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『アルテ』感想

 会社の先輩がアニメを視聴していたらしいんですが、私がその話を聞いたときには放送終了していたので原作を読みました。現在14巻まで発売中。

 16世紀のフィレンツェという社会のなかで女性画家が奮闘する漫画作品です。レオナルドが没したあとくらいの時代。
 「自分の力で生きていく」ことを目指すアルテが主人公。

 貴族女性として生まれたアルテには結婚しか生活水準を維持する選択肢はなく、そういう現実に対して真っ向から対決する姿が痛快でした。初期の頃は「女なんか捨ててやる」と言っていたアルテが、女性画家としての地位を確立するにつれて性別も自分の一部だと受け入れるようになったのが嬉しかったです。

 親方のレオは、境遇としては物乞いの生まれて、工房に入って画家になることで自立したという経歴の持ち主ですが、かつての物乞いの少年が画家になるまでも相当な苦労がありました。

 つまり、「自分の力で生きていく」ことを目指すという点で二人は同志なんですよね。
 アルテは何よりレオの仕事を尊敬していて、少しずつ男性としても惹かれていくんですが、生まれはかけ離れているはずなのにそういう精神的な繋がりから絆を育んでいける二人が素敵だなと思いました。

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