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The Monkeesを再評価する -Part 18:The Birds, The Bees & The Monkees

「架空のバンドの役を演じる4人」であったはずのモンキーズは、架空と現実との境界線が無いまま進んできた故に、テレビ番組が終了してもグループとしてあり続けようとした。

テレビ番組の終了も一つの区切りであれば、スタジオワークに関しても一つの区切りだったのだろう。モンキーズの4人はこれまでモンキーズと共にスタジオワークを行ってきたプロデューサーのチップ・ダグラスを次回のアルバムでは使わないこととし、自分達でレッキングクルーなどのスタジオミュージシャンを起用しそれぞれがやりたいようにプロデュースする方針に変えた。

故に、この5枚目のアルバム『The Birds, The Bees & The Monkees』はそれぞれのメンバー自身の音楽の好みを反映した、モンキーズ版「ホワイトアルバム」とも言えるような内容になっている。

但しピーターはこのアルバムに曲を持ってきていない。(ピーターは次作の『Head』でその才能を見事に表現するに至る。)


新録の曲に関してプロデューサーの名義は「The Monkees」とすることで合意されたが、実態としてはマイク、ミッキー、デイビーがそれぞれ制作した曲をアルバムに集めた形である。
その意味では、過去の2枚のアルバムのようなバンドとしての一体感やアルバムを通して共通するサウンドというものは無いが、各曲のクオリティはこれまで以上に高度で実験的で先鋭的で、且つモンキーズらしいポップさもしっかり残っている。
バラバラに作ったにも関わらず何故かアルバムとして非常に纏まっている。
これはやはりずっとグループとして一緒に活動してきたからこその結束感から
来ているのであろうと考える。


もう少し補足すると、アルバムの制作に関しては、コルジェムズの社長であるレスター・シル、ジャズ畑のアレンジャーであるショーティ・ロジャース、後にMCAの副社長になるブレンダン・ケーヒルが支援したと言われている。
しかし、どういうわけか、モンキーズの4人も反対したにも関わらず、アルバムが完成した後にレスターはショーティとブレンダンをプロデューサーのクレジットに残さないと一方的に宣告し、プロデューサーがモンキーズ4人の名義となったらしい。これはショーティの回想によるものである。
(但し、ショーティは幾つかの曲でアレンジャーとしてクレジットが残った。)



デイビーのバラードやブロードウェイ的なポップスの作曲、マイクのカントリーとロック・ポップとの融合やサイケデリックロックなどへの実験的なアプローチの進化、ミッキーの卓越したロックやソウルのボーカル、など非常に聴きどころが多いアルバムである。

ピーターに関しては、いくつかの作品がアルバム用に検討されたが未収録となった。ピーターはこのアルバムに関しては最終的には(先行リリース済みの「Daydream Believer」のピアノとアレンジを除いて)このアルバムのレコーディングには一切参加していない。

また、初期の楽曲提供者でありプロデューサーであったボイス&ハートは、サイケデリックな「PO Box 9847」と新バージョンの「Valleri」で貢献した。この後もモンキーズとボイス&ハートは良好な関係を続ける。


レコーディングは、チップ・ダグラス時代のレコーディングである「Daydream Believer」を除いて、1967年11月から1968年3月までに行われている。
3月までレコーディングしていて4月にリリースしているという、今ではちょっと考えられないスピード感ではないだろうか。

便宜上だが制作主導者を色分けしてみた。
緑はマイク、青はデイビー、赤はミッキー。

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こう見ると、マイクは前半、デイビーは中盤、ミッキーは後半、とそれぞれスタジオ入りしているように見える。なかなか興味深い。

テレビ番組が終わり、もうそれぞれが好きな活動をしているのであろうことを何となく表しているように思える。


アルバムの表ジャケットには、ポップガン、セラミックの鳥、紙の花、棒の花など、1940年代から1960年代の品が入ったシャドウボックスがディスプレイされている。

裏ジャケットは4人の顔写真をギターピックの形を花びらのように配して、それぞれがサインしている。

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ミッキーの写真には「MIJACOGEO」とタイプされている。これは、ミッキーの家族(それぞれ、ミッキー、母ジャネル、妹ココ、父ジョージ)の頭字語を意味する。

