「自分の好きなところある?」と最後に彼は聞いた

なぜ私は人を愛するのだろう
恋をしたら幸せになれると思っていた。
恋は私を豊かにすると思っていたのに、聞いてた話と全然違うじゃないか。



「好きな気持ちはまだあるけど、正直素直にそう思えない」

みっともなく彼の姿を追いかけた末、路上で放たれた言葉に対して、とっさに神妙な面持ちをつくった。
が、内心、悲しいとも嬉しいとも感じていなかった。
「まあ、当然だよな」と受容できるくらいにはこの2週間、悩んで反省していた。(つもりだった)

好きなのに、どこか憎い
手に入れたいけど、入らない
居てほしい、居なくなってほしい
どうして、どうして、、、
好きだという感情に反して、この心は、口は、行動は
なぜ正しく愛することができないのだろう。

ずっと「良い子」だったのに
ずっと「優等生」だったのに
いつの間にか正しく在れなくなっていた。

いつの間にか私は「親の顔に泥を塗る子」になっていて
自分のことが嫌いなままで
愛しているはずのひとと上手く関係が結べない。
何でこんなことになっているんだろう。
この辛さはどこから来るのだろう。
ぐるぐると頭がまわる。

「もっと顔が小さかったら」
「もっと胸が大きかったら」
「もっと声が可愛かったら」
私は私を愛せるのだろうか。

彼の質問に、私は答えることができなかった。


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