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『クローディア、 お前は廃墟を彷徨う暗闇の王妃』感想

感想を述べるのが遅くなりましたが、私が仲村先生の作品を読むきっかけになったシリーズなので当然こちらも読みました。廃墟シリーズ、このまま続刊するのかどうなのかと思っていましたが内容を見る限り続刊の気配。とても嬉しいです。やったね。

アルバート、なんでも思い通りにしてきたわりには女性の扱いが大雑把過ぎる……。笑 女性はそれほど単純ではないですよね。実は今までは女性のほうがアルバートに合わせてくれていただけなんじゃないでしょうか。

クローディアが思い通りにならないことで業を煮やした彼がベアトリスに相談する場面が超面白いんですが、ベアトリスがニカヤではオッドアイを春の使いと言って吉兆であると大事にされているという話をアドバイスとして返すの、めちゃめちゃ気が利いていて素敵でした。

クローディアは引っ込み思案に見えて実は大胆で、怪力。キャラが立ってるなと思いました。イザベラとも仲良くなるし。
でもこういうときは息子娘たちの誰かというより、敢えて他人のほうが感情移入することもなくイザベラに寄り添えるのかもしれないと思います。親子の間ってどうしても相手に対する期待があって、それが絆になればいいけど悪く作用すると呪いみたいになることもありますもんね。

クローディアを一刻も早く王妃に欲しがっていたのに、ナチュラルに焦らされているアルバートは面白かったです。

緑の陣営のエスメは今巻でも輝いていました。サミュエルがエスメになかなか求婚できない一方で、エスメのほうはずっと、誰よりも真っ直ぐにサミュエルを見ていますよね。そこが素敵。


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