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近畿大学・坂田裕輔教授に聞く「環境問題とサステナビリティの今」(2)

毎月専門家のゲストをお招きして、旬なネタ、トレンドのお話を伺います。


前回に続き、環境問題活動家で近畿大学・産業理工学部 経営ビジネス課の坂田裕輔教授との対談をお送りする。

環境問題は意識問題、という意見がある。

一方で、環境問題は「イノベーション」で改善していける部分も多々あるのが事実だ。では、環境とイノベーションの間にはどんな関係があるのか? そして、それを生かすにはどうすべきなのか? 今回はそこがポイントとなる。

坂田氏は著者(西田)とは中学時代の同級生という間がらなので、若干くだけたムードの対談になってはいるが、その点はご了承いただきたい。(全5回予定)


■「できることから始めよう」の問題

西田:今のままの内燃機関でいっていいか、というと、それは国際競争力の面で言っても、エネルギー効率の面で言っても、問題があるよね、という話になるわけじゃないですか。

そうすると、どこから始めてどう繋がってるのか、みたいなのが、おそらく多くの人にとっては見通しが効かない。

それって経済的に回していくにはどうしたらいいか、という話にもなっちゃうわけじゃないですか。

そのへんの繋がりとか、各技術開発の繋がりであるとか、それをどう評価すればいいか、というのがけっこう伝えられてない部分だし、伝わってない部分だと思うんだけれども。

このへんってどう見てる? 逆に言うと、こう伝えてほしい、というのがあれば、それはすごく聞きたいなと思うんだけれども。

坂田:まず、マジックワードとして、「できることから始めよう」というのがあるやん。

西田:はいはい。

坂田:あれはね、ある意味思考停止だと思う。全体が見えないから目に見えるだけやろう、みたいな感じ。あるいは俺にできるところ、みたいな。

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