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非金属製タイヤチェーンを使ってみた いきさつと感想

年が明けて本格的な冬シーズンに入ってきましたね。
寒冷地にお住まいの皆さんは、車のタイヤを冬タイヤに交換されたのではないでしょうか?

わたしが住んでいる広島県東広島市は、豪雪地帯ではありませんが、広島県の中では比較的雪がよく降るところです。毎年12月に入ると、街を走っている車のほとんどが冬タイヤを履いている、という状況になります。

わたしもこれまで、冬の間は車のタイヤをスタッドレスタイヤに交換していました。
この冬も昨年11月に入る頃から、タイヤのことをずっと考えていました。ですが…今回は少し状況が違います。去年まで合計5シーズン使っていたスタッドレスタイヤが寿命を迎えたので、次のスタッドレスタイヤどうしよう、どこで買おう?となった訳です。

いろいろ悩み、地元のお店の広告を見たり、ネットでアマゾンや楽天、タイヤフッドなどを調べました。

1ヶ月半くらい悩んで最終的に行き着いたのは…

今回はスタッドレスタイヤは購入せず、非金属タイヤチェーンを買う。

周りのみんながスタッドレスタイヤを使う中で、ノーマルタイヤを冬の間履き続けタイヤチェーンで雪の日は乗り切る、というのは自分にとってはちょっとした冒険です。

それで、どんなことを考えて、非金属チェーンを買うに至ったか、実際どんな商品を買ったか、使用してみてどうだったかお伝えしたいと思います。

なぜスタッドレスではなく、タイヤチェーンにしたのか

タイヤチェーンよりもスタッドレスタイヤの方が利便性は高いのが事実です。
チェーンは、毎回の取り外しが大変…ジャッキアップも必要…スタッドレスタイヤなら、年2回の交換だけで、雪道でも安心して走れます。また、走行時の快適性もチェーンに勝っています。

それでも、今回タイヤチェーンを買うことにしたのはこんな理由がありました。

  • 降雪量と生活スタイルの変化  
    東広島市に住んで約10年。この10年間で気候が大きく変わってきたのを感じています。
    引っ越してきたばかりの頃は、こちらの寒さにびっくりでした。朝起きて窓を開けたら真っ白な銀世界、昼間は晴れているのに夜帰宅する頃には道路に雪が降り積もっている、なんてことがよくありました。

    それが、この数年で大きく変わってきました。
     初雪の日がどんどん遅くなり、積もる日も1シーズンに、2回3回くらいになっています。
     さらに、気温が極端に下がって日中も0度を上回らない、そんな日もたまにしかなくなってきました。それで、路面が凍結したまま一日が過ぎることもなくなりました。

    気候の変化に加えて、この2年で生活スタイルも変わってきました。
    昨今の事情によって、出歩くことが少なくなり、車を使う機会が少なくなっています。
    仕事とは別に行っているボランティア活動で車を走らせていましたが、今はその活動も家からリモートで行っています。車に乗るのが通勤や買い物の時だけになりました。ネットでの買い物が増えたこともあり、買い物で車を使うことも少なくなりました。

    このような訳で、雪道なのに車を走らせないといけない状況に面することがほとんどなくなりました。昨年も2回だけでした。
    それで、今のような環境と生活の中で、スタッドレスタイヤは本当に必要か?と考えるようになったのです。
    1シーズンに2、3回の雪道走行なら、スタッドレスタイヤではなくタイヤチェーンを準備しておくので十分かも、と考えました。
     

  • タイヤチェーンの進化
    タイヤチェーンと聞いて、どんなものを思い浮かべられるでしょうか〜?
    金属製の鎖のようなものを思い浮かべられる方が多いかもしれません。私もそうでした。イメージとしてあったのは、装着するのが大変…走行音がうるさい…錆びて切れてしまうのが怖い…という感じ。

    ですが、先日会社の車のオイル交換のため寄ったお店で、非金属製チェーンが販売されているのを見つけました。
    以前からそういうチェーンのことは知っていましたが、見ているうちに「これを使うのはありかも」と思うようになり、調べてみると…

    非金属製タイヤチェーンは数種類あるようです。ゴムなどの樹脂製のものや布製のものなどです。
    また、非金属製チェーンにはいろいろなメリットがあることが分かりました。
    まず、装着が金属製のものより楽。車をジャッキアップしたり、動かす必要もない
    また、寿命も金属製のものより長い
    加えて、走行時の乗り心地は金属製チェーンより快適で、走行音もそこまで大きくならない。

