オーディションの本質を知る。

はじめまして。moaです。

現在私はボイストレーナー兼声優育成講師として、育成スクールの講師をしています。

この記事では、実体験をもとに、オーディションに対する考え方、マインドについて発信していきます。

声優になりたい、歌手になりたいと思っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

オーディションの本質

さて、早速ですが、夢を叶ようと思った時、一番最初に思いつく手段は何でしょうか?
おそらくオーディションを受ける、というのが思い浮かぶかと思います。

一般人の未経験から、芸能事務所に所属することはできるのか?

答えはできます。しかし、運の要素が大きいという事実を知る必要があります。

結論を言うと、オーディションは数をこなすことが何よりも重要であるということです。

私は、ごく普通の家庭で生まれ、田舎で育ちました。

身内に、芸能関係者がいたり、特別な才能を持って生まれたわけでもありません。

事務所に入るきっかけとなったのが、全国区から募集していた事務所のオーディションです。

オーディションの内容は、応募する際の曲のジャンルや身長体重などのプロフィール、活動歴などを記載する書類選考から始まり、2次審査〜4次審査+個別面談の流れで、最終的に所属が決まりました。

※所属とは、養成所への案内ではなく、プロダクションとの直接契約です。

総応募数8000人以上のオーディションでしたが、私はここであることに気づきます。

評価されたのは歌唱力や表現力じゃない

高校生の頃から、プロの歌、アマチュアの歌、素人の歌を365日休まず聴き続け、そして自分自身の歌を毎日録音して電車の中で毎朝確認する。

そんな日常を送っていると、自分自身の声を客観的に聴く、評価する耳が鍛えられます。

さて、話を戻しますが、3次審査では、20人前後ほどまで絞られた応募者たちが、本番の披露まで、声出しをしていました。

そこで私が感じたことは、「みんな歌がうまい。自分よりもうまい」です。

これは、さっき述べたように、「客観的に自分と他人を評価をした上での感想」です。

全員の歌を聴いたわけではないですが、やはり「歌唱力や朗読力」は技術の高さが段違いでした。

ですが、事務所と契約を結んだのは私でした。

企業側の視点から見る、合格する人の共通点

なぜ合格できたのでしょうか?

答えは、主催者側が「売れそうだから、お金を稼いでくれそうだから」と思ったからです。

プロダクション(企業)は、利益を伸ばすことが目的です。
人(声優や歌手)が商品であり、人を使って利益を出します。

歌がうまい=人気が出る ならば、ひたすら歌がうまい人を採用すればいいですが、プロの歌手にも劣らない歌唱力を持った方というのは、意外と多いのではないでしょうか。

こんなに歌がうまいのに、歌手になれないなんて。というセリフを一度は耳にしたことがあると思います。

そう、歌がうまければ人気が出るというわけではないのです。

そのため、プロダクションは真っ先に、「人気が出そうかな?」「売れそうかな」と考え、歌唱力だけでなく、総合的に審査するのです。

そして、プロダクションにはそれぞれに特色があり、得意な分野やジャンルなどが異なります。

つまりオーディションは、「スキルが高い人が合格するのではなく、主催者側の欲しい人材にどれだけ近い存在であるかが鍵になる」ということです。

ですが、そんなことを言われても、応募者たちにはどうしようもありません。主催者側の欲しい人材がどんな人材か、知ることはできませんから。

だから、自分を求めているオーディションに出会うために数をこなすことが必要になってきます。

歌が上手い人が歌手になり、声がいい人、朗読がうまい人が声優になれるものだと考えていましたが、そうではないことはもうわかりますよね。

これは、オーディションのあと、直接オーディションチームのスタッフにも確認しました。

主催者の欲しい人材が、最初からある程度ビジョンとして持たれている場合のほかに、偶然発見した原石に声をかけるパターンなどもあると思います。

何度も繰り返しますが、私が強く主張したいのは、オーディションは、想像の何倍もの数をこなす必要があるということです。

オーディションは、何回受ければいいの?

歌手や声優になる手段は、オーディションだけではありませんが、もしオーディション以外に手段が思い浮かばないという方がいれば質問です。

オーディション、人生で何回受けましたか?

10回にも満たない人は、夢を追っているのではなく「夢を見ているだけ」です。

オーディションしか思いつかないにもかかわらず、挑戦した回数が10回未満であれば、努力しているとは言えませんよね。

オーディションは、様々な形式、特典のものがありますが、デビューや活動を目的としたオーディションには年齢制限が設定されていることがほとんどです。

世の中からみれば「まだ若い」と言われるような歳でも、音楽業界や声優業界では「もう若くはない」と言われることも珍しくありません。

上手くなってから受けるのではなく、下手なままでも応募してください。

オーディションも無限に受けることができるわけではないですから。

若さは、最強の武器です。何回受けたか分からなくなるくらい受けてください。笑

最後にまとめです。

オーディションは受けまくれ。落ちて当たり前。

審査に落ちたのは、才能や魅力がないからというのではなく、「私は欲しい人材じゃなかった」と考えることで、審査に落ちてもモチベーションを維持しやすくなります。


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