような歌声でドラマチックに展開する。

ロビンの「ロザーナ」に答えるように、エマのリードギターが鳴り、流星の如くギターソロが続いていく。

1番の旅路の答えを2番で回答して、歩き出した先に見えた景色の美しさを、PVではモノクロからカラーに変化させることで強く印象付けている。

神様にしかチェスは動かせないの?
迷い続けた答えはなんて言ったの?

と問うた抗えない運命を

信じ続けた周りとそれに答える自分の魂が、抗えない運命に立ち向かうのではなく、並走することに決めた決意の曲だと個人的には解釈している。

もう一度世界を塗り直すために

私は育休復帰後の通勤の車の中で、幾度となくこの曲を聴いた。
運命というか現実に抗えるのには限界があると知った1年だった。
どんなに努力にしても私に与えられた時間は決まっていて、どんなに体調管理しても息子が初めて対峙するウイルスや細菌は受け入れるしかなかった。

一見受け入れる事は諦めることと混同されがちだが、今できる自分のリソースを受け入れないと、前にも後ろにも進めないことを知った。

吉井さんの抱えた葛藤と苦しみとは明らかにスケールとステージが違う悩みだが、誰しもが理想と現実の狭間で運命を呪い、モノクロの世界に行ってしまうことがあるのではないだろうか。

決意はもう一度世界を色付けてくれる。
私は世界がモノクロに傾いたとき、ロザーナを聴くのだ。
キレイな色で世界を塗り直すために。

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