マイクは自身の名前ではなく「Carlisle Wheeling」とサインしている。これは当時のモンキーズのリリースには含まれていなかった曲のタイトルで、後にマイクがモンキーズ脱退後に作ったファースト・ナショナル・バンドのアルバム「Loose Salute with the First National Band」に「Conversations」という曲名に変更して収録された。
(モンキーズ版「Carlisle Wheeling」も後にモンキーズの未発表曲集アルバムでリリースされた。また、今年リリースされたミッキーのソロアルバム『Dolenz Sings Nesmith』でも「Carlisle Wheeling」のタイトルで発表されている。3者全て素晴らしい出来。)



先行して発売され大ヒットとなった「Daydream Believer」、まだテレビ番組で放送されたもののこれまで未発表だったものを再録してシングルヒットさせた「Valleri」、そのB面の「Tapioca Tundra」などを収録し、テレビ番組の後ろ盾が無いにも関わらずアルバムは1968年4月にリリースされると直後にビルボード3位の大ヒットとなった。

当時の空気は知る由もないが、テレビ番組終了の発表の後のアルバムリリースだったので、テレビ番組ロスでアルバムの購入に走った層もいたのではないかと推測する。

但し、UKチャートではトップ10を逃した最初のアルバムとなった。


*          *          *          *          *


『The Birds, The Bees & The Monkees』の収録曲と自分なりの解説を以下に記す。
各曲に関するトピックスや歴史的意義についても付記する。
これも捨て曲ゼロの傑作アルバムである。

各曲ともスタジオミュージシャンの名が非常に多いので、トピック的な人名以外は今回省略する。詳細は英語版ウィキペディアに全てのセッション人名が記されている。


A-1 Dream World

•作詞作曲:デイビー・ジョーンズ、スティーヴ・ピッツ
•ボーカル:デイビー・ジョーンズ
•編曲:ショーティ・ロジャース


デイビー王道のアメリカンポップス。
イギリス人がアメリカンポップスを歌うというユニークさがデイビーの売りのように思う。

このアルバムではデイビーがステーヴ・ピッツと共作した曲が2曲あり、そのうちの1曲がこれ。
いきなりのアルバムの1曲目がデイビーが書いた曲というのもかなり冒険的と思うが、アルバムの1曲目に相応しいアップテンポのポップスである。

この共作者のスティーヴ・ピッツはマイク・ネスミスのテキサス時代からの旧友。
ピッツによると、デイビーはブロードウェイ的なビッグバンドでのデカいサウンドの曲を好んでおり、その通りの2曲がこのアルバムに収録されている。


A-2 Auntie's Municipal Court

•作詞作曲:キース・アリソン、マイク・ネスミス
•ボーカル:ミッキー・ドレンツ
•ダブルボーカル:マイク・ネスミス
•コーラス:マイク・ネスミス、ビル・チャドウィック、他不明
•ギター:マイク・ネスミス、キース・アリソン、ビル・チャドウィック
•ベース:リチャード・デイ
•ドラム:エディ・ホー

キース・アリソンは1968年にPaul Revere and the Raidersにベーシストとして新加入した人物で、このアルバムからモンキーズのレコーディングにギタリスト等として参加し始める。

曲の構成自体はマイクお得意のスリーコード進行+変則ブリッジという構成だが、更に深いエコーをボーカルにかけ効果的なギターフレーズをさりげなく散りばめることで幻想的でサイケデリックなサウンドに仕上がっている。

ギターの印象的なアルペジオはいかにもマイクの手癖らしいフレーズ。
ボーカルはミッキーをメインにマイクがユニゾンで薄く被せるダブルボーカルになっている。これは「Pleasant Valley Sunday」での成功体験で、二人の声色はとてもよくブレンドする。マイクは後年総論的に、ミッキーのボーカルがモンキーズにロック的な特徴をもたらしたと評している。

曲の前に出て主張してくるベースラインはかなり当時のポール・マッカートニーを意識した感じがする。
ドラムは前作大活躍したエディ・ホー。チップ・ダグラスが関わらなくなっても引き続きモンキーズのレコーディングに参加している。

コーラスとギターで参加しているビル・チャドウィックは前作にも参加していたマイクの旧友。


A-3 We Were Made for Each Other

•作詞作曲:キャロル・ベイヤー・セイガー、ジョージ・フィショフ
•ボーカル:デイビー・ジョーンズ
•ギター:ジェームス・バートン、他

元々は前作用に用意されていた曲。
キャロル・ベイヤー・セイガーは1965年にザ・マインドベンダーズが大ヒットさせた「A Groovy Kind of Love」の作者。70年代にはソロアルバムを出し、80年代にはグラミー賞も受賞し作曲家の大御所になる。モンキーズと関係が深いキャロル・キングやバリー・マン&シンシア・ウェイルとも親交が深い職業作家である。
デイビーの十八番であるラブバラードで、これでもかという派手なオーケストレーションで
アレンジされている。

