日本は果たして先進国なのか

まず先進国という言葉自体に明確な定義はありませんが、一般的には
 ・経済や技術が発展しており、生活水準が高いといわれている国々の総称
 ・政治・経済・文化などが国際水準からみて進んでいる国

となっていますが、下記のような注釈も入っていたりします。

また、近年ではIT化・デジタル化の進展により、電子申請や電子決済、電子商取引といった各種サービスの利便性・開発度などの面で、従来の先進国とそれ以外の国家間の格差縮小、逆転現象も起こっており、一層曖昧になっている

ウィキペディアより抜粋


では、日本は果たして先進国なのか。私個人の意見としてはすでにかなり怪しいと思っています。確かに素材や精密機械などの一部の分野ではいまだ世界の最先端技術を有しています。しかし、半導体、ITなど大きく遅れている分野も目立ってきています。

一般の家電に至っては既に競争力を失って久しく、政治的な都合も影響しているとはいえ、自動車の分野でも後退が続いています。20年、30年と続いたデフレによる経済の低迷により、投資は低迷し賃金も低く抑えられ続けた結果、日本が失ったのは経済的なものではなく、やはり技術の面でも停滞を続け賃金の面でも他の先進国と比べれば、大きな差が既に開いてしまっています。

低賃金、少子化など話題になっていますが、日本は既得権益が強く、村社会と呼ばれるほど変化を受け入れる余地が少ないため、簡単に変わることはできないでしょう。これは経済、政治、地方、学会いずれも例外はなく、変化を打入れる余地が非常に小さく、自らが変化を起こすことは非常に難しい国だと思われます。

日本では出る杭は打たれるとよく言われますが、変化を起こそうとすると既得権益を持つ者や変化を受け入れたくない者から総叩きにあい、それでもその逆行を跳ね除けたごく一部の人が、小さな変化を起こすことはあって、もそれが大きく広がることは稀です。

賃金に至っては先進国の中では異常に低い状態にあり、物価が低く抑えられていた状態でも徐々に貧困化は徐々に進み、近年では様々な要因あら物価が上昇し始め、税金、社会保証の負担増とますます、国民の貧困化が加速しかねない状況です。

本当に貧しい国と比べれば、もちろん日本は豊かな国家であることには違いないとしても、それをもって先進国であるとは言えないのではないでしょうか。安倍政権時代の異次元の金融緩和政策の恩恵を実生活の中で感じた庶民は殆ど居ないのではないでしょうか。

低賃金は購買能力の低下のみならず、少子化を加速することにもつながり半面、高齢者は今後20年、増え続けると言われています。そうなれば、社会保障費を削り支出を減らすか、社会保障の負担を上昇させるか、政府の取る政策はそのどちらかになるしかない。予算の組み換えを行えばよいという意見もありますが、先にも述べた通り日本は既得権益が強く、一度付けた予算を減らしたり他へ移したりすることが非常に難しいようです。

政治家は官僚の支援なくしてはまともに活動することはできません。そのため、官僚組織を敵に回すことはできず、縦割り行政とも言われるように各省庁それぞれが独自の権益を持っており、何かの予算を減らす、別のところに付け替えると言う事は、どこかの省庁の権益を犯すことになります。

そのため、新たな予算を出す、もしくは既存の政策の予算を積み増すためには、税収を増やす(増税)か国際を発行するしかなくなります。既存の予算を付け替えると言う事は、予算を失う省庁が出ると言う事になり、失う側の官僚からの反発があるため簡単にいきません。

政府は異次元の少子化対策と言っていますが、これまでの日本政府の政策を振り返ってみると、庶民が実生活の場でそれを実感することはあまり期待でき無いという気がしています。
このような事は予算のみならず、様々な権限についても同じようなことが言えます。そしてこれは政治の世界のみならず、経済、地方政治、学会あらゆる分野で起きていると思えます。そのため、日本は非常に変化を受け入れるもしくは、自ら変化する余地が非常に小さな国となってしまっていると思われます。

IT分野での遅れもよく取りざたされていますが、IT分野では技術面、人材面、社会への浸透面、いずれにおいても日本は遅れており、すでに新興国にすら後れを取り始めているのが現状です。

