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西田の論壇:「撮影しつつ取材」のソリューションを考える

筆者(西田)は仕事柄、写真を撮りながら取材する必要性に迫られている。もはや、記者は「文字も写真も動画も記録する人」であり、取材メモだけに注力するわけにはいかない。

さらにはソーシャルメディアもある。情報がリアルタイムに伝わることが求められているのは間違いない。

・Adobe Summitで取材中にシェアしたもの。こんな風に、リアルタイムで伝えることが重要な時代でもある。

フリーランスの記者としてそれをマネタイズするにはどうするか。筆者は報酬を得ており、それはそれでしんどい課題なのだが、まあ、ちょっと横に置いておくとしよう。

直近の課題は、「撮影とその後の作業をいかに楽にするか」ということだ。スマホとメインのカメラが両方あり、それぞれをどう使い、どう伝え、どう残すかはなかなか大変な話である。

今回は、ちょうど出張取材もあったことだし、最近ノウハウができあがってきた「取材しつつ写真しつつ、SNSにも投稿するテクニック」の話をしたい。記者以外にはあんまり関係ないノウハウだとは思うが、「現場を取材する記者はこんなことをしている」というイメージを感じていただくには最適な題材かな、とも思っている。

■手が何本あっても足りやしない

記者会見や発表会があったとする。

そこで記者が行う作業は、以下の6つになる。

  • 内容を把握するためにメモを取る

  • 内容を確認するために録音する

  • 記事に使うための写真を撮る

  • 記事に使うための動画を撮る

  • SNSでシェアするための写真を撮る

  • SNSでシェアするための動画を撮る

で、そこから記事を構成していくことになるわけだが、「ほとんど写真と動画じゃん」というのもわかるだろう。大昔、紙の雑誌がメインで、撮影もフィルムで行われていた頃には、取材でカメラマンの方と一緒に動くことが多かった。今でも新聞や、スポーツなどの専門性が高い領域では、カメラマンと記者は分かれていることが多い。

ただ残念ながら、テック+ウェブメディアという組み合わせだと、記者が写真を撮影するのは基本になっている。正直撮影は苦手だが、機材とソフトの力に頼って品質を維持している。たまに15年前の取材写真を発掘したりするが、質の低さに愕然とする。

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