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「世界青年部歌」から「本因妙」を学ぶ

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 今、配信中の本部幹部会で、新たに世界青年部歌「Eternal Journey with Sensei!」が発表されました。冒頭のフレーズ『さあ、共に出発しよう! 命ある限り戦おう! 前へ前へ前へ』が印象的な歌ですが、志賀青年部長が仰っていた通り、この歌詞は、小説『新・人間革命』第30巻「誓願の章」のラスト、2001年11月の本部幹部会で、池田先生が青年に語りかけた言葉が元になっています。

 『“さあ、共に出発しよう! 命ある限り戦おう! 第二の「七つの鐘」を高らかに打ち鳴らしながら、威風堂々と進むのだ”』(『新・人間革命』第30巻「誓願」436ページ)

 そして、「前へ前へ前へ」は、日蓮仏法の「本因妙」を表現していると感じます。
 「本因妙」の「本因」とは、仏になる根本の因(修行)のことで、日蓮仏法ではこの本因の修行となる根本法を南無妙法蓮華経として説き顕しています。過去がどうあれ、現在の妙法の実践が直ちに成仏の原因となるため、「今」という瞬間を常に未来への出発点としていくのが本因妙の仏法の在り方です。

 今回の企画では、御書「乙御前御消息」から「本因妙」について学んでまいりましょう!

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 「乙御前御消息」は、蒙古の再びの襲来が予想され、世情や思想が乱れるなかで、乙御前の母に対して、いよいよ強盛に信心に励み、「本物の一人」に成長すべきことを呼びかけられている御書です。乱世だからこそ、頼るべきものは、わが「信心」しかないからです。

〈御文〉
 古への御心ざし申す計りなし・其よりも今一重強盛に御志あるべし(御書1220頁)
〈現代語訳〉
 これまでのあなたの信心の深さは、言い表すことができません。しかし、それよりもなお一層の強盛な信心をしていきなさい。

 まず「古への御心ざし申す計りなし」と、乙御前の母のこれまでの求道の歩みが本物であったことを、あらためて賞讃されます。しかし、続いて大聖人は、あえて、「今一重強盛に御志あるべし」--これまで以上に、強盛な信心を貫いていきなさい、と御指導されています。
 それまでの求道と報恩の姿が不十分だったというわけでは、決してありません。それでも、「今一重」と仰せられているのは、信心において一番大切な要諦は、「昨日より今日」「今日より明日へ」という姿勢であることを教えられるためと拝されます。
 仏法は「本因妙」であり、どんなに過去に信仰の功績があっても、今、歩みを止めてしまったならば、いつしか、信心は成長の軌道から外れてしまうからです。

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 小説『人間革命』『新・人間革命』の主題といえば、「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、やがて全人類の宿命の転換をも可能にする」ですが、池田先生は「本因妙の哲学」こそ宿命転換を可能にする源泉だと言われています。

 『私は、「本因妙」の哲学は、言うならば、宿命転換を可能にする思想的源泉であり、人間の真の自由を勝ち開く基盤であると思ってきました。
 いわゆる「宿命論」というものは、“過去が現在を決定し支配する”という思考と言ってよいでしょう。それでは、どうしても過去に囚われ、過去に縛られた後ろ向きの生き方にならざるをえません。
 また、「どうせ自分は駄目だ」と無力感に苛まれる場合もあります。「宿命だから」「自分は宿業が深いから」という、あきらめの人生にもなりかねない。
 しかし、私たちは、宿命を使命に変えるという「宿命転換」即「人間革命」の大哲理を持っています。それは、過去に呪縛されるのではなく、過去は受け継ぎつつも、それでもなお、自らの一念の変革でその意味を変え、自身の行動で価値を創造し、現在のこの瞬間から、新たな人生を断固として切り開くことを可能にする哲学です。
 今日から明日へ、永遠の前進であり、「未来」へのたゆみなき挑戦--これが「本因妙」の生き方です。』(『世界広布新時代の指針』「本因妙--今日も『いよいよ』の精神で進み勝て!」2020-05-03発行)

 前へ、未来へと挑戦する「本因妙」こそ、宿命転換を可能にする生き方と言えます。

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 池田先生は、『新・人間革命』の連載を終えられた直後の随筆でさえ、執筆を終えて感慨に更けるとか余韻に浸るといったことはなく、どこまでも「本因妙」の生き方を示してくださっています。

 『ありがたくも、「連載が終わって寂しい」との声も多く頂いている。しかし、師弟して歩む我らの「人間革命」の挑戦に終わりはない。(中略)
 「余韻にひたらず、常に新たな前進を!」――日蓮仏法の真髄は「本因妙」だ。一つの「終幕」は、新たな戦いの「開幕」なのである。』
(『随筆 永遠なれ創価の大城』34「『人間革命』の大光」2018-09-15付聖教新聞)

 9.27世界青年部総会に向けて、前へ前へ「本因妙」の精神で、前進してまいりましょう!

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