ITの開発現場で遅れた技術が利用されていると言う事は、技術者のニーズもそこにあると言う事になり、技術者もあまり先端技術に触れることが無いと言う事です。また、ITの社会への浸透も日本は非常に遅れており、日本政府もこれまであまり力を入れてこなかったこともあり、日本では今日においてもITの利便性、可能性よりも、未知のものへの不安の方が大きいと言うのが現状ではないでしょうか。

これだけインターネットが普及した現代においても、中高年を中心にいまだにITは未知のもの、難しくてわからないものと言う意識が強い。また、政府が半端に広めようとした結果、国民に不信感を与えるだけの結果に終わっています。

インターネットを含むIT関連の技術をを日常の道具として受け入れている若者と、未知の物ととらえている中高年のITに関する認識の差は大きく、日本に広くITが浸透するのは、現在の若者が中高年とない、ITにアレルギーのない世代が中核を担うようになってからと言うような気がします。つまり、後、20年はかかるのではないかと言うような気もします。

賃金、物価と言う点では他の先進国とは2~3倍近い差が出てきています。低い単価、精密な工作技術が高く、多品種少数生産にも対応でき、政治も安定し勤勉な国民、少子化による労働人口の減少も、ロボット技術等も進んでいる日本ならAI技術と合わせて少人数で生産体制が構築可能なスマート工場も対応できる。まあ、理想的な下請け工場になれるのではないでしょうか。

日本の企業の9割りは中小企業であり、その単価が低く抑えられ続ければいずれ発展する新興国との立場も逆転し、日本はアジアの下請け工場となっていくのかもしれませんね。現在、中国、東南アジアに日本企業が工場をもち部品を生産しているように、いずれ立場が逆転し、各国が日本に部品の生産工場を立てる。もしくは日本企業が国内に生産工場を建て部品の出荷を中心とした体制に移行するようになるような。

そうなれば、数パーセント超高所得者層、3割り程度の高所得者層、のこり7割りは低所得者層といったような構成になるのではないでしょうか。1割りの大手企業はうまく乗り切ればそのまま大手として残り、うまく乗り切れなかった大手は外資に買収され、その流れの中で中小企業の多くは淘汰される。

過疎化が進んだ地方には工場が立ち並び、都心部には高齢者の集合住宅が立ち並ぶ。街の華やかな場所を歩き回るのは外国人観光客。なんとなく、今の日本にはそんな未来像しか思い描けません。今、新興国と呼ばれる国姿そのものですね。

未来と言ってもそんなに遠くない未来。そんな日本は果たして先進国なのか。

政治家や中央官僚のエリートと呼ばれる人達と、庶民との感覚とズレは大きいと言わているとおり、少子化対策にしても何をすればどの様になるかも、実際には見えていないのかもしれませんね。そうやって何時までも政治家や中央省庁の官僚エリートは、霞が関と言う箱庭の中で国内外でからまわりし続けるのではないでしょうか。

<余談>
たまたま見つけた動画だけど、記者クラブが泉元明石市長を招いた事自体に驚いて全部見てみましたが、動画を見て更に驚いた。元市長が1時間公演して司会者が質問を受つけたところ質問がなかったのか、まず最初にといって司会者が質問を始めた。

その後もまともに質問していたのは一般会員と司会者のみという状態
どれだけ無関心なんだと驚きました

(3)となっているように(1)~(6)まであり
他の回の再生回数は2000から多いのでも7000回程度
泉元市長の回だけ7.7万回再生と関心の高さがうかがえる
良くも悪くも話題性の有る市長でしたから

試しに他の回の質問のコーナーを見てみると
普通に記者が質問していますね
他の動画も同じようならそれが普通なのかと思いますが
泉元市長の回だけ、記者からなんの質問もなしという状態

一人だけ誰も質問していなことをまずいと思ったのか
朝日新聞の記者が簡単な質問をしていたけど、
それ以外は批判も質問も一切なし、何で呼んだんでしょうね

jnpc(日本記者クラブ)
「こども家庭庁」(3) 泉房穂・明石市長 2022/05/11
https://youtu.be/BMuq-74GTLE


2023年8月7日


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