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8月のランブル増刊号「ハッピー・シャイニー・サヴァイヴァーズ」レポート

8月のランブル増刊号は、「ハッピー・シャイニー・サヴァイヴァーズ」。老いてなおハッピーシャイニー=明るく楽しいミュージシャンの活動をご紹介。7月本編の「ハッピー・シャイニー・ピープル」続編的な位置づけです。

途中、音声途切れてしまいスイマセン!今回もStreamYardでお届け。文章でも楽しみたい方のため、ハッピー・シャイニー・サヴァイヴァーズ・レポートです。

ミセス・ミラー

今回の登場人物の中では唯一、鬼籍に入っている方ですが、その存在感は今なお大きい、ミセス・ミラー。配信では2枚目のアルバム「Will Success Spoil Mrs. Miller?!」より、夏にピッタリの名曲「イパネマの娘」をご紹介。

こんなところから歌い出すイパネマの娘、他にあります!?

ミセス・ミラー、本名エルバ・ルビー・ミラーは1907年ミズーリ州生まれ。1934年に30歳上の投資家、ジョン・リチャードソン・ミラーと結婚。このジョン氏、石油を掘り当てたという噂もあるほどの大金持ちなのであります。

その後カリフォルニアに移り住み、ポモナ・カレッジというリベラルアーツ系の大学で音楽や声楽、作曲について学んでいたらしい…これがその成果か…ちなみに当時の彼女はクラシックや童謡などをレコードに吹き込み、慈善活動のため近所の孤児院に配っていたとか。泣ける話です。

その歌声に惚れたのか、はたまたミセス・フローレンス的な成功を確信したのか、1966年には押しも押されぬメジャーレーベル、キャピトル・レコードと契約。1枚目のアルバム「Mrs.Miller's Greatest Hits」は数十万枚の売上を記録します(大半は富豪の旦那が買い取ったという噂も)。その後もレーベルを移りつつ数枚のアルバムをリリース。いつか全部コンプリートしたい!

そんなミセス・ミラーの貴重なTV出演映像がYouTubeにありました!

はじめは笑っていた観客も、徐々に彼女のまっすぐな歌声に惹き込まれ、妙な感動が残ります…よね。もっともミセス・ミラーに笑わせる気など一切ないはずです。このまっすぐさ、ハッピー・シャイニーの秘訣かもしれません。

シェール

日本ではあまり知られていないのですが、シェールってすごいんです。

・1965年のデビュー以来、1960年代〜2010年代のすべてのdecadeでナンバーワンヒットを獲得!
・1999年のシングル「Believe」でグラミー賞レコード・オブ・ジ・イヤーを獲得!
・女優としても1987年「月の輝く夜に」でのアカデミー主演女優賞をはじめ、多数受賞歴アリ!

すごい実績!美貌も相まって、めちゃくちゃモテてました、という話をしました(なぜかパワポまで作って)。詳しくはアーカイブにて

ランブルではスワンプ特集でも登場しましたが、以後はすっかりキワモノ扱い。でも改めて実績を調べてみてびっくりしました。大スター!ちなみに「Believe」はボーカルのオートチューンの元祖とも言われており、シェール・エフェクトとも呼ばれているとか。

70歳を超えた今でもバリバリ現役!にもほどがある!頼むから服を着て欲しい

cher 1990」「cher 2020」などと画像検索or動画検索すると、コスチュームやヘアスタイルの変遷が確認できてオススメです。

マイク・ラブ

言わずとしれたビーチボーイズの創設メンバー。ブライアンをはじめとしたウィルソン兄弟とは、従兄弟の関係にあります。マイクが一番年上。

ランブルではロビー・ロバートソンと並ぶヒール役ですが、ロビーがザ・バンドを作曲で支えていたのと同じく、マイク・ラブだってすごいんですよ。ヒット曲の作詞はほとんどがマイク・ラブですし、グッド・ヴァイブレーションも彼の歌詞でなかったらあんなに売れたかどうか分かりません!

