ありがとうが言えない君のためのお客様感謝させデー

ありがとうを言えない君へ

ジョンの離婚の話を聞いて、君はきっと恐怖を覚えているだろう。
「自分も妻に捨てられるのではないか」と
彼は離婚の理由を「使い終わった髭剃りを毎回充電器に戻してくれているのにありがとうって言わなかったから」と言っていた。
気恥ずかしさのせいで彼は最後まで理由をはっきり言わなかったが、要は数多の小さな親切を蔑ろにし、感謝の言葉を毎回言わなかったことが原因だったのだろう。
(ちなみに個人的には理由をはっきり言わないみたいなクソめんどくさい性格の方が要因としては大きい気がするが)

今朝ゴミ出しに彼女は行ってくれて、君はそれに気づて「ありがとう」と言おうと思ったのに言えなかったよね。
突然そんなこと言ったら「なんかやらかした?」と訝しまれるし、そもそもそれを言うことの気恥ずかしさが感謝の言葉を言うことを躊躇わせたよね。まったく情けない。

ただ、そんなジョンと同じ道をレーシングカーばりの速度で爆走しているチキンな君に朗報だ。
あそこのスーパーあるだろ、ほろいつも行ってるあそこのスーパー。
そこがお客様感謝させデーというものをやり出す。

ある日仕事がひと段落して、オフィスの自動販売機でコーヒーを買ったタイミングで同僚のケニーから「ベーコンが半額になるから書いてみた。読んでみて」というメッセージと共にあるリンクが送られてくる。
そのリンクを開いてみると100文字程度の感謝の言葉が綴られたメッセージが書いてある。

ケニーにこのメッセージについて聞くと感謝の言葉を誰かに書いてそれを読んでもらうと購入する賞品が半額になるキャンペーンをやっているという。
さらに彼が最初は100文字適当に入力して送信してみたら、そのサービスはchat gptを搭載しており、感謝の言葉じゃないということでメッセージを弾く機能に加え、どうすれば効果的に感謝の言葉を伝えるアドバイスとテンプレートまで提案してくれる。さらに、感謝の言葉を言うのが気恥ずかしい人にはいくつか質問をしてくれて適当な言い訳も考えてくれる機能も搭載している。

君はこのサービスを聞いて、妻へメッセージを伝えるためには好都合だと思う。
なぜならその日の朝ちょうど彼女はベーコンを買わないとと言っていたし、感謝の言葉を言う言い訳も考えてくれるし、ちゃんとした感謝の言葉を送らないといけない理由もこのサービスの判定のせいにできるからだ。

君はこのサービスを使ってメッセージを送る。

送ってみた彼女の反応が気になるかい?
教えるわけないだろ。


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