バンドメンバーはジェームス・バートン初めレッキング・クルーのメンツで構成。
初期モンキーズと全く違うところは、共通してレッキング・クルーを使っているのだがこの時期からは使う主が会社ではなくモンキーズ自身であるという点である。
あくまで制作をしているのはモンキーズのメンバーであるということが重要であり、操られているのではなく操っている側に立ってアーティストとして制作をしているということが正しい認識と言える。


A-4 Tapioca Tundra

•作詞作曲:マイク・ネスミス
•ボーカル:マイク・ネスミス
•ギター:マイク・ネスミス
•アコースティックギター:マイク・ネスミス
•ホイッスル:マイク・ネスミス
•パーカッション:マイク・ネスミス
•ベース:不明
•ドラム:エディ・ホー

シングル「Valleri」のB面としてシングルカットされ、最高34位のトップ40ヒットとなった曲。
このアルバムの中では(「Daydream Believer」を除き)一番最初のレコーディング曲。

かなり難解な歌詞に意味不明のタイトルなのだが、It cannot be a part of me. For now it's part of you. というサビのラインは「自分の曲はリリースされてリスナーに届いた瞬間から自分の物ではなくリスナーの物になる」ということを言いたいらしい。

コード進行も非常に凝っていて、一つ一つのコードはシンプルだがディミニッシュを効果的に挟みながら躍動感あるルート進行を作っている。

レコーディングは更に凝っていて、まずボーカルにはラジオからの声のような特殊な効果を被せている。この走りはビートルズの「Tomorrow Never Knows」あたりかと思う。
そしてパーカッションが結構効果的に使われていて、疾走感をうまく演出している。
ベースとドラム以外はマイクの演奏なのだが、この効果的なパーカッションもマイクが演奏している。
全体的にサイケデリック色が濃い演出が施されている。
あっという間に終わるがかなり濃密で魅力溢れる一曲である。

ドラムはさすがのエディ・ホー。タイトでシャープな音で、他のレッキング・クルーのドラマーには無いバンドらしい音で演奏をしっかり支えている。

個人的には、「Daydream Believer」を除けばこのアルバムのベストトラック。


A-5 Daydream Believer

•作詞作曲;ジョン・ステュワート
•ボーカル:デイビー・ジョーンズ
•コーラス;ミッキー・ドレンツ
•ギター:マイク・ネスミス
•ピアノ:ピーター・トーク
•ベース:チップ・ダグラス
•ドラム:エディ・ホー
•パーカッション:チップ・ダグラス
•ドラム:エディ・ホー
•他(省略):バイオリン(4)、トランペット(1)、ピッコロトランペット(1)、トロンボーン(1)、バストロンボーン(1)、ベル(1)
•オーケストラ編曲:ショーティ・ロジャース
•プロデューサー:チップ・ダグラス

詳細はPart 16を参照。
前作のレコーディングメンバーで制作されシングルリリースされた曲を、後に制作されたこのアルバムの1曲として収めた。

このアルバムで唯一ピーターが出てくる曲。


A-6 Writing Wrongs

•作詞作曲:マイク・ネスミス
•ボーカル:マイク・ネスミス
•ギター:マイク・ネスミス
•オルガン:マイク・ネスミス
•ピアノ:マイク・ネスミス
•ベース:リチャード・デイ
•ドラム:エディ・ホー
•パーカッション:エディ・ホー

ベースとドラム以外は全てマイクだけで演奏している。
かなり前衛的な楽曲で、延々とスローで狂気じみた流れで進むかと思いきや急にテンポが速くなるなど、かなりトリップした印象を受ける。
エディ・ホーのドラミングが素晴らしく、スローなパートではパワフルにフィルを刻み、テンポが変わってからは粒の揃った綺麗なスネアを奏でる。
絶対にティーン受けしない曲だが、アーティスティックな耳を持つリスナー向けには最高ではないだろうか。