    タイヤチェーンもどんどん進化しているようです。イメージが変わったので、スタッドレスタイヤ以外の車の冬対策が見えてきました。

  • 費用
    雪道を走行する時、スタッドレスタイヤを装着していると安心感があります。これは否定できません。

    しかし、コストパフォマンスの面を考えてみると、一概にスタッドレスタイヤを買えばいいとも言い切れません。
    どのメーカーのものを選ぶかにもよりますが、ブリジストンやヨコハマタイヤなどテレビCMでよく見かける会社のものは、軽自動車用で1本辺り安くても1万円弱はします。もっと、安いものもありますが、やはり価格が抑えられている分性能も低くなってきます。安いものは走行時の安定性に欠けると、車に詳しい方は言っておられました。
    大手メーカー製のもの(特にブリジストン)は、一回買えば5シーズンは使えるとは聞きます。しかし、タイヤの寿命は運転の仕方や走る路面の状況に左右されます。一般的に、スタッドレスタイヤは柔らかいゴムを使うので走行の仕方によっては摩耗が激しくなったり、気温が高く路面が熱せられている時も劣化が早くなるようです。それで、思っていたよりも早く寿命がきてしまったということもありそうです。
    さらに、毎年冬シーズン前と冬シーズン終了時にはタイヤ交換をする必要があり、お店でお願いするとやはり作業工賃がかかります。(ホイール付きのタイヤだと自分でもできますけど、結構な体力仕事で慣れていないと大変です。

    非金属製チェーンはというと、金属製のものより少し高くなりますが、樹脂製で軽自動車用のものは2万円以下で買うことができます。そして、物によりますが5年間は使えます。そして、装着するのも毎回自分でできそうで、時間もそこまでかからなさそうです。

    このように考えると、ますますスタッドレスタイヤにこだわなくてもいいかなと思えてきました。
    特に、先程触れたように気候が変化してきて冬でも雪があまり降らなくなり、スタッドレスタイヤの性能が生かされる条件で車を走らせることが少なくなってきた今、高いお金を払って使う必要があるかな、と思いました。

    費用に関することは、人によって考え方が異なり、高いお金も安全面の保険になると言われる方もおられると思います。
    わたしも、その点も考えましたが、今回は安くすむならそれに越したことはない、と思いスタッドレスタイヤは購入せず、ゴムチェーン(非金属タイヤチェーン)を買うことにしてみました。

購入したもの

ゴムチェーンについて下調べをした後、お店(オートバックス)に行き実物を見て、購入しました。

購入したものがこちら⇊

SOFT99というメーカーのもので、「救急隊ネット」という商品です。
お値段は、税込価格¥17,598でした。

オートバックスでは、チェーンは金属製のものを含めて豊富な種類が販売されていました。ゴムチェーンも3種類ありました。その中で一番安かったものがこれです。


JASAA規格品です

ネットで調べていたら、JASAA認定がある商品が耐久性が良く、トラブルも少ないとありました。オートバックスで販売されているものはすべてJASAA規格品でした。
※JASAAの規格品とは、一般社団法人日本自動車交通安全用品協会が性能審査を行い認定した商品のことです。

中身の紹介

ネット本体が2枚
サイドゴムが4本
フッカー(サイドゴムを取り付ける時に使う工具)
保管用の袋

 加えて取扱説明書と、チェーン装着後の走行に関する注意書きが入っていました。

実際に使ってみた感想

チェーンを買ってちょうど1週間後、寒波が来て朝起きたら雪が積もっていました。さあ、いよいよチェーンを使う時がやってきました。

取扱説明書を見ながら装着していきます。取説には絵もあって比較的分かりやすい。
タイヤチェーンは、車の駆動輪に装着する必要があります。わたしの車は全輪駆動車なので、前輪に装着しました。
車を動かす必要はなく、ジャッキアップも必要ありませんでした。(ただ、装着するタイヤの周りに広い空間があると作業がしやすいので、それをふまえて車を停める位置を変える必要はあるかもしれません)。
ネット本体をタイヤに巻きつけるようにしていき、3箇所あるフックを所定の箇所に引っ掛けていきます。最後に、付属のフッカーを使いながら、サイドゴムをタイヤの中央部に引っ掛けます。サイドゴムはタイヤ片輪に2本づつ引っ掛けるようになっていました。(※注:手順や取り付け方法は製品によって異なります)

