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『ひみつの小説家と葡萄酒の貴公子』感想

前作の主人公セシリアの友人フレデリカが主人公。女性作家同士のこういう男前な友情最高……と思いました。ライバルで切磋琢磨し合えて、お互いを尊敬できるところが最高! もっとじめじめした嫉妬と足の引っ張り合いみたいな現実も見たことあるけど忘れたわ!

他人と自分を比べてもちっとも幸せになれないし、まったく意味ないじゃんと常日頃思ってはいますが、もし作家の友人同士で同じ小説大賞にノミネートされて一方は受賞し、一方は酷評されるって実際は結構つらいことだと思うんですよね。友人と己は対等じゃないのかもと思うのはつらいことだと思います。
友達が認められ自分は認められないと悔しいし、惨めだし、どす黒い気持ちになることだってあるけど、フレデリカはそういう気持ちに参っちゃうわけじゃなくて、いつだってかみついてとっくみあいして、自分が制するまで諦めないんですよね。その姿が美しくて気高いので、アルテが惚れるのもわかります。

だんだんと恋をしていくフレデリカもまた超可愛くて最高なのですが、こういうエネルギーに溢れた女の子に理解ある夫ができるって喜ばしいなとも思いました。このシリーズの登場人物たちは、みんな仕事ができる人ばっかりなので、読んでいてとても楽しかったです。やっぱり人生、仕事が楽しくなくちゃね。


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