尚、2つのテイクを繋ぎ合わせて最終バージョンにしているらしい。


B-1 I’ll Be Back Up On My Feet

•作詞作曲:サンディ・リンザー、デニー・ランデル
•ボーカル:ミッキー・ドレンツ

元々はセカンドアルバム用に用意されていたもので、1966年にレコーディングされ、実際にテレビ番組でも使われていたが、これまでアルバム未収録だった。
前作でも採用しようとしていたが、最終的にはこのアルバムで正式リリースとなった。

このアルバム用にレッキング・クルーを再採用し、アレンジし直して新たにレコーディングし直されたトラック。
初期用の曲ということでティーン向けポップチューンではあるが、仕上がりはより洗練されていて、このアルバムのカラーにマッチしている。
ミッキーは珍しくロック的ではない曲のボーカルを請け負っているが、こういうポップスでも全く違和感なくこなしてしまうところにミッキーのボーカリストとしての素晴らしさがあると思う。

サンディ・リンザーとデニー・ランデルは「A Lover’s Concerto」の作詞作曲コンビとして有名。


B-2 The Poster

•作詞作曲:デイビー・ジョーンズ、スティーヴ・ピッツ
•ボーカル:デイビー・ジョーンズ
•編曲:ショーティ・ロジャース

デイビーがスティーヴ・ピッツと共作したもう1曲のもの。
これも「Dream World」同様にオーケストラを編成してデイビー好みのビッグサウンドに仕上げている。
デイビーのボーカルにショーティ・ロジャースのオーケストラ編曲とレッキングクルーの演奏がとても良く合う。

「サーカスが街にやってくる、とポスターに書いてある」というくだりから始まる歌詞だが、サーカス早く来ないかな的な内容だけで終わる。
あまりにシンプルすぎるので裏の意味がないか考えてしまうのだが、何も無いのかもしれない。。。(笑)


B-3 P.O. Box 9847

•作詞作曲:トミー・ボイス&ボビー・ハート
•ボーカル:ミッキー・ドレンツ
•コーラス:(おそらく)ココ・ドレンツ、ミッキー・ドレンツ
•タックピアノ:ボビー・ハート
•ギター:ゲリー・マッギー、ルイ・シェルトン

ボイス&ハートの、未発表曲の焼き直しではなく新曲の投入。
この辺りからボイス&ハートとモンキーズは対等なパートナー関係が色濃くなる。
この曲の実質のプロデューサーもボイス&ハートであったと言われている。
これまでのボイス&ハートの曲と違って、アレンジのみならずコード進行や構成がポップではなくアート寄りの作りになっている。

モンキーズのレコーディングは67年12月と68年2月でアルバムのリリースは68年4月だが、ボイス&ハートとしても68年8月に自身のシングル「Alice Long (You’re Still My Favorite Girlfriend)」のB面としてリリースしている。
アレンジ具合はどちらも似た感じだが、どういうわけだかボイス&ハート版はギターのリフの音色やドラムのバランスなど色々と荒削り過ぎて作り込まれていない。
モンキーズ版はとてもスリリングでタイトな演奏で聴いていて気持ち良い。

歌詞もなかなか面白い。恋人募集を新聞か雑誌に載せようと自分の宣伝文句を下書きしているのだが、控えめに書き過ぎた書き直しだ、今度は盛り過ぎた描き直しだ、最後にはどうも気に入らない全部捨てちまえ、という歌詞で、知的に見せるかのようなちょっとした言葉(generous, responsible, respectful, educated, sensitive, affectionate, considerate など)が散りばめられている。
こういうセンスがポップス職業作家のボイス&ハートも描くようになったということからも、この頃のカリフォルニアの音楽市場の変革が如何に影響力の強いものだったかが伺えるように思える。

未確認ながらおそらくコーラスで参加していたであろうと言われるココ・ドレンツは、ミッキーの妹。ココはモンキーズのテレビ番組にもゲスト出演していた。


B-4 Magnolia Simms

•作詞作曲:マイク・ネスミス
•ボーカル:マイク・ネスミス
•ギター:マイク・ネスミス

1920年頃の古い78回転のレコードを再生しているのを再現した作りになっていて、全編レコードの針のノイズが聴こえる。エンディングのちょっと前にはワザと針が飛んで同じ箇所をリピートしてノイズと共に再生が直るという「古いレコードあるある」を再現するという凝りよう。(自分は最初にLPでこれを聴いた時はLP不良品なのかと思った。笑)

