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パラダイス・リゲインド

仮面ライダー555 20th「パラダイス・リゲインド」を遅ればせながら見てきました。

555の本放送時はニチアサの視聴習慣がなかったのですが、dビデオスペシャル仮面ライダー4号のために履修済みでした。仮面ライダー4号について書くと脱線して長くなっちゃうので置いといて。

以下重要なネタバレアリの感想。

現在、人類の進化形・オルフェノクは、政府指導の下スマートブレインによって殲滅させられる立場にあった。スマートレディは、CMでオルフェノクを見かけたら連絡をと呼びかける。
園田真理は、表では「西洋洗濯舗 菊池クリーニング店」で働き、裏ではオルフェノクの庇護活動を行っている。
菊池クリーニング店の二号店が海堂によって勝手にラーメン屋にされており、そこで若いオルフェノクが働いているのだけど、ラーメンを作る集中力が、オルフェノクの殺戮衝動を抑えるのに役に立つとか立たないとか…
とにかく海堂さんが元気そうなのが何より。

ラーメン屋の常連役にミスター仮面ライダー高岩成二さんがちょっと出ているのが特オタ的には嬉しいところ。

現在のスマートブレインの社長は北崎。出世したね…
スマートレディは声が可愛くちょっと肉感的になってました。
殲滅隊隊長の胡桃玲菜は、実年齢若いと思うんだけどいつの時代だ?という服装と髪型とメイクをしています。しゃべり方もクセが強い。巧のことが好きすぎてヤンデレっぽい。変身する仮面ライダーミューズはかっこいいです。AI予測でバッドエンドを回避する能力を活かして戦います。

真理は、菊池啓太郎の甥・条太郎と、なぜか帰ってきたらしい草加雅人とクリーニング屋で働いています。啓太郎役の役者さんが俳優を引退されたのでこういうことに。
どうも草加との仲が深そうなんですが、そこそこの年齢いった男女が、日の高いうちから公園でイチャイチャされるとちょっと…生々しくて嫌です…

乾巧は自分の死期を悟り、数年前にある日突然姿を消したものの、スマートブレインに回収され延命措置を施されていました。
オルフェノクの細胞崩壊を止めるワクチンを打たれながら、かつてとは異なる姿のファイズ・仮面ライダーネクストファイズへと変身し、スマートブレインの手先となって、オルフェノクを攻撃する。

巧は何を目的に戦っているのか。
巧がいなくなる前、真理が最後にかけた言葉は「マヨネーズ買ってきて、今夜はお好み焼きにするから」でした。巧が消えてしまいそうなのを悟って、帰ってきてほしいとかけた言葉でしょう。
約束通り、マヨネーズをもって巧は真理の前に姿を現します。

それに嫉妬した玲菜は、真理の中のF記号を活性化する手術を独断で行わせ、真理はオルフェノク化。
(ワイルドキャットオルフェノクらしいです。かわいいです。)
殺戮衝動に抗えず、仲間を攻撃してしまう自分に絶望して飛び降り自殺を試みるも失敗。
巧が廃校となった学校に運び込み、ここで衝撃のラブシーンが…

自分の存在は何なのか、何のために生きるのか、それを問いかけ続けること、それこそが生きる目的なのだと二人は答えを出します。(主題歌が『Identiφ's』なのも納得)

スマートブレインに反旗を翻し、北崎と戦うネクストファイズ。
ダメージを受けた北崎が時期修復し、彼はアンドロイドであることが判明します。
玲菜はそれを知り、巧と真理に逃げて生きてほしいと告げたところ、北崎によって八つ裂きにされます。
真理から奪ったドライバーを装着し、仮面ライダーミューズに変身して襲い掛かる北崎。
そこに現れた草加に真理を託し、戦いを続行する巧。

少し離れたところまで逃げたところで、真理は草加に平手打ちされる。
草加も、いつか流星塾出身である真理がオルフェノクになるのを監視するためにスマートブレインから派遣されたアンドロイドだったのです。

北崎が変身する仮面ライダーミューズに苦戦するネクストファイズ。
そこに条太郎が、かつてのファイズベルトを持って現れます。

ガラケーのボタンを押して旧式のファイズに変身し戦う巧。
仮面ライダーミューズのAI予想も、ガラケー時代のデータがないのかうまくいきません。
アンドロイド草加から逃げてきた真理(ワイルドキャットオルフェノク)もともに加わり、二人でアンドロイドの北崎と草加を撃破します。

エンディングは、菊池クリーニング店の食卓でお好み焼きを食べる、真理、巧、海堂、条太郎、生き残ったラーメン屋の女の子のオルフェノクの子。
巧が買ってきたマヨネーズをたっぷりかけて。
猫舌の巧のためにお好み焼きをフーフーする真理。
巧は、かつて細胞崩壊が始まっていた手のひらを眺め「生命線が延びた」と述べます。

スマートブレインの新社長には草加が就任。
カプセルの中に眠る顔の見えない個体たちは、回収されたオルフェノクか、アンドロイドか。不穏な要素も残しながら物語は終わります。


冒頭のシーンが、司法解剖されている死体(オルフェノク)が生き返り内臓を取り戻すというものだったんですが、そこに周年記念ごとに強制的に蘇らされて戦わされるライダーやオルフェノクの姿を重ねてしまいました。
仮面ライダー4号で、穏やかな死を迎えたはずだった乾巧を目覚めさせたのは誰?
北崎や草加がアンドロイドにまでなって戦わなくてはいけない理由は?
メタ的には続編を熱望するファンのせいではないのだろうか—――
でもまあ、やってくれるんだったらそりゃ見たいんだけど…

「仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル」を思い出し、もうこれっきりこの後はやりませんという終わり方をするのも、ある意味真摯な答えだったのかもしれないなと思ったり…

続編は見たいけれど、それが物語の登場人物にとっては、安らかな死を破られ、何のためかもわからない無益な戦いに駆り出されるように見えるというのは、皮肉なものです。


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