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Will(やりたいこと)がない症候群

Will(やりたいこと)Can(できること)Must(やるべきこと)を考えてキャリアを開発する方法は、リクルートグループを中心に広がっています。これに沿って行動を続けることに慣れていくと、やりたいことの実現が続いていきやすいというメリットがあるのです。けれども、Will(やりたいこと)が思いつかないという方も少なくないのではないでしょうか。Willを訊かれることが、プレッシャーに感じてしまうこともありますね。


そのようなときは、Can(できること)に目を向けてみるとよいです。特別に得意ではなくても、苦労なくできることを続けてみるとか、人から「できるのではないか」「向いているのではないか」と勧められたことを続けてみるのです。ある程度やっていくと、「もっと知りたい」と思うことがあったり「これってどうなんだろう」と問題意識が芽生える瞬間があります。それを明らかにするために動いてみるのです。言い換えると、苦手なことは手放して、続けられることや、嫌じゃないことに焦点をあてるということです。


私自身も、その連続です。流通業で仕事を始めた時に、富裕層向けのブランド担当になったのは、「年齢の割に落ち着いていて富裕層向け対応ができそう」と判断されたからですし、人材サービスで50代向けライフプランセミナー担当になった時も、同様でした。キャリアコンサルタントや産業カウンセラーの資格取得のきっかけは、「よく話を聴いてくれる」というお客様の声と、人材業界での実務が、社会で本当に役立っているのか明らかにしたいと思ったことがきっかけです。大学院で中小企業・ベンチャー企業の人的資源について研究を始めたのは、個人と向き合ってきたことと、企業の経営者の悩みを聞いていたことが背景にあります。また、そもそも、自分が大きなことを起こしたい欲求はなく、ことを起こしている人を参謀役として支えたいという思いも常にあります。それに気づいたのはこの数年のことですが。


何かに没頭していると、周囲から次のヒントとなるフィードバックがでてくることがあるし、自分の内面からふとした疑問が湧き出てくることがあるのです。大きなWillがなくても、目の前のことをコツコツやっているだけでも、アンテナさえ張っておけば見つかるかもしれません。


おススメ図書:マーケターのように生きろ 井上大輔さん

参考:ミモレ大学苦手なことは手放して、自分の強みを生かして幸せに働くコツ