曲調も古いボードビルを思わせるような曲調で、当時としてはかなりレコーディング技術の実験的試行だったと思われる。ビートルズの「Honey Pie」より約半年早くレコーディングしている。

個人的には「Tapioca Tundra」に次ぐ本作でのベストトラック。


B-5 Valleri

•作詞作曲:トミー・ボイス&ボビー・ハート
•ボーカル:デイビー・ジョーンズ
•コーラス:不明
•ギター:ゲリー・マッギー、ルイ・シェルトン
•編曲:ドン・マックギニス

4月のアルバムリリースの直前の2月にシングルカットされビルボード3位の大ヒットとなった。
このトラックも、クレジットは無いが実質ボイス&ハートのプロデュースだったと言われている。

元々はテレビ番組でこの曲は登場している。但しテレビ用バージョンは、イントロがギターソロではなくリフで始まるとか、エンディングがフェイドアウトではなく完奏して終わるとか、ホーンセクションが無いとか、このアルバムのトラックとは多くの違いがある。本トラックは67年12月に再録されたバージョンである。

ボイス&ハートのモンキーズ初期用の曲だけに、単純なアイドル曲の歌詞ではあるのだが、ルイ・シェルトンが弾くフラメンコ風のギターソロがヴァレリーという女性をエキゾチックなイメージに想わせる効果を作っていて、とても良くできたアレンジだと思う。ちなみにこのフラメンコ風ギターはテレビ用の初期バージョンでも聞かれる。テレビではマイクが音に合わせて弾き真似をさせられていて、今思うと少し可哀想でもある。仕事だったとはいえ。笑

子供の頃は好きな曲だったけど、今となってはこのアルバムで唯一浮いて聴こえる。


B-6 Zor and Zam

•作詞作曲:ビル・チャドウィック&ジョン・チャドウィック
•ボーカル:ミッキー・ドレンツ
•ギター:キース・アリソン、ビル・チャドウィック
•ベース:チップ・ダグラス、リチャード・デイ、マックス・ベネット
•ピアノ:マイケル・メルヴォイン
•ドラム:ハル・ブレイン、エディ・ホー、ミルト・ホーランド、スタン・レヴェイ
•パーカッション:ミッキー・ドレンツ、ハル・ブレイン、ミルト・ホーランド、スタン・レヴェイ、ヘンリー・ディルツ
•ゴング:ハル・ブレイン、ミルト・ホーランド、スタン・レヴェイ
•ティンパニー:ハル・ブレイン、ミルト・ホーランド、スタン・レヴェイ
•編曲:ショーティ・ロジャース

ホーンセクションとストリングスも大勢いるのだが省略。
とにかく人が多い!

初期のバージョンがテレビ番組の最終回で使われている。
ちなみに最終回はミッキーが脚本と監督を務めている。
初期のバージョンではホーンセクションもストリングスも無く、如何にもなギターフレーズも相まって、ジェファーソン・エアプレインのような雰囲気すら感じる音になっている。

本アルバムでのトラックはベースとドラムとパーカッションが複数のプレイヤーで構成されていて、ホーンセクションとストリングスもフィーチャーされたフルロックオーケストラでの大迫力のアレンジと演奏になっており、ただただ圧倒される。

ベースにチップ・ダグラスが参加している。
ドラムはハル・ブレインとエディ・ホーが共演。
パーカッションはやれる人総動員なのか、モンキーズを撮ることから写真家として歩み出したMFQのメンバーでチップ・ダグラスの旧友でもあるヘンリー・ディルツも参加している。

そしてアレンジはデイビーの曲をアレンジしてきたショーティ・ロジャース。
デイビーのポップな曲とは全く違うパワーホーンのアレンジになっていて、仕事の幅の広さが凄い。

作曲とギターのビル・チャドウィックは前述の通りマイクの旧友。
共作者のジョン・チャドウィックとは兄弟。
歌詞は、対立する2つの王国が戦争に備えるが、いざ戦争が始まると誰も来なかったという内容。当時のベトナム戦争を暗に皮肉る反戦歌のようにも聴こえる。

壮大に盛り上がり切った後に何かが壊れ終わるようなエンディングが印象的で、アルバムの最後を飾るにふさわしい曲。



続く。


次回は、映画「Head」とサントラの位置付けでもある6枚目のアルバムについて書こうと思う。
その後は、オーストラリアと日本のツアーについても触れてみたいと思う。


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