配信では、そんなマイク・ラブの名言集をご紹介。これは2017年12月のマイク・ラブ特集での来場者プレゼントです。

清々しいほどの数字へのコダワリ!トランプとの仲とか、右翼的活動とかが揶揄されるけど、元来こういう人なんですよね。めちゃくちゃな強メンタルの持ち主なんで、ツッコんでも無駄かも…

コロナ禍でも元気に活動中、リモート録音で新曲「This Too Shall Pass」をリリースしました。"we’ll get back to havin’ fun, fun, fun in the sun."なんて歌詞、マイクにしか書けません。ちなみに当曲の印税は、コロナ対策として全米のフードバンクに寄付されることになっています。

80歳目前にしてこの肌ツヤ、一体どうなってるんだ!?

一方その頃ブライアン・ウィルソンは…

ピュアすぎる!頼むから早くズボンを履いてくれ!こんなにも対極にあるブライアンとマイク・ラブが同じバンドにいる(いた?)、というのがビーチ・ボーイズのすごいところなのかも。付かず離れずの2人ですが、いつかまたツアーしてくださいね!

ハーブ・アルパート

最後はこの方、ご存知ハーブ・アルパートA&Mレコードの創始者、トランペッター、歌手、コンポーザー、プロデューサー、レストラン経営者、そして彫刻家と、7つの顔を持つ男なのであります。

近年ではLA有数の名士として、自らの財団を通じバークリー音楽大学にハーブアルバート記念客員教授を設けたり、UCLA=カリフォルニア大学ロサンゼルス校に3千万ドルを寄付したり、と後進を育てる活動に邁進しています。

配信では彼が今もっとも力を入れている彫刻にフォーカスし、TV取材の様子をご紹介。

クソでけえ!しかも大量!やっぱりアメリカン・ポップスの礎を作った人はスケールが違いますよねー。

ちなみにこの彫刻、マリブにある自宅の庭にも鎮座しており、あまりの大きさにグーグル・アースでも上空から確認することが可能です。

お分かり頂けただろうか?池の前にある4つの大きな影が彫刻ですね。それにしてもデカすぎる!

この3月に85歳を迎えたアルパートさんですが、ミュージシャンとしてもまだまだ現役!自ら経営するレストラン、Vibrato Gril Jazz のステージに立つこともあるとか。そして昨年発売のアルバム「Over The Rainbow」はビルボードのコンテンポラリージャズチャートで1位を獲得!すごすぎる80代!

まだまだ元気。奥様のラニ・ホールともども、いつまでもハッピーシャイニーでいてくださいね!

ポール・アンカ

配信では触れられませんでしたが、最後にポール・アンカを。歌手としては「ダイアナ」の大ヒット、また作曲家としても「シーズ・ア・レディ」「マイ・ウェイ」などビッグヒット連発の元祖シンガーソングライターです。

近年ではディナーショーかよ!?というライブパフォーマンスでそのハッピーシャイニーっぷりを発揮。マイク・ラブとはまた違ったタイプの肌ツヤの良さを感じます。

そして最もハッピーシャイニーを感じるのが、ロックの名曲をスイング調にカバーした2005年リリースのアルバム「Rock Swings」。中でもニルヴァーナのカバーがヤバ過ぎる!

衝撃でしばらく言葉が出ませんでした!こんなジェントルに歌う歌詞かよ!

ポール・アンカについては9月に予定している「ウェルクラフテッド・ポップス vol.2」でも触れる予定。意外な形で登場します!

おわりに

ハッピー・シャイニー・サヴァイヴァーズ、いかがでしたでしょうか?アーティスティックからは少し離れたところにあるけど、時にはこんな音楽も必要なはず!皆さんご高齢ですが、いつまでも元気に、楽しく活動してくれたら嬉しいですね。次回は8月28日、「ウェルクラフテッド・ポップス」特集でお会いしましょう!

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