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劇場版『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』感想

劇場版『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を観てきました。

「泣きすぎてマスクがビシャビシャになる」と前評判を聞いていたので、適宜マスクを外して涙を拭くためのハンカチも持っていきました。おかげさまで、なんとかことなきを得ました。
めっちゃ鼻すするから恥ずかしいじゃんと思っていたけど、周りもみんなすすっていたから大丈夫でした。

この作品の味わった劇場公開までの苦難と、ヴァイオレットの育った境遇の苦難がオーバーラップして、ロマンチシズムに浸る余裕もありませんでした。生きることは戦いで、死は容赦なく訪れるもので、この世に留まるその短い時間にどれほどのことが残せるのかということを、考えずにはおれませんでした。

「愛してる」という言葉を描く作中の手紙のなかで、何度も繰り返される「ありがとう」という言葉に、愛とは感謝と不可分なものかもしれないとしみじみと感じました。
家族への愛、友人への愛、かけがえのない人への愛。TVシリーズで再三に渡り描いてきたことを、改めて丁寧に描ききっていたと思います。
大切な誰かに想いを残そうとする人々の姿がとても美しく、いとおしかったです。

私も、家族に自分の言いたいことがうまく言えなくて、ピンチになるといつも手紙を書いていました。
母と大げんかして、それでも自分の主張がうまく言えないとき、母のほうから「お手紙を書きなさい。得意でしょう?」と言い出したものでした。
私は手紙だと、いつも少しだけ自由で、素直でした。

憧れの人に想いを伝える手紙を書いたり、友達に日々の感謝を伝える手紙を書いたり。振り返ってみると、普通より私はかなり筆まめです。何百通と、手紙を書いてきました。きっとこれからもそうでしょう。

生きているうちに、今生きている大切な人たちに、できうる限り手紙を書きたいなと改めて思います。


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