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西田の論壇:Adobe MAXとSneaksで考えた、AIと人間の関係

知財、IT産業、ネット、放送にまつわる問題や社会現象を分析、考察します。


3年ぶりに、Adobe MAXを現地取材してきた。内容についての記事は商業媒体にも6本くらい掲載予定なので、そちらをお読みいただければ、と思う。

今のAdobeといえば、盛り上がるのはやはり「Adobe Sensei」がらみ。あらゆる機能がAdobe Senseiのブランドで作られており、同社が積極的に行なってきた「AI投資」が生きてきたためでもある。

では、それはどのような意味を持っているのだろうか?

この数ヶ月で、いちから絵を描くAIは急速に進化し、「絵を描くこととAIの関係」を変えてしまった。

Adobeで開発中の機能をチラ見せする「Adobe Sneaks」を見ながら考えたことを、Sneaksの内容をご紹介しつつ、少し語ってみたい。

・Adobe MAXの名物企画「Sneaks」。技術アピールの場であると同時に、最新技術のトレンドを楽しめる場でもある。

■「描かれていない部分」を描くAI

今年のSneaksで、筆者が一番インパクトを受けたのは「Project All of Me」という技術だ。

「せっかくの舞台なのに、1枚のイケてない写真しかなかったとしたらどうでしょう?」

そんな風に話して、開発者はある機能を紹介した。1枚の写真から「クロップ前の周囲を作り直す」機能だ。切り取られていた風景や膝から下の映像を、AIが作り直してくれる。

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