朝で気温が氷点下、手がかじかむ中で初めて装着しましたが、20分で両輪に装着しました。初めて少し迷いながらの作業だったので、慣れてきたらもっと短時間で装着できそうです。

装着後の写真です⇊

前輪左側
前輪右側

※後から知ったのですが、ホイールカバーを外してから装着すると、ホイールカバーに傷がつくを防ぐことができるようです。次回は、そうしたいと思います。

さて、非金属製タイヤチェーンを装着したうえでの走行です。

まず感じたのは、思っていたより走行音が大きい。車内にいると工事車両のエンジン音のような音に聞こえました。これには個人差もあるのかもしれませんが…
走行時の振動は、雪道では気になりませんが、雪が少ないところでは、大きくなりました。それでも、不快と感じるレベルではありませんでした。
そして、一番感じたのは、アイスバーンになっているところでも、やむを得ずブレーキを踏んだりする時や、ハンドルを切る時、滑らない安心感があるということです。それで、下り坂を走ったり大きなカーブを曲がる時、自分の前を前に車が走っている時、緊張感をあまり感じることなく走行できました。
(スタッドレスタイヤを着けて運転していた時、アイスバーンとなっている箇所では、結構滑っていました)
やはり、チェーンによって摩擦が強くなり、滑りにくくなるようです。

タイヤチェーンを装着して走る場合、速度を控えめにする必要があります。この日、運転中50キロを超えるスピードを出すことはありませんでした。でも、雪道なので周囲の車もスタッドレスタイヤを履いていても速度は控えめに走っていたので、他の車の流れを止めてしまうことはなく会社まで走行できました。

この日は、昼間に気温が上がってお昼ごろには道路の雪も完全に溶けていました。それで、夕方退勤後タイヤチェーンを外して帰りました。
外す時は、装着する時よりも楽でした。中央部のサイドゴムを外し、3箇所あるフックを外すと、タイヤを包んでいるチェーンネットが地面にマット状になります。一部分だけタイヤの下に挟まっているので、最後に車を少し動かしてチェーンネットを取ることができました。この作業にかかった時間は5分くらい。

チェーンネットに水分がついたままだと、ゴムや金属性のスパイクが早く痛むので、帰宅後、チェーンネットを拭いて乾かしてから、袋に収納しました。

非金属製タイヤチェーンの装着、雪道での走行、チェーンを外す作業、全てを行ってみて、タイヤチェーンでもそこまで面倒ではなく十分使える、と個人的には思いました。

余談ですが、タイヤチェーンにしたことで感じた別のメリットがあります。

スタッドレスタイヤを使っていた時は、毎年11月後半になると「いつタイヤを交換しようか」と考えるようになっていました。
年末に近づくこの時期に、一つ余分な用事があると気持ちも焦るものです。自分で交換することができない時はお店に行くのですが、みんな考えることは同じでタイヤ交換をする人が多く、作業の予約が取れません。そうなるとますます焦ってきます。
ですが、この冬はスタッドレスタイヤを使わないことにしたので、タイヤ交換の手間もなくなり、年末までの忙しい時期を余裕を持って過ごすことができました。

結論として

初めてタイヤチェーンを使ってみた感想をまとめてみます。

  • 快適性を求めるならスタッドレスタイヤに勝るものはないが、購入やタイヤの付け替えのコストや労力を考えると、タイヤチェーンも選択肢に十分入れられる

  • チェーンの脱着は昔より簡単にできるものが増えているので、思っているより楽。急に雪が積もった時にも対応しやすい。

  • アイスバーンになっている道では、タイヤチェーンを着けての走行のほうが安心感がある

以上になります。

それで、積雪量が減ってきた地域に住んでおられる場合は、自分の生活スタイルを振り返ってみて、毎年何度雪道での運転をしているか、考えてみることをおすすめします。
毎日車を使う必要がないのであれば、スタッドレスタイヤに毎年付け替えるのではなく、タイヤチェーンを雪が降り積もった時の緊急用として持っておく、という選択肢もみえてくるかもしれません。

今回、タイヤチェーンを備えて冬を過ごすことにしたのは、自分の生活スタイルが変化したことがきっかけでした。それで、状況によっては、再びスタッドレスタイヤを使うことになるかもしれませんが、しばらくは冬シーズンをスタッドレスタイヤ無しで、タイヤチェーンを使用することで過ごしていきたいと思います。

最後まで目を通してくださり、ありがとうございました。


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