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『男装令嬢のクローゼット』感想

読みました。仲村つばき先生作品、連続ですね。

この作品を読んで思ったのは、仲村先生の作品って主人公やヒーローも面白いんですけど、所謂サブキャラクターも含めてみんなすごくキャラが立っているなぁ! ということ。思えば『ひみつの小説家』のフレデリカも元々はそうでしたし。

こっちの脇役のキャラクターを主人公にしてもお話ができそうだなぁ、ということをまざまざと感じさせてくれるというか、主人公たちと価値観のや立場の違うサブキャラなんかもわりと出てくるから作品が一面的にならないんですよね。

私、「主人公が批判にさらされる」シーンというのが大好物なので、仲村先生の作品って本当に常に大好物が出てくるような気がします。
基本的には主人公って肯定的に描かれるものだと思うし、単に主人公がケチョンケチョンに言われるだけじゃ読むほうにもつらいものがありますけど、視点が違えば主人公の見え方も変わるというのは物語に奥行きを与えてくれると思います。
そういう意味で、セシルやリラが面白くてすごく好きでした。

でもそれ以上にやっぱりローズが好きです。かわいいので。笑
自信家で尊大なのに優しくて、ネージュ相手にわたわたしてるのがキュート過ぎて読んでる間ずっとにこにこしてしまいました。スーパーポジティブだけど兄に対しては臆病で、でもやっぱり相手もふくめてみんなで幸せになりたいと思っている純粋な優しさが素敵に見えました。

わりと連続で女性が就業することをテーマにした作品を読んでいますけど、本作はこう泥棒事件の潜入捜査みたいな要素もあってドタバタと楽しい読み味でした。複合的な要素がまとまっててすごい。


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