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非〇〇〇がWEBサービス開発で生きていくには?

はじめてのnoteなので、自分のことを振り返ろうと思うと長くなりました。。

非エンジニアで非デザイナです。それでも、もう十何年も、WEBアプリやスマートフォンアプリの開発現場に従事しています。肩書的には何もできない感満載ですが、それでも十何年の歴史。。。

基本的に非○○○ということで、存在自体が否定から始まるのですがそれでも仕事になってきたのはなんでだろうというのを整理しておこうかなと。

そもそも私のバックグラウンドはなんなのか?

文学部歴史学科考古学専攻卒。ばりばりの文系です。インディージョンズが好きでこの学部を選んだのですが、別にナチスに追われることも、魔宮を探検することもなく、大学時代は映画、音楽、ゲーム三昧。

で、時代はインターネット黎明期。テクノやサイケを聞きながらニューロマンサーや攻殻機動隊にハマってたら、ちょっと「インターネットと文化」みたいなものに興味が出てきて、エンタメ系の雑誌にそのあたりのレビューや分析記事を書くことに。

【閑話休題】ブレードランナーでは記憶が本物か偽物かが重要なファクターになるけど、攻殻の場合、記憶そのものに真偽性はないし、そんなに大事じゃないという雰囲気で、「あー、フィリップ・K・ディックの世界観がやっと上書きされたなー、インターネットっぽい!」と思ったしだい。まあ、この数年後、マトリックスですぐ上書かれるんだけど。みたいなことばっかり書いてました。

つまり、ライター、編集者としての社会人経験が、いまも私のコアに色濃く残るシミなんですが、そんな悠長なことは言ってられなくなります。

HTML/CSSをゆっくり書いたり、WordPressのセットアップくらいはできるようになりました。

まあ、2000年代は雑誌がどんどん減っていくし、ギャラも少なくなるし、なんだかWEB媒体みたいな格安ギャラの巣窟みたいなのが現れたりする時代なんですよね。

そのころには文化論だけじゃなくて、ちょっとした技術書も編集するようになっていて、プログラムとは言えなけど、フロントコードとかphpくらいは書けるようになっていて、自分でWordPressとかMTベースのWEBサイトくらいは作れるようになってました(CGI。。。遠い目)。

でも、相変わらずやっていることは紙の編集。このままじゃ先細りだ。。。

やりたいわー、WEBサービス。ちゃんと作って儲けたいわー!

ということで、たくさんのWEBサービス(まだスマホはない)を手掛けてる会社に転職。

WEBサービスを作るぞ!となったものの「総合職」というなんでも屋で、エンジニアでもなければデザイナでもない。まだアナリストみたいな職種もなかったかな?? もちろん営業職でもない人間 == 私がどうWEBサービスの立ち上げに関わるのか?

「こうしたい」を大声で言い続けるしかないんだなー

どうやったらWEBサービスを立ち上げられるかわからないので、とにかく「どんな人にどう使ってもらいたいか」を、まるで役者になったかのように考える。

その演じた役を文字とか絵(きたない)とかに落として、偉い人やグラフィックデザイナ、エンジニアにつたえて納得してもらう。「ああ、こういう人ならたしかに使ってもらえそうだねー」と彼らが思って、気持ちよく仕事に取り掛かってもらうためですね。最近だと、「ペルソナ設定をする」といえば伝わるのですが、そんな言葉を知らなかった。

つぎにどんなサービスにしたいのか、具体的に絵(きたない)を書く。たぶんワイヤーフレームという言葉はすでにあったんだけど、だれもそれがどのようなものか、はっきりと分かってなかったと思うんです。

私が手書きでワイヤーフレーム(私はワイヤーフレームだと思ってた)を書いて、また偉い人、デザイナ(コーダー)、エンジニアに説明すると、「それってラフであってワイヤーじゃないよね?」と言われることが多かった。

※ちなみにペルソナ設定はパワポ(に手書きの考察などを貼ったもの)、ワイヤーはエクセルで作っていていま考えると非効率この上ない。。いまは両方XDで資料作ってます。

まあ、言葉の定義はどうでもいいですが、どんなものを作りたいかを、手書きで拙いながらも、ちゃんと絵にして伝えるしかなかった。

あ。雑誌の編集とかしたことがある人はわかると思うんですが、まあ、ワイヤーフレームまでの作業って、紙面ラフです。こうレイアウトして、こういう写真、文字をいれたいー!みたいなものです。

ここまで、とにかく「こうしたいー」を大声で、偉い人、一緒に働く人に伝え続けてます。

あとは、専門職の人にデザイン作ってもらって、プログラム組んでもらってということになるのですが、さあ、ここからが本番。

周りの人がとにかく不機嫌にならないようにする係

実際に誰に対して、どんなものを使ってもらってお金をもらうのか? つまり「こうしたいー」が、ざっくりとでも決まれば、あとは各人のスケジュール管理とモチベーション管理。

ただ、こちらは非○○○の虚無な存在なので。なにもできない。やってもらうしかない。なので、「こうしたいー」を曲げずに、かとって偉い人、デザイナー、エンジニアの機嫌も損なわずに、機嫌よく仕事をしてもらうために万全の注意をはらう。

たとえば、会議での振る舞いとか、チャットを打つタイミングとか、メールの書き出しとか、あえてすぐに回答しないとか、ここの手練手管こそが非○○○の真骨頂だと思うのです。ださい。

もちろん「こうしたいー」が、実装中に筋が悪いとわかる場合もある。その時はもう、メンバーをなだめすかして方向転換。ときには泣き落とし(これは諸刃の剣)、嘘にならない程度の演出もつかって「こうしたいー」を正しい方向に持っていきます。最近アジャイル??とかになってスクラムマスター的な役割でもあるのかな?とにかくミーティングでの演出とか誰の発言を促すかとか、もうファシリテートと言う名の即興演劇をくりかえしてましたね、機嫌を損なわないように。。。やっぱりださい。

スケジュールに関しては、雑誌とか書籍と一緒。ホントの締め切りを明確に伝えずにノラリクラリ手法で頑張る。スケジュールの書かれたガントチャートには見えないバッファが大量に仕込まれてます。

ただ雑誌とかと違うの、、見積もり甘くて間に合わなかったらリリースは次にしようか?みたいな交渉が偉い人とできること。週刊とか月刊ではないので、ずらせるんですね、リリース日。

ただ、ずらせるとなったら、まったくそこを目指さなくなるのは人間の性なので、ずらせるとは言わない!もしくはずらせるのはこの機能だけ!みたいなのを死守するのも大きな仕事だったり。

結局はこれ(非○○○のWEBサービス開発)は雑誌の「編集」とあんまりかわらんかな。

雑に書いてきましたが、よく考えたらうん十年前に締め切り抱えて雑誌を作ってたときとあんまり変わらないようです。

どんな人に読んでもらいたいか、どんな台割にするか(特集どうしようかなとか連載どうしようかとかラインナップを組む感じ)、どんな紙面レイアウトにするか。そして考えたものを、ライターさん、エディトリアルのデザイナーさん、協力してくれる編集者さんにしっかり「伝えて」、商品としての雑誌をつくる。

まあ、WEBサービス開発でも、レイヤーを変えて同じことをしている感じです。

非○○○なので、協力してくれる人にちゃんとサービスを開発する意図、指標を伝える。彼らがストレスなく、自力を発揮できるようにサポートしたり、信頼したりする。つまり「編集」こそが非○○○の生きる道なのかなーと考えて十数年小銭を稼いできました。

企画段階、ワイヤーテスト段階、実装段階でもっと細かく「肝に銘じてきた」ことはあるんですが、そのことは追々書くかも。

まず、自分はどんなことで飯を食ってきた・食っていくんだろうということを、すっごく雑に振り返ってみた。

ということで初めてのnoteでした。最近、文字を書くことをしてなかったので、苦労する。いろいろ思いついたことを書きたいと思います。

Photo by Alvaro Reyes on